東方見聞録――初日
東京行きを目前に控えた二十五日の夜、私はといえば万全の体調で挑むため布団の中でぐっすりと休んで――いるはずだったのだけれども。
チャットでの打ち合わせ(とはいってもほとんど何も決まっていない)を終えた後、空港までの送迎を頼んでいた友人Kを迎えに行ったのが間違いの元。気がつけば何故か温泉に入っていたりしたわけで。
……いや、ここ最近深夜に温泉に行くのにはまってまして。空いてるし気持ち好いんですよこれが。まぁ旅行を翌日に控えてやる事ではないんですけどね。
とはいえ行ったからには満喫しなければ損、とばかりに一時間半ほど温泉でのんびり。当然腰に手を当てて牛乳を飲むのも忘れずに。
なんてやってたらすでに時間は五時前を指していたりして、空港に行かなければいけない時間まで六時間を切っちゃってました。
もはやいい年齢なので、流石に徹夜は辛い。
ここは少しでも寝ておくべきだろうと布団に入ったは良いのだけれど、そこはKと一緒にいて大人しく寝れるはずも無く。そして開催される大喜利百人一首大会、参加者は二人。
*大喜利百人一首大会
片方が出した上の句にもう片方が下の句を返す、というのを交互に繰り返して行き、最終的に百人一首を作り上げようという雅かつ阿呆な遊び。
ちなみに二人とも正式な百人一首どころか短歌も良くは知らないので割と適当だったりする。
*解答例
イナセだね 紳士肌着で 闊歩する あいつの親父は ジャンレノ気取り
ロッキーの テーマが流れる 更衣室 踊るあの子は 大塚娘
半端無い 夢を求めて 突き進む 世間的には 無職な親父
……完成(濁音どころか半濁音までやった)した頃にはもう家を出なければ拙い時間でした。
休みまでとって万全の状態で出発するはずが、気付けば完徹。アホか私は。
ともあれ遅刻するわけには行かないので、熱いシャワーで無理やり意識を持ち直させて出発。荷物がバック一個のみなのはもはや当然の事(それも土産を除けば手ぶらでいけなくも無い)。
無駄に上がりっぱなしのテンションの前には、少し薄暗い天気の悪ささえも出発を祝ってくれているように思え――って雪降ってきてるんですが。
飛行機大丈夫なんだろうかという不安を抱えたまま空港へ、雪は止むどころかじわじわと酷くなってきていたりして、駐車場から空港内に入るまでが寒い事。まぁ建物の中に入ったとたん止んだわけですが。
世の中の不条理を感じつつ、まずはチケット受け取りのため集合場所へ。今回は旅費を安く上げるためパックツアー(といっても往復の飛行機と二泊分のホテルだけ)を選んでいたのです。
集合場所にはすでに数人の参加者が集まっていて、その人達の荷物の多さに物凄い疎外感。絶対そんなに荷物いらないと思うの。
無駄に偽名で申し込んでる(まぁ本名の読み方違いなだけ)なのは紳士の嗜みとして、特に何のトラブルも無くチケットの受け取りに成功。や、意味も無く偽名使うのは趣味なんですよ。
思ったよりもチケット受け取りから搭乗手続きまでに時間の余裕が無く、Kへの送ってもらったお礼がてらゆっくりご飯でも食べようと思っていたのにそれも出来ず。
どころか空港で何かお菓子でもお土産に買っていこうと思っていたのに、それすらもちょっと辛い状態だったり。
まぁ買ったんですけどね、選ぶ時間は無いのでものっそい適当に。自分でも何を買ったかわからないぐらいの勢いで。
ともあれ準備を全て済ませたところで、煙草を吸うために一度外へ。しばらく飛行機に乗らないでいる間に全面禁煙になってる辺り時代の流れを感じます。そしてちょっと外へ出ただけなのにピンポイントにまた降りだした雪には何らかの悪意を感じます。
……一服を諦めれば、食事とは言わないまでもお土産を選ぶ時間ぐらいは取れたんですけどね。しばらく吸えないのはわかってるので吸っておきたかったんですよ。
Kと別れて、お約束どおり金属探知機に引っ掛かりつつ(携帯灰皿をポケットから出すのを忘れてた)ゲート内へ。それと同時に飛行機の到着いが遅れる旨のアナウンス。もっと早く言えや。
……その上晴れ間まで見えてきたり、ね。もう何も言う気しないやコンチキショウ。
とりあえず待ち時間を潰すため、不安を笑いに変えて携帯からぽちぽちと更新。暇潰しがメールじゃなくて更新な辺り病んでる気はしなくもない。
