「一遍歌集 全百首」について、@登録番号索引 A漢字交じり和歌索引 Bアイウエオ順索引 を提示する。この索引により、一遍の和歌百首についての検証が可能となった。なお、和歌の出典については15種の文献から掲載しているのでHP一遍会(三好)宛メールで照会願いたい。
尚、和歌の頭部に付けた登録番号は『一遍会報』第375号「一遍の法歌 全百首」(三好恭治)が初出である。
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追記(20160727) 新たに一遍の和歌四首を確認しました。 |
101 踊ハネ申シテタニモカナハヌニ居眠シテハイカガアルベキ
【出典】「一遍上人絵詞伝直談鈔」十二巻。作者は賞山(〜1726)。年代定本ともに正徳四年(1714)。<『定本時宗宗典』上巻(時宗宗務所刊1979)に拠る>
102 證(さとり)とはさとらでさとるさとりなれ さとる了(さとり)は夢の了りよ
103 佛ぞと名あるはあやし佛には ほとけと思ふ心あるかは
104 生ながら佛の道はなき物を 南無阿弥陀仏の声に生まれよ
【出典】「一遍上人念仏安心抄」一巻。作者は七條道場二十二代持阿切臨(サイリン)(〜1661)<『定本時宗宗典』下巻(時宗宗務所刊1979)に拠る> |
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【歌ひじり 一遍 全百首】 登録番号索引
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001世をわたりそめて高ねのそらの雲 たゆるはもとのこゝろなりけり
002つのくにやなにはものちのことのはは あしかりけりとおもひしるべし
003とことはに南無阿弥陀仏ととなふれば なもあみだぶにむまれこそすれ
004はねばはねよをどらばをどれはるこまの のりのみちをばしる人ぞしる
005ともはねよかくてもをどれこゝろこま みだのみのりときくぞうれしき
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006こゝろよりこゝろをへむとこゝろえて 心にまよふこゝろなりけり
007みな人のことありがほにおもひなす こゝろはおくもなかりけるもの
008いはじたゞことばのみちをすくすくと 人のこゝろの行事もなし
009のりの道かちよりゆくはくるしきに ちかひのふねにのれやもろ人
010ふればぬれぬるればかはく袖のうへを あめとていとふ人ぞはかなき
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011くもとなるけぶりなたてそあまのはら つきはおのれとかすむものかは
012ゆく人をみだのちかひにもらさじと 名をこそとむれしら川のせき
013はかなしなしばしかばねのくちぬほど 野原のつちはよそにみえけり
014世中をすつるわが身もゆめなれば たれをかすてぬ人とみるべき
015身をすつるすつる心をすてつれば おもひなき世にすみぞめの袖
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016のこりゐてむかしをいまとかたるべき こゝろのはてをしる人ぞなき
017さけばさきちればをのれとちるはなの ことはりにこそみはなりにけれ
018はながいろ月がひかりとながむれば こゝろはものをおもはざりけり
019こゝろをばにしにかけひのながれ行 みづのうへなるあわれ世の中
020くもりなきそらはもとよりへだてねば こゝろぞにしにふくる月景
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021須弥のみねたかしひきしの雲きへて 月のひかりやそらのつちくれ
022念仏にものがこゝろをひくすゞは みをせめだまの露としらずや
023あともなきくもにあらそふこゝろこそ なかなか月のさはりとはなれ
024郭公なのるもきくもうたゝねの ゆめうつゝよりほかの一声
025うつゝとて待得てみれば夢となる きのふに今日なおもひあはせそ
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026をのづからあひあふときもわかれても ひとりはをなじひとりなりけり
027おほかたのそらにはそらの色もなし 月こそ月のひかりなりけれ
