SCENE < 1 > monologe

オレのカノジョ、オレの恋人、オレの女
言いたくってたまんねーのに、言ったらなんもかんもおじゃんになりそーで、のど元まで出かかってるのに飲み込むしかねーって。
すきだと言っちまってる時点で、つぶれるもんなら、もうとっくにつぶれてると思うのだけれど。つぶれてしまわないのは、肯定ととっていいんじゃねー?
友人、仲間・・・あいつだって、そんなコトバでおさまるとは思っていないんじゃねーか?
ただでさえ重たっくるしいあいつの人生に、これ以上よけいなもんを背負わせたくはないけれど、だからってひきさがれるほどオレは人間できてない。
さりげなく、さりげなく、きわめて自然を装って左肩においた手に、あいつの全神経がそこに集まっているのが痛いくらいにわかってしまうから、なんだかいじめているような気分になって、結局出るのは大きなためいき。
だから、言ってみる。思いっきり、あいつに聞こえないように。
「彼女って言っていいのか? いいのかクラピカ!」
DIARY/050415
わかってねーだろ、おまえ
わかってねーから、そんな平気でいられんだろ

わかっている

全然わかってねー
わかってんなら、オレのこともっとわかれよ
MEMO/050803
やめちまえと言うのはカンタンで
けれど「そのあと」のあいつを
どうやってオレは受けとめられるのか

もとよりそんな権利はオレにはない

答えのない疑問は堂々巡り

だから、無責任きわまりなく
「すきだ」と言いつづけて
あいつを困惑させるばかりで

あたまのいいあいつのことだから
そんなオレのいいかげんさは、すっかりおみとおしなはず

それでも

この手が届ききる、ほんのすこし先にいるおまえ

  まだ、ひきとめることはできるよな・・・
MEMO/050803

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SCENE-1