まぁメールもしてるんですけどね、空港まで迎えに来てくれる暴風さんには連絡を取っておかなきゃでしたし。
機内ではFAのお姉さんが軒並み外れでがっかりしたり、隣の女の子が可愛かったため正直暴風さんが迎えに来てくれるのは無かった事になってるぐらいの勢いで口説いてみたり、かと思いきやその更に向こうにはその子の母親がいて軽く睨まれたりと、浮き上がったり沈んだりしながらも結局何事も無く時間が経過。つか一時間でも良いから寝とけや私。
羽田空港に到着してからは、とりあえず着ないで行きそびれたトイレに行くためにうろうろと。想像以上に混んでた。
三つもトイレ周った上、四つ目も小は混んでたので大のほうを利用する羽目になりましたよ。流石に東京は油断なんね。
そうしてる間にもメールで連絡を取り合いつつ、合流するためロビーにて待ち合わせ。
会うのは二度目でしかも一年ぶりだったので、正直顔がわかるかも怪しいかもなぁとか思ってた(わざわざ前回のオフにも着てたコート着て行ったりしてる)んですが、ロビーに行った瞬間に見つけられました。つか何かオーラ出てる。
別に変な意味じゃなくて、暴風さんだけじゃなく今回の主賓である饗兄貴も一緒にきていて、それが二人組みとして周りから浮いてた(ぱっと見関係性がわかり難い)からなんですけどね。
そんな感じであっさりと見つけられたのは良いんですが、まさか兄貴が迎えに来てるとは思っていなかったので、どう声をかけるか一瞬悩む事に。
今回の目的は兄貴の結婚祝ではあるものの、これから事ある毎に「おめでとう」と言われ続けるだろう兄貴に、わざわざ改まるのも拙いかなぁとか。
私のキャラ的には茶化すほうがらしいだろうし、あんまり気を使わせちゃうのも何だかなぁってのがあったんですよね。
まぁ実際に発した言葉が「ちゃっす、とりあえず煙草吸いたい」だった時点で、もう何を言っても言い訳にしか聞こえないんですけどね。だって全然久しぶりに会った気がしないんだもの。
そんなわけで喫煙スペースに移動して、煙草を吸いながらこれからどうするか相談する事に。とはいえ他の人の合流予定まではまだ時間があるので、とりあえず私のホテルへのチェックインを済ませるぐらいしかやる事は無かったり。
東京に来るに当たって、一切路線の下調べをしてない私は二人の後を裾を掴んで歩くぐらいの勢いで、まずは初体験のモノレールに乗車。
……うん、モノレールつってもしょせん電車。やっぱり苦手(ジニアさんは電車に乗ると平衡感覚が無くなり、テンションがあっという間に下がります)。
迎えに来てもらっておいて、車内ではほぼだんまりという人としてどうかな態度をとりつつ移動中、ベリアルさんから合流できるのでどこにいるか教えれとのメールが届く。
が、そもそも私自身、自分がどこをどう動いてるかわかってないので、当然のように擦れ違いを繰り返す羽目に。連絡とる相手を考えるべきだと思います。
結局ベリアルさんとは、私の泊まるホテルの最寄駅で合流する事に。ちなみにベリアルさんの地元でもあったりする。見事なまでの無駄足。
……そこまでしておいて、私達はといえば駅で待つベリアルさんを尻目にホテルの部屋で一服していたりする。改めて考えると酷いな私。
や、必要ない荷物を部屋においておきたいっていうのがあったんですけどね。東京は何処もかしこも禁煙なので、吸える時には吸っておきたかったですし。
ついでに、というのも何ですが、兄貴への結婚祝として入浴剤(ゼリー風呂)をプレゼント。
あまり重い物を渡すのもあれですし、エロショップの店員としてはやはり扱っている商品を贈るのが義務ですからね。他の商品はどれも直過ぎてこれが一番無難だったんですって。
喜ばれたのか、或いは嫌がられたのかは判然としないまま、ベリアルさんとの合流のため駅へ。
チャットで夜な夜な話しているし、何気に写真を見せてもらった事まであったりはするんですが、やはり初対面は初対面。どんなリアクションを取るべきか悩みながら、電話を繋いでご対面。
携帯を片手にやってくるその姿は、以前写真で見せてもらった通りの――って誰だてめえ。
おかしいですよ、私が以前写真で見たべーさんは「あ、どぅも(ちょっと訛ってる)はじめまして。僕の趣味は農作業です」と言わんばかりの純朴青年だったのに、目の前にいるベリアルさんは普通の都会の男性ですよ? むしろどっかのホスト崩れですよ?