028かくしつゝのはらのくさの風のまに いくたびつゆをむすびきぬらん
029おもひとけばすぎにしかたもゆくすゑも ひとむすびなる夢のよの中
030はきものゝものぐさげにはみゆれども いそいそとこそみちびきはせめ
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031ひらくべきこゝろのはなのみのために つぼみがさきることをこそいゑ
032けさのぢにおくればやがてかきばかま しぶの弟子ともたのみける哉
033つまばつめとまらぬ年もふるゆきに きへのこるべきわが身ならねば
034つのくにの難波のうらをいでしより よしあしもなきさとにこそすめ
035うちなびくひともとすゝきほのぼのと みたがへてこそよしあしといへ
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036極楽にまいらむとおもふこゝろにて 南無阿弥陀仏といふぞ三心
極楽にむまれんとおもふ心にて 南無阿弥陀仏といふぞ三心(玉葉集)
037ながき夜も夢もあとなしむつの字の なのるばかりぞいまの一声
038わがと思ひとの心にひかれつゝ をのれとおふる草木だになし
039思ふことなくてすぎにしむかしさへ しのべばいまのなげきとぞなる
040我みばやみばやみえばや色はいろ いろめく色はいろぞいろめく
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041いつまでもいでいる人のいきあらば 弥陀のみのりのかぜはたへせじ
042かきうつすやまはたかねの空にきえて ふでもをよばぬ月ぞすみける
043世にふればやがてきへゆくあはゆきの 身にしられたる春のそらかな
044とにかくにまよふこゝろのしるべには なも阿弥陀仏と申ばかりぞ
045おもふことみなつきはてぬうしとみし よをばさながら秋のはつかぜ
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046きへやすきいのちはみづのあはぢしま 山のはなから月ぞさびしき
047あるじなきみだのみなにぞむまれける となへすてたるあとの一声
048名にかなふこゝろはにしにうつせみの もぬけはてたる声ぞすずしき
049よにいづることもまれなる月景に かゝりやすらむみねのうきくも
050旅衣木のねかやのねいづくにか 身のすてられぬところあるべき
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051阿弥陀仏はまよひさとりのみちたへて たゞ名のかよふいき仏なり
052南無阿弥陀ほとけのみなのいづるいき いらばゝちすのみとぞなるべき
053おしめどもつゐに野原に捨てにけり はかなかりける人のはてかな
054皮にこそをとこをんなのいろもあれ 骨にはかはるひとかたもなし
055すてやらでこゝろと世をば嘆きけり 野にも山にもすまれける身を
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056捨てこそ見るべかりけれ世の中を すつるも捨ぬならひ有とは
057おもひしれうき世の中にすみぞめの 色々しきにまよふこゝろを
058こゝろをばいかなるものとしらねども 名をとなふればほとけにぞなる
059をしむなよまよふこゝろの大江山 いく野の露と消やすき身を
060こゝろからながるゝ水をせきとめて おのれと淵に身をしづめけり
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061心をばこゝろの怨とこゝろえて こゝろのなきをこゝろとはせよ
062とにかくに心はまよふものなれば 南無阿弥陀仏ぞ西へゆくみち
063すみすまぬゝころは水の泡なれば 消たる色やむらさきの雲
064弥陀の名にかすまぬ空の花ちりて こゝろまどはぬ身とぞなりぬる
065仏こそ命と身とのあるじなれ わが我ならぬこゝろ振舞
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066ひとりたゞほとけの御名やたどるらん おのおのかへる法の場人
067夢の世とおもひなしなば仮のよに とまる心のとまるべきやは
068いにしへはこゝろのまゝにしたがひぬ 今はこゝろよ我にしたがへ
