彩りと光の中で

新緑が気もちいいから、手をつないで散歩にいこう

木々の彩り、空気のあざやかさ、光に満ち溢れる季節

いつもうちに来るときはいまにも死にそうな悲痛な顔してやってくるのに、
今日はこいつもずいぶんおだやかで
それだけでも、オレはずいぶん気分がいい

単純でもなんでもかまやしねー
オレはこいつとこんな些細な時間を共有できることが
うれしくってたまんねーわけで

ちょっと調子にのって、つないだ手のゆびからめたりなんかしたりして

けど・・・さっきからこいつ、やけに早足じゃねーか?

「ちょ、ちょっとまて、クラピカ」
右手をぐいとひっぱると、つんのめるように振り返り
「なんだ」
「なんだじゃねーよ。オレたち、散歩してんだぞ。ハンター試験やってんじゃねーんだぞ」
怪訝な面持ちで、なんつーかその『おまえ、そこにいたのか』みたいなまなざしで
「なにが言いたいんだ」
「だーかーらー。なんでそうわき目もふらずに、せかせかせかせか歩くんだって」
「それは、おまえの歩幅がでかいからだろう。私は追いつくのが精一杯だ」
「嘘言え。オレより先に先に行こうとするだろうが」
「私は嘘など言わない。おまえこそ私の先を行くではないか」

それって、ほとんど「卵が先か、鶏が先か」の世界・・・。

「だ、だいたい、この手。もう、いいかげんにはなせ。居心地の悪い」
「えーどうして。オレ、すっげー居心地いい」
「・・・人が見ている」

そりゃー、公園のど真ん中で手ぇつないでどなりあいしてりゃー、誰だって見るってよ。

いまさらのようにじたばたと必死でふりほどこうとするのが可愛くて、
誰がはなすか、こんなめったにない機会。
これがいわゆる「カップルつなぎ」だって言ったら、こいつがどんな顔をするか、
見たいような見たくないような・・・。

05年5月TOP絵より
クラピカがかちこちなのは「手のつなぎかた」に問題があるからだろうと日記に書いたら、某さまに「あれは『カップルつなぎ』というのだと教えていただいての妄想。
それ知ったら、速攻でふりほどこうとするだろう・・・。

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MEMO/050526