などと軽くパニクったりはしたものの、初対面でそこまでのツッコミを入れるわけにもいかず、とりあえず悠夜さんと合流するために移動をはじめる皆におどおどと(電車が良くわからないし)付いていく事に。
ただでさえ電車でへろへろになっている(ちなみに地下鉄の方が症状が酷かったりします、理由は恐らく電波が届かないので行動障害を起こすからだと思われる)のに加えて、イメージと違うベリアルさんにどう接したものかわからず困っている私。そこに思いもよらぬ救いの手が。
兄貴「べーさん、キスマークついてるよ」
電車の中で、しかもグラサンかけてるにも関わらずべーさんの襟の隙間の観察を忘れない恐るべし兄貴。そして絵に描いたように慌てるべーさんの姿は、もう弄って下さいといわんばかり。
――嗚呼、確かにこの人はべーさんだ。むしろ僕らのペットだわっしょい!
その後は、心置きなくべーさんを弄り倒しましたとさ、まる。
そうして親交を深めた所で秋葉原駅に到着して、チンピラ乙女こと悠夜さんと合流。名古屋で一回会ったきりなのに見慣れた顔な気がするのは何故だろう。
ともあれ初の秋葉、その筋の人にとってはいわゆる聖地、一度足を踏み入れれば二度と抜け出せないらしい人外魔境。また人として大事なものを失った気がする私の感想は――意外と普通。
いや、まぁ都会だし、確実に何か間違ってる感じはあるし、細部に目をやれば立ち眩みしそうなほどアレ気ではあるんですけどね。つか確実に駄目な町でしたけども、覚悟が出来てたので割と平気でした。
他の人の合流までの時間つぶしにとりあえず移動、秋葉に来たらメイド喫茶に行かなければいけない決まりでもあるかの如くJAMへと向かう事に。つかオフといえばメイド喫茶ぐらいの勢いになってるなぁ。
朝から何も食べていなかったので、飲み物の他にクラブハウスサンドを頼む事に。無論正式名称で「妖精さんのおまかせクラブハウスサンド」と雄雄しくオーダー。同じ物を頼んだ兄貴は日和やがりました。人としては正しい。
このお店はウエイトレスがメイドな上何故かミミがついているという、実に悠夜さん好みなお店なんですが、正直あまりそれは気にせずトークに集中してました。
まずは悠夜さんに引っ越し祝いと称してゼリー風呂をプレゼント(兄貴のを買う際に、一個ダブったので押し付けたともいう)。やはりどんなものでも一番必要としそうな人に渡すのが一番です故。
ここでのトークの内容は主に悠夜さんと兄貴の新居の話。家賃やら色々泥臭い話がメインだったりします。
途中、ガイストさんを迎えに行くため暴風さんが離席。
この際店内が混雑していたため、一人相席になった人がいたんですが、あまりに勘違いした決まりっぷりのため観察するのも憚られる感じでした。さすが秋葉だなぁ。
ガイストさん合流、例によって久しぶりの気はしないわけで。
が、店の人にとっては急な合流をされては困るもので、これ以上人数が増えるんだったら事前に言っとかんかいとお叱りを受けてしまったり。その節はご迷惑おかけしました。
まだエムさんとSHINさんが合流する予定だったので、同じ席になれずカウンターでも構わないので後二人お願い。と言ってみるも、カウンターは飾りで実際は使ってないと裏目に。まぁ椅子を持ってきてくれたんですが。
トークは続くよ何処までも。友人Kの話で笑いを取って場を繋いだり、クラブハウスサンドの意外な量に驚いたり(最初二人前を大皿で持ってきたのかと思った)しつつ、だらだらとトーク。
悠夜さんがSHINさんとエムさんを迎えに。この時に悠夜さんの注文が忘れられてた事が発覚したりしたのだけれど、本人がいないため不発。折角の見せ場だったのに。