069いまははや見えず見もせず色はいろ いろなるいろぞ色はいろなる
070となふれば仏もわれもなかりけり 南無阿弥陀仏の声ばかりして
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071となふれば仏もわれもなかりけり 南無阿弥陀仏なむあみだ仏
072まじへ行道にないりそくるしきに 本の誓のあとをたづねて
073にしへ行くまよひさとりの道たえて 南無阿弥陀仏のこゑにまかせよ
074みなとなふ人はあま夜の月なれや くもはれねどもにしへこそ行け
弥陀たのむ人はあま夜の月なれや 雲はれねども西にこそゆけ(玉葉集)
075なにかなふ心はにしにうつせみの もぬけはてたる声ぞすずしき
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076西へユク道ニナ入ソクルシキニ モトノミノリノアトヲ尋ネヨ
077ステハテゝ身クチナキモノトヲモヒシニ サムサキヌレバ風ゾ身ニシム
078善悪の心は(欠文)捨て 法の道をは足にまかせん
079身を捨てぬ人の姿の色めきて 花に心をかくるはかなさ
080世の中にあきはてゝ入(る)山まても 心留なと散行葉かな
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081何事も定なしとはいかゝいわん あす死ぬる習ある世を
082思ひとけは心のとまるふしもなし むすひな初そ夢の世の中
083心をは心得ぬそと心得よ 心得ぬれば心得ぬなり
084火の家を造り立(て)むとする人の はてにはおきをつかむ成けり
085極楽にゆかんと思ふ心こそ 地獄に落(つ)る初めなりけり
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086心より外にそ法の舟はあれ 知らぬもしつみ知るもうかはす
087本ヨリモカゝレトテコソ捨シ身ノ クルシキ事ヲ何ニナケカマシ
089ヤセハテゝ身ハナキ物ト思ヘトモ 雪フリヌレハコゝヘヌルカナ
089七夕も思ひよらし我もまた かさいと思う黒染の袖
090我か憑む西の山路をふみみれは 苦こそ道のさはりなりけれ
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091我と行(く)道ならはこそ西の山 苦ありとても何かくるしき
092あら楽や人に人とて知られねは 人をも人とみしらさりけり
093極楽ハミナミノ内ニ有物ヲ 西ト思ソハカナカリケル
094一度モ南無阿ミタ仏ト唱レハ 身ノアラハコソ罪モ作ラメ
095白川の関路にもなほ留まらじ 心の奥のいてしなければ
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096思ふことなくて過にし昔さへ 忍べば今のなげきとそなる
097にしへゆく山の岩かどふみならし こけこそみちのたよりなりけり
098にしへゆくやまの岩ねをふみなれば 苔こそ道にさわりなりけり
099しほりせでみ山のおくの花を見よ たづねいりてはおなじ匂ひぞ(玉葉集)
100谷川のこのはがくれにむもれ水 ながるゝもゆくしたたるもゆく(玉葉集)
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101 踊ハネ申シテタニモカナハヌニ 居眠シテハイカガアルベキ
102 證(さちり)とはさとらでさとるさとりなれ さとる了(さとり)は夢の了りよ
103 佛ぞと名あるはあやし佛には ほとけと思ふ心あるかは
104 生ながら佛の道はなき物を 南無阿弥陀仏の声に生まれよ |
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【注記】
@「聖絵」・・・52首
A「語録」・・・70首
B「夫木抄」・・ 8首
C「玉葉集」・・ 2首+(*2首)
D「播州法語」・ 2首
E「絵詞伝」・・ 1首
F「上人行状」・ 4首
G「法門抜書」・18首
H「発心」・・・ 2首
I「七夕」・・・ 4首
J「見聞私」・・ 2首
K「直談抄」・・ 1首
L「鎌倉九代」
M「一向語録」・ 1首
N「拾遺風体」・ 1首
O「一遍上人絵詞伝直談鈔」・ 1首
P「一遍上人念仏安心抄」・ 3首
合計 102首+(玉葉集2首)=104首
