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今治バリアフリーツアー報告

例年、「バリアフリーツアー」では、主に県外の施設を訪問しているのですが、ツアーの趣旨は「障がいのある方とない方が交流をはかれる」ということ。ですが、今年は少々集まりが悪く、県外ではなく、県内のツアーとすることに変更されました。

 訪問した先は「頼登(よりと)」。今治の焼き鳥屋さんです。

私が今治が焼き鳥で有名なことを知ったのは、つい数年前なのですが、今治の焼き鳥の歴史は随分と深いらしく、なんとその発祥は昭和35年にまで遡るのだそうです。

 串にさすのではなく、皮を鉄板で転がして焼く、という、本来の焼き鳥のイメージとは少し異なる、「今治焼き鳥」。もちろん、一般にイメージされるような串に刺さった焼鳥もありました。

今治までは松山から約1時間。JRを使って移動しました。

参加したメンバーは視覚障害者が一名、電動車いすが1名、手動車椅子が1名、介助者が一名。そして筆者である私が義足を使用していますから、介助者の方以外、全て障害者という一同でした。

伊予鉄の駅などでは、「ラクープ」といって、プラットホームの一部が電動で盛り上がって、車椅子と列車の段差をなくすような設備もあったりするのですが、JR四国にはまだ設置されていないようでした。実際に乗車するときは、簡易スロープが用いられました。

JRに乗ったのは随分久し振りだったのですが、車椅子の人たちと同行して、JR四国の職員さんの対応の良さには非常に驚かされました。。見事な連携で、どこからともなく職員さんが現れ、全てに同行してくださると言う手厚さ。事前に連絡を取っていてそれ、であればまだわかるのですが、連絡をすることもなくふらりと利用しただけなのに。ここまで気遣ってくれるか?と驚くほどの手厚さでした。

「障害者がいることを前提としたサービス」を体現するような対応でした。設備的な欠点を、見事に職員さんが補っていました。

また、JR松山駅では、昨年若干の改修がされ、車椅子の方が利用されやすいように、エレベータも設置されていました。

(スクランブルHP、JR松山駅改修工事調査結果参照
http://home.e-catv.ne.jp/scramble/matsuyamaekikaishu.html

渡って今治駅。こちらは施設が全面的に改修されたようで、館内全域にわたって、見事に点字ブロックも設置されており、しかもこれは駅構内のみならず、周辺の歩道、横断歩道に至るまで、設置されていました。









右写真は今治駅構内の障害者用トイレの様子です。










 手洗い場にはシャワーまで設置されていました。流しボタンにはもちろん点字による表記も。

職員さんの対応は今治駅も松山駅と同様。どこからともなく職員さんが現れ、継ぎ目なく対応していただけると言う徹底振り。

「手動にします。ちょっと止まって」などと、やや強めの口調で電動車いすの操作に職員さんが口を出している光景なども・・・。逆に「もうちょっとやわらかく言えばいいのに」なんて感じるほど。これは職員さんがきちんと介助の方法や車椅子の操作方法を熟知しているからこそ、出てくる言葉なのだと思います。

変に気を使っていないんですね。愛媛にもこんな空間があるのだ、とびっくりしました。

松山でも同様なのですが、お酒を嗜むための飲食店は、なかなか車椅子で利用できるお店がありません。けれども、これもまた「気遣い」。ちょっとした工夫で車椅子でも利用できるようになります。

「頼登」さんはそんな感じのお店でした。もちろん、利用する側の工夫も必要だと思いますが、お互いの協力でバリアフリーは出来上がります。

 少し見えにくいですが、この写真の奥に2名、車椅子利用者が座っています。入り口には傾斜をなくす板がしかれており、展開こそ困難なスペースですが、予約の電話をしたとき、「大丈夫です!」と当然のようにしてお返事していただいたことには感謝です。

17時半からオープンだったところを、無理を言って4時半から明けていただきました。けれども、気軽に応じていただきました。 

一同、大変満足して帰途に就きました。意義のあるツアーであったと感じました。

記:Mr.N