そうこうしている内にSHINさんとエムさんが合流。
SHINさんは名古屋での法事から直行だったりするが、彼女さんを連れてくる事は適わず、しかもグリーン車でやってくるというブルジョワぶりなのであまり気にしなくても良いかもしれない。
エムの姐御は初対面だったのでどうしたものかと緊張していたのだけれど、べーさんの汚れっぷりを弄っている内に一切気にならなくなりましたとさ。ペットで繋がる友情って素敵やん?
SHINさんから兄貴へ、祝い品としておっぱいプリンが手渡された後は、主にべーさんを弄りながら談笑。ここでRAYSさんから「今起きた」というメールが届くが、どうもいつもの事らしく軽くスルー。
れーさんはともかく、残りの二人はそろそろ着く頃だろう。という事で店を出て再び駅へと向かう事に。
会計の際当然のようにポイントカードを取り出す悠夜さんの姿は、まぁ彼の名誉のため見なかったことにしておこうと思う。
そうして駅でしまさんとぐっちょさんが合流。二人とも初対面なので、正直話し掛ける勇気はなく割と遠巻きに見てたりしてました。
まぁ裏では「こっちがイケメンだからぐっちょん、そうじゃない方がしまさんだよな」とか考えてたので、緊張どころか真っ向から喧嘩を売ってるような気がしなくもありません。主にイケメンじゃない方の人に。
遅刻確定のれーさんは諦めて、予約していたLittleBSDへ。初期の予定では小洒落たバーででもやろうかって話だったのに何処で間違えたんだろう。
店内は割とこじんまりとした感じで、どちらかというとコスプレした店員さんたちのほうに違和感を感じたり。
全員が纏めて座れる大テーブルは無く(まぁ遅刻したれーさんを含めると十一人もいるので仕方ない話ではある)、テーブルを移動してくっつけるのも駄目らしいので、隣接した二つのテーブルに分かれて座る事に。
席順は奥側から
ぐっちょん・SHINさん・私
悠夜さん・暴風さん・ガイストさん
兄貴・空席・べーさん
姐御・空席(後にれーさん)・しまさん
といった感じ。まぁ主賓の兄貴を中心に、兄貴大好き乙女悠夜さんを隣に配置できれば良いやといった所。
予約していたコースに飲み放題をつけて、とりあえず全員が飲み物を注文。そして兄貴の音頭で乾杯。
その後は初対面の人たちもいるし自己紹介でも、という流れになりかけるも、Raysさんの到着もあって結局しないまま。まぁ長い間チャットで話してるので今更ですしね。
全員が揃ったところで、兄貴へのお祝い品としてお皿とグラスを贈呈。前日のチャットでの話し合いで、合同での贈り物を悠夜さんに代表して買ってきてもらっていたのです。
他にも暴風さん&ガイストさん兄弟からガムの詰め合わせ、Raysさんからランチボックス、しまさんから腕時計、私の怪しげな土産やらSHINさんから兄貴の好物である赤福などいろいろと。
その後はいろいろとトークを中心にあったんですが、ありすぎて何が何やらなのでポイントだけ。
兄貴の結婚秘話。これがメインだったのだけれどプライベートな話しだし細かい事はここでは書かない方向で。
念のため確認しておきますが、場所が小悪魔とはいえこれはあくまで結婚祝です。それがチャットクオリティ。
ここでもとてもトイレは混んでいます。つか何で三回も行かなきゃならんのだチキショウ。
名古屋のあいつは削岩機(詳細は十八禁になるのでとても健全サイトでは書けません)。誰の事とは言いませんが、これからSHINさんの事はサッキーと呼べば良いんじゃないかな?