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【歌ひじり 一遍 全百首】 漢字交じり和歌索引
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001世をわたりそめて高ねのそらの雲 たゆるはもとのこころなりけり
○世を渡り初めて高嶺の空の雲 絶ゆるは元(本)の心なりけり
002つのくにやなにはものちのことのはは あしかりけるとおもひしるべし
○津の国や難波も法の言葉は 悪しかりけりと思いしるべし
003とことはに南無阿弥陀仏ととなふれば なもあみだぶつにむまれこそすれ
○永久に南無阿弥陀仏と唱ふれば 南無阿弥陀仏に生まれこそすれ
004はねばはねよをどらばをどれはるこまの のりのみちをばしる人ぞしる
○跳ねば跳ねよ踊らば踊れ春駒の 法の道をば知る人ぞ知る
005ともはねよかくてもをどれこころこま みだのみのりときくぞうれしく
○共跳ねよかくても踊れ心駒 弥陀の御法と聞くぞ嬉しき
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006ころよりこころをえむとこころえて 心にまよふこころなりけり
○心より心を得んと心得て 心に迷う心なりけり
007みな人のことありがほにおもひなす こころはおくもなかりけるもの
○皆人の事あり顔を思い成す 心は奥も無かりけるもの
008いはじただことばのみちをすくすくと 人のこころの行事もなし
○言わじただ言葉の道をすくすくと 人の心の行く事もなし
009のりの道かちよりゆくはくるしきに ちかひのふねにのれやもろ人
○法の道徒歩より行くは苦しきに 誓いの船に乗れや諸人
010ふればぬれぬるればかはく袖のうへを あめとていとふ人ぞはかなき
○降れば濡れ濡るれば乾く袖の上を 雨とて厭う人ぞはかなき
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011くもとなるけぶりなたてそあまのはら つきはおのれとかすむものかは
○雲となる煙な立てそ天の原 月は己と霞むものかは
012ゆく人をみだのちかひにもらさじと 名をこそとむれしら川のせき
○行く人を弥陀の誓いに漏らさじと 名を止むれ白川(白河)の関
013はかなしなしばしかばねのくちぬほど 野原のつちはよそにみえけり
○儚しな暫時屍の朽ちぬ程 野原の土は他所に見えけり
014世中をすつるわが身もゆめなればたれをかすてぬ人とみるべき
○世の中を捨つる我が身も夢なれば 誰をか捨てぬ人と見るべき
015身をすつるすつる心をすてつれば おもひなき世にすみぞめの袖
○身を捨つる捨つる心を捨てつれば 思いなき世に墨染めの袖
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016のこりゐてむかしをいまとかたるべき こころのはてをしる人ぞなき
○残り居て昔を今と語るべき 心の果てを知る人ぞなき
017さけばさきちればをのれとちるはなの ことはりにこそみはなりにけり
○咲けば咲け散れば己と散る花の 理にこそ実は生りにけり
018はながいる月がひかりとながむれば こころはものおおもはざりけり
○花が色月が光と眺むれば 心は物を思わざりけり
019こころをばにしにかけひのながれ行 みづのうへなるあわれ世の中
○心をば西に筧の流れ行き 水の上なる哀れ世の中
020くもりなきそらはもとよりへだてねば こころぞにしにふくる月景
○曇り無き空は元(本)より隔てなば 心ぞ西に更くる月影
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021須弥のみねたかしひきしの雲きへて 月のひかりやそらのつちくれ
○須弥の嶺高し低しの雲消えて 月の光や空の土塊
022念仏にもおのがこころをひくすずは みをせめだまの露としらずや
○念仏にも己が心を引く鈴は 身を責め玉の露と知らずや
023あともなきくもにあらそふこころこそ なかなか月のさはりとはなれ
○跡も無き雲に争う心こそ なかなか月の障りとはなれ
024ほととぎすなのるもきくもうたたねの ゆめうつつよりほかの一声
○時鳥名乗るも聞くもうたた寝の 夢現より他の一声
025うつつとて待得てみれば夢となる きのふに今日なおおもひあはせそ
○現とて待ち得て見れば夢となる 昨日に今日な思い合わせて
