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…続き1…  松山国際観光温泉文化都市

 松山市広報=昭和26年2月1日号 

 大松山市実現を約束する
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 ---------------------松山国際観光温泉文化都市建設法

               11日の賛否投票を控えて  松山市長 安井雅一

 松山国際観光温泉文化都市建設法の話

  ◎ 松山国際観光温泉文化都市建設法 衆・参両院通過

 このたび松山市に対する松山国際観光温泉文化都市建設法という特別な法律が客年の第9回臨時国会を通過しました。それは京都、奈良の文化地に対すると同様国家が特別な援助を与えるという法律で、これは市の先覚者が松山市の発展を呼び、市民もまたこれに応じて絶大な支援をせられて来た賜でいわば市民自らがかち得た栄誉と申すべきであります。
 しかもこの法律は今後の努力次第で具体的に国からの援助が与えられることとなりますので、市民各位は愛市愛国の念によって各自の決意を定めなければならないのであります。

 ◎ 趣 旨

 わが松山市のアウトラインはすでに国際的にも世界に誇るに足る自然の風光に恵まれ、国際都市として、また観光都市として、名実ともに、その形態を充分備えております。なお悠久三千年こんこんと湧出する道後温泉は湯治の価値において古代より天下無双。これまた温泉都市として得がたい資格を遺憾なく保持しているのであります。こうした天与の別天地であるため東西の文人、政治家、その他相集い寄って松山市の文化は、きわめて高度な発展を遂げるにいたりました。 特に郷土の生んだ俳諧正岡子規をはじめ有名詩人その他科学する逸材の士を多く輩出しました事実をかえり見ましても、如何に文化都市として天下に冠絶する松山市であるかが窺(うか)がわれるのであります。こうした由緒ある美しい立派な松山市をこのまま埋木同然にして置くことは市の将来を考えましても、また現在市民の福利増進のたて前からいってもはなはだ残念なことであり、その上今後日本を文化的平和国家に推進していくためには、松山市が国際的に進出することが必要なので、ここに、この法律が生まれたのであります。

 ◎ 計画と事業

 それではこの法律の目的にそってどのような事業計画が行われるかと申しますと、第一に都市計画法と特別都市計画法とによるのであります。この二つの法律の内、第一は日本全国の一般都市の建設に広く適用されている法律であり、第二は戦災都市の復興事業のために設けられたものであります。したがって全国の普通の都市または戦災都市はこの都市計画に二つの法律の適用で足るわけでありますが、このたびの松山市の場合は、この法律の適用をうける以外に国際観光温泉文化都市として最もふさわしいあらゆる施設の計画をしなければなりません。
 すなわち普通の都市建設事業である土地区画整理、道路、公共宅地、軌道、緑地等々の事業に拍車を加えるべき
 1.戦災復興都市計画事業 2.一般都市計画事業 3.松山港拡張整備計画事業 4.下水道建設計画事業
 5.上水道拡張計画事業 6.住宅建設計画事業 7.観光施設計画事業 8.道後温泉開発建設事業
の8項目事業計画を本法にもとづく理想的計画として事業完遂に邁進しようとするものであります。

 ◎ 事業経費

 さて松山国際観光温泉文化都市建設計画を実施する場合、この法律の定めるところによって国は必要に応じて国有財産を譲与することができるとなっております。したがって国有財産の譲与を受けるのはおおむね松山市であります。これは国際都市とし日本という全体から考えてみましても当然そうあるべきが正しいのであります。しかし現在におきましても道路を作ったり、その他都市建設のためには市は相当の額を年々予算に計上しているのでありますから、この法律がされるか否かに関せず都市建設事業費の負担が今後なくなるというわけではありません。狙いはこれらの事業に対して国家の補助が率よく受けられます点に心を寄せなければなりません。換言すれば従来の負担額でより多くの事業ができることとなるのであります。なおこの法律によって都市建設事業を行う場合有利な援助を受けられる事となるのは申すまでもありません。そうでなくても税の負担に苦しむ市民に対し、さらに増税していよいよ市民を窮地に追い込むなどのことは考えられないのです。市民の担税力には限度がありますことを考え合せましてもその点は充分お解かりになる事と思います。まことに光栄あるこの法律を与えられた松山市こそ、今後百年の計をうちたてる絶好のチャンスと考えていただきたいのであります。

 ◎ 住民投票

 この法律は松山市だけに適用せられる特別法でありますから、一般法律のように直ぐに効力が発生するわけにはまいりません。一応住民の意向を聞いた上、その結果如何によって法律が制定されるか、または制定せられないこととなるのであります。つまり住民が国の立法に直接参加するのでありますから、市民は立法者の役割をもつこととなるのであります。これいわゆる民主主義の現れであって、まことに結構なことと申さねばなりません。そこで来る2月11日住民の賛否投票によって最後の決定を見ることになります。すなわち住民の有効投票の過半数の賛成投票が得られてのち総理大臣は法律公布の手続きをとるのであります。このたびの賛否投票の結果如何によってこそ松山市が世の都市として大飛界躍し得るかしないかが決るのであります。ローマは一日にして成らずと申します通り、大松山市たらんとする第一歩こそ来る2月11日の、その一日にあることを即今市民の皆様は深く心に刻んでいただき、どうか絶大な賛意を表現していただくことを期待するものであります。

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☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆

☆  松山国際観光温泉文化都市建設法の賛否投票について

☆                      松山市選挙管理委員会委員長
☆                                 伊 達 茂 利
☆            

 日本憲法第95条1の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。と制定されている通り松山国際観光温泉文化都市建設法についても住民投票が行われます。
 有権者の皆様松山国際観光温泉文化都市建設法成否審判の日が愈々(いよいよ)近づいて参りました。
この法を生かすも殺すも一に皆様有権者の一票によってきまります。 来る2月11日の投票日には有権者一人も洩れなく投票してください。

 ☆投票の方法☆

 一.投票時間は午前7時より午後6時までです
 一.投票用紙は左記の通りですから松山国際観光温泉文化都市建設法に賛成の人は賛成と書き反対の人は
   反対と書いて下さい。
 雑字を書いたり○・△等のしるしをしたものや印判を押したものは無効となります。よく注意して貴重なあなたの一票を大切に行使して下さい。

 ☆不在者投票☆

 一.投票の当日不在または病気、負傷、妊娠、産褥、不具などのため投票所に行くことのできない人は投票の前日まで不在投票をすることができます。
  病気、負傷、妊娠などの場合は医師または助産婦の証明書を添えて同居の親族または郵便で請求できます。

 ☆代理投票☆

 一.身体の故障や全く字の書けない人でも本人が投票所に行けば代理投票ができます。

 不在者投票や代理投票の制度をどしどし利用して一票もすてないように致しましょう。

 昨年11月10日行われた県教育委員選挙に選挙権のあった人は賛否投票にも投票権がありますので住所など変更のため入場券を受取らない人は委員会(支所区域の人は支所)へおいで下さい。

 松山を美しく発展させるために生まれたこの法律を生かすあなたの一票を来る2月11日には必投票致しましょう。

 なお今回の投票には県教育委員選挙以後に選挙権のできた人(昭和25年8月12日以後入市、昭和5年12月22日以後出生)は投票できません。但し4月執行予定の地方選挙には補充名簿に登載されて選挙権の行使ができることになっています。

(その3)へ続く