こういうお店の店員さんはグラスを纏めて持てません。あとやっぱり何か失敗するよう教育を受けてると思う。
姐御は熱があって大変なご様子。でもこんな薄いのは酒じゃねえと大暴れでした。
このお店ではおにぎりが看板メニューのようなのですが、メンバー全員見せ場として認識してませんでした。何か間違ってる気はする。
何度でも確認しますが、あくまで兄貴の結婚祝です。横にコスプレしたお姉ちゃんがいたとしても。
散々盛り上がったところで退店時間。暴風さんは夜の電車に乗って帰らないと明日の仕事までに帰れないので、見送りのため駅へ。
駅へ向かう途中、嬉しそうな顔でおでん缶を購入する悠夜さん当然のように私に手渡してきやがるわけで。
いや、ホント暖かければ良いってもんじゃないって。敗北の味がするんだって。ということで友人Kへのお土産にする事が確定。
ちなみに三月現在未だに口をつけてくれません。やはり未体験でも危険さは伝わるんだろうか。
ところで、この面子でのオフとなればやらねばならない事があるわけで。秋葉原駅にて恒例の胴AGEが始まっちゃうのです。
先陣を切るのはまず私。――っておかしくね? おかしくね?
主賓の兄貴とか幹事の悠夜さんとか、あるいは弄られ役が定着してるペットならわかるけれども。つか私の体重考えていってるのか本気なのか。
等と抵抗するそぶりを見せつつも、「ジニアさんが終われば次は悠夜さんですから」との甘言に載せられてなすがままになる私。まぁAGEられながら「ナイスポーズでーす!」とかやってる辺りしっかり楽しんでるんですが。
こんな楽しい事は他の人にも味わってもらわねばならない。とばかりに、とりあえずは悠夜さんをがっちりと後ろからホールド。何も言わずともAGEる準備を始めるチームワークがとても美しいと思います。
続いてはやはり主賓の兄貴をAGE――たのは良いのだけれど、やはり三連続は結構きついものがあり着地を失敗。新婚家庭の大事な腰が危うく大惨事になってしまうところでした。
絵面的に何の集団かわからなくなってましたが、あくまでこれは結婚祝です。
例え主賓が腰打っても。きっと何度も確認しておけば大丈夫なのです。
まぁ結婚祝いだろうが何だろうが、参加者全員を駅の前で胴上げするような集団なのでおかしい事に代わりは無いんですけどね。……十一人て。
悠夜さんや兄貴、何故かべーさんとサッキーも二回AGEられてたりするので、全部で十五回もの胴AGEが行われた事になります。後半は向かいのビルから不審そうに見てる人もいたよ……。
無駄に高さを競い合ったり、疲れから受け止めが不完全になり負傷しかける人がいたり、まさか自分がAGEられるとは思っていなかった姐御が思わず悠夜さんを本名で罵倒したり。AGEもここに極まれりといった風情でしたとさ。
それというのもAGEの途中兄貴から挨拶があって、馬鹿騒ぎしなきゃ乙女悠夜さんが泣いてしまいそうだったってのがあるんですけどね。まぁ私もちょっと来ちゃって茶化したりしたので人の事はいえないんですが。
本当に、最初は何の面識も無かった人達がこうして集まって、素直に祝福できるってのが、すごく幸せな事に思えます。
改めて、結婚おめでとうございます兄貴。これから幸せな家庭を築いていく事を、そしてできればまたこうやって騒げる事を、心から祈ります。
なんて真面目な事を考えながらも、結局いつものように「通報しましたポーズ」で集合写真を撮って、いよいよ時間がやばくなってきた暴風さんを見送りに駅内へと移動。