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026をのづからあひあふときもわかれても ひとりはをなじひとりなりけり
○自ずから合い会う時も別れても 一人は同じ一人なりけり
027おほかたのそらにはそらの色もなし 月こそ月のひかりなりけれ
○大方の空には空の色もなし 月こそ月の光なりけれ
028かくしつつのはらのくさの風のまに いくたびつゆをむすびきぬらん
○斯くしつつのはらの草の風の間に 幾たび露の結び来むらん
029おもひとけばすぎにしかたもゆくすゑも ひとむすびなる夢のよの中
○思い解けば過ぎにし方も行く末も 一結びなる夢の世の中
030はきもののものぐさげには見ゆれども いそいそとこそみちびきはせめ
○履物の物種げに見ゆれども いしいそとこそ導きはせめ
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031ひらくべきこころのはなのみのために つぼみがさきることをこそいゑ
○開くべき心の花の実のために つぼみ笠着る事をこそ云え
032けさのぢにおくればやがてかきつばた しぶの弟子ともたのみける哉
○袈裟の地に送ればやがて柿袴 四部の弟子とも頼みけるかな
033つまばつめとまらぬ年もふるゆきに へのこりべきわが身ならべば
○積まば積め止まらぬ年も降る雪に 消え残るべき我が身ならねば
034つのくにの難波のうらをいでしより よしあしもなきさとにこそすめ
○津の国の難波の浦を出でしより 良し悪しもなし里にこそ住め
035うちなびくほともとすすきほのぼのと みたがへてこそよしあいといへ
○打ち靡く一本薄仄々(ほのぼの)と、見違えてこそ良し悪しと云え
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036極楽にまいらむとおもふこころにて 南無阿弥陀仏といふぞ三心
○極楽に詣らんと思う心にて 南無阿弥陀仏と言うぞ三心
037ながき夜も夢もあとなしむつの字の なのるばかりぞいまの一声
○長き夜も夢も跡なし六つの字の 名乗るばかりぞ今の一声
038わがと思ふひとの心にひかれつつ をのれとおもふ草木だになし
○我がと思う人の心にひかれつつ 己と思う草木だになし
039思ふことなくてすぎにしむかしさへ しのべばいまのなげきとぞなる
○思うこと無くて過ぎにし昔さえ 偲べば今の嘆きとぞなる
040我みばや見ばやみえばや色はいろ いろめく色はいろぞいろめく
○我見ばや見ばや見えばや色は色 色めく色は色ぞ色めく
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041いつまでもいでいる人のいきらば 弥陀のみのりのかぜはたへせじ
○何時までも出で入る人の息あらば 弥陀の御法の風は絶えせじ
042かきうつすやまはたかねの空にきえて ふでおもよばぬ月ぞすみける
○書き写す山は高嶺の空消えて 筆も及ばぬ月ぞ澄みける
043世にふればやがてきへゆくあはゆきの 身にしられたる春のそらかな
○世に降ればやがて消えゆく淡雪の 身に知られたる春の空かな
044とにかくにまよふこ出るのしるべには なも阿弥陀仏と申すばかりぞ
○とにかく迷う心の標には 南無阿弥陀仏と申すばかリぞ
045おもふことみなつきはてぬうしとみし よをばさながら秋のはつかぜ
○思う事皆尽き果てぬ憂し見し 世をばさながら秋の初風
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046きへやすいいのちはみづのあはぢしま 山のはなから月ぞさびしき
○消えやすい命は水の淡路島 山の端から月ぞ寂しき
047あるじなきみだのみなにぞむまれける となへてすてたるあとの一声
○主無き弥陀の御名にぞ生まれける 唱えて捨てたる後の一声
048名にかなふこころはにしにうつせみの もぬけはてたる声ぞすごしき
○名に叶う心は西に空蝉の もぬけ果てたる声ぞ涼しき
049よにいづることもまれなる月景に かかりやすらむみねのうきくも
○世に出ることも稀なる月影に 懸かり安すらん嶺の浮雲
050旅衣木のねかやのねいづくにか 身のすてられぬ処あるべき
○旅衣木の根萱の根何処にか 身の捨てられぬ処あるべき
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051阿弥陀とはまよひさとりのみちたへて ただ名のかよふいき仏なり
○阿弥陀とは迷い悟りの道絶えて 唯名(無量仏)に通う生き仏なり
052南無阿弥陀ほとけのみなのいづるいき いらばはちすのみとぞなるべき
○南無阿弥陀仏仏の御名の出る息 入らば蓮の実とぞなるべき
053おしめどもつゐに野原に捨てにけり はかなかりける人のはてかな
○惜しめども遂に野原に捨てにけり 儚かりける人の果てかな
054皮にこそおとこをんなのいろもあれ 骨にはかはるひとかたもなし
○皮にこそ男女の色もあれ 骨には代わる人形も無し
055すてやらでこころと世をば嘆きけり 野にも山にもすまれける身を
○捨てやらで心と世をば嘆きけり 野にも山にも棲まれける身を
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056捨てこそ見るべかりけり世の中を すつるも捨ぬならひ有とは
○捨てこそ見るべかりけり世の中を 捨つるも捨てぬ習い有りとは
057おもひしれうき世の中にすみぞめの 色々しきにまよふこころを
○思い知れ憂き世の中に墨染めの 色々しきに迷う心を
058こころをばいかなるものとしらねども 名をとなふればほとけにぞなる
○心をば如何なる物と知らねども 名を称なうればれば仏にぞなる
059おしむなよまよふこころの大江山 いく野の露と消やすき身を
○惜しむなよ迷う心の大江山 生野の露と消えやすき身を
060こころからながるる水をせきとめて をのれと淵に身をしづめけり
○心から流るる水を塞き止めて 己と淵に身を沈めけり
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061心をばこころの怨とこころえて こころのなきをこころとはせよ
○心をば心の仇(怨)と心得て 心の無きを心とはせよ
062とにかくに心はまよふものなれば 南無阿弥陀仏ぞ西へゆくみち
○とにかくに心は迷うものなれば 南無阿弥陀仏ぞ西へ往く道
063すみすまぬこころは水の泡なれば 消たる色やむらさきの雲
○澄み澄まぬ心は水の泡なれば 消えたる色や紫の雲
064弥陀の名にかすまぬ空の花ちりて こころまどはぬ身とぞなりぬる
○弥陀の名に霞まぬ空の花散りて 心惑わぬ身とぞなりぬる
065仏こそ命と身とのあるじなれ わが我ならぬこころ振舞
○仏こそ命と身との主なれ わが我ならぬ心振舞う
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066ひとりただほとけの御名やたどるらん をのをのかへる法の場人
○一人ただ仏の御名をたどるらん 各々帰る法の場の人
067夢の世とおもひなしなば仮のよに とまる心のとまるべきやは
○夢の世と思いなしなば仮の世に 留まる心の留まるべきやは
068いにしへはこころのままにしたがひぬ 今はこころよ我にしたがへ
○古は心のままに従いぬ 今は心よ我に従え
069いまははや見えず見もせず色はいろ いろなるいろぞ色はいろなる
○今ははや見えず見もせず色は色 色なる色ぞ色は色なる
070となふれば仏もわれもなかりけり 南無阿弥陀仏の声ばかりして
○唱うれば仏も我も無かりけり 南無阿弥陀仏の声ばかりして
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071となふれば仏もわれもなかりけり 南無阿弥陀仏なむあみだ仏
○唱うれば仏も我も無かりけり 南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏
072まじへ行みちにないりそくるしきに 本の誓のあとをたづねて
○雑(まじ)へ行く道にな入りそ苦しきに 本の誓いの跡を尋ねて
073にしへ行くまよひさとりの道たえて 南無阿弥陀仏のこゑにまかせよ
○西へ行く迷ひ悟りの道絶えて 南無阿弥陀仏の声に任せよ
074みなとなふ人はあま夜の月なれや くもはれねどもにしへこそ行け
○御名唱ふ人は雨夜の月なれや 雲晴れねども西へこそ行け
075弥陀たのむ人はあま夜の月なれや 雲はれねども西にこそゆけ
○弥陀頼む人は雨夜の月なれや 雲晴れねども西へこそ行け
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076西へユク道ニナ入ソクルシキニ モトノミノリノアトヲ尋ネヨ
○西へ行く道にな入そ苦しきに 本の御法の跡を尋ねよ