暴風さんを見送った後は、時間に余裕のあるメンバーでもう一軒どこか行こうかという流れに。
翌日も名古屋で就活があるサッキーを含む全員――もとい姐御の脅迫に怯えつつも、引越ししたばかりの上明日から四連勤の悠夜さんだけが惜しみつつも別れて、残った九人でとりあえずひよこに行ってみる事に。
変わりかけの信号を渡ろうとダッシュをかけたところサッキーが足を挫く(酒入ってる上スーツなので走りにくい)トラブルを乗り越えて、ひよこに辿り着いてみれば満席で入れないってオチだったりするわけで。
改めて移動するのも面倒なので、すぐ近くにあった中華料理屋で済ませてしまった私達を、誰も責める事は出来ないと思います。
店内での会話はすでに酒が入ってるせいで、概ねぐだぐだでした。適当に酒と点心を頼んでまったりと。
またしても兄貴とは離れた席だったので、べーさんの汚れっぷりは酷過ぎるというトークを姐御やらしまさんやらと交わしつつ、ガイストさんの哀愁漂いっぷりに涙してみたりしてました。
他にも身分証によるお前誰だよ選手権とか。べーさんとぐっちょんが強敵でしたが、多分勝ちました。人としては惨敗。
面白い話をしようと思えば思うほど私か、あるいは身近な友人のトラウマが発掘される運命にあるのがこういった席での悩みです。今回のヒットは姐御との初接触(電話)における第一声が「うわっ、キモイ」だった件について。<泣いても良いですか?
しばらく飲み食いしながら喋って退店、解散のため駅へ。新婚の兄貴を遅くまで連れまわしちゃって申し訳ないなぁとは思いつつも、楽しかったから良しとしておきましょう。
向かう駅が一緒なべーさんと、急遽べーさん宅へと宿泊する事になったサッキー。そして明日私に付き合ってくれる予定のれーさんとしまさん、あと姐御が途中まで付き合ってくれて、私は明日どう行動したものかの相談開始。
何せ行く所も路線も一切下調べなどしてない、つくづくアホだな私。
しまさんが「何で最年少の俺がまとめなくちゃいけねーんだ」と絶叫しながらも、電車に不慣れな私を気遣って一駅だけ移動すれば良い方向で決定。
それでもまだ不安なのか、べーさんとサッキーが帰りの時間を利用して、目的地である品川駅まで一度連れて行ってくれる事に。
品川へと向かう車内では、二人がとても親切に道行きを教えてくれました。むしろ初めてのお使い風でした。
しながわってね、口が三つに線が三本の奴なんだよ? <漢字は読めるから、いい歳したおっさんだから。
駅の自販機で東京限定の煙草を買ったりしつつ、二人と別れてホテルに到着。
正直もうそのまま寝ちゃいたいぐらい疲れてはいたのだけれど、酒も飲んだし折角の展望大浴場なのでとりあえず風呂に入る事に。
……あのね、ひょっとしたら夜景は本当に綺麗なのかもしれないけれどね。窓は曇ってるわ、コンタクト外してるから視力的に見えないわ、そもそも夜景の前に男の裸が並んでる時点で台無し。
個人的には、湯船が妙に浅いのが気になりました。ひょっとして東京はこれが標準だったりするのだろうか。肩まで漬かれないんですが。
一日の締めとして更新を済ませ、とりあえず翌日以降どうするかを考えてみる。
が、胡乱な頭で考えてみたところで、出てきた東京知識はIWGP(もはや懐かしいドラマ)のみという体たらく。東京来る意味あるのか私。
とりあえず最終日は一人で池袋行ってみるか。等と寝ぼけた事を考えつつ、一日目が終了するのでしたとさ。