077ステハテテ身ハナキモノトヲモヒシニ サムサキヌレバ風ゾ身ニシム
○捨て果てて身は無きものと思ひしに 寒さ来ぬれば風ぞ身に染む
078善悪の心は(欠文)捨て 法の道をは足にまかせん
○善悪の心は(欠文)捨て 法の道をば足に任せん
079身を捨てぬ人の姿の色めきて 花に心をかくるはかなさ
○身を捨てぬ人の姿の色めきて 花に心をかくる儚さ
080世の中にあきはてて入(る)山までも 心留なと散行葉かな
○世の中に飽き果てて入(る)山までも 心留むなと散り行き葉かな
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081何事も定なしとはいかかいわん あす死ぬる習ある世を
○何事も定めなしとは如何云わん 明日死ぬる習いある世を
082思いとけは心のとまるふしもなし むすひな初そ夢の世の中
○思いとけは心のとまるふしもなし むすひな初そ夢の世の中
083心をは心得ぬと心得よ 心得ぬれば心得ぬなり
○心をば心得ぬと心得よ 心得ぬれば心得ぬなり
084火の家を造り立むとする人の はてにはおきをつかむ成けり
○火の家を造り立てんとする人の 果てにはおきを掴むなりけり
085極楽にゆかんと思ふ心こそ 地獄に落る初めなりけり
○極楽に往かんと思ふ心こそ 地獄に落つる初めなりけり
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086心より外にそ法の舟はあれ 知らぬもしつみ知るもうかはず
○心より外にぞ法の舟はあれ 知らぬも沈み知るも浮かばず
087本ヨリモカヽレトテコソ捨シ身ノ クルシキ事ヲ何ニナケカマシ
○本よりも斯かれとてこそ捨てし身の 苦しき事を何に嘆かまし
088ヤセハテテ身ハナキ物ト思ヘトモ 雪フリヌレハコヽヘヌルカナ
○痩せ果てて身は無き物と思えども 雪降りぬれば此処へぬるかな
089七夕も思ひよらし我もまた かさしと思ふ黒染の袖
○七夕も思ひよらし我もまた かさしと思ふ黒染の袖
090我か憑む西の山路をふみみれは 苦こそ道のさわりなりけり
○我か憑む西の山路を踏みみれば 苦こそ道の障りなりけり
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091我と行(く)道ならはこそ西の山苦ありとても何か苦しき
○我と行(く)道ならばこそ西の山 苦ありとても何か苦しき
092あら楽や人に人とて知られねは 人をも人とみしらさりけり
○あら楽しや人に人とて知られねば 人をも人と見しらざりけり
093極楽ハミナミノ内ニ有物ヲ 西ト思ソハカナカリケル
○極楽は南の内にあるものを 西と思うぞ儚なかりける
094一度モ南無阿ミタ仏ト唱レハ 身ノアラハコソ罪ヲ作ラメ
○一度モ南無阿弥陀仏ト唱れば 身のあらわ(顕)こそ罪を作らめ
095白川の関路にもなほ留まらじ 心の奥のいてしなければ
○白川の関路にもなほ留まらじ 心の奥のいてしなければ
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096思ふことなくて過にし昔さへ 忍べば今のなげきとそなる
○思ふことなくて過ぎにし昔さへ 忍べば今の嘆きとぞなる
097にしへゆく山の岩かどふみならし こけこそみちのたよりなりけり
○西へ行く山の岩角踏みならし 苔こそ路の頼りなりけり
098にしへ行やまの岩ねをふみなれば 苔こそ道にさわりなりけり
○西へ行く山の岩根を踏みなれば 苔こそ道に障りなりけり
099しほりせでみ山のおくの花を見よ たづねいりてはおなじ匂ひぞ
○しほりせでみ山の奥の花を見よ 尋ね入りては同じ匂いぞ
100谷川のこのはがくれのむもれ水 ながるゝもゆくしたゝるもゆく
○谷川の木の葉隠れの埋もれ水 流るゝも行く滴るもゆく
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101 踊ハネ申シテタニモカナハヌニ 居眠シテハイカガアルベキ
○踊り跳ね申したにも叶わずに居眠りしては如何あるべき
102 證(さとり)とはさとらでさとるさとりなれ さとる了(さとり)は夢の了りよ
○證(さちり)とは悟らで悟る悟りなり 悟る了(さとり)は夢の了(さとり)よ
103 佛ぞと名あるはあやし佛には ほとけと思ふ心あるかは
○佛ぞと名あるは怪し佛には 佛と思う心あるかは
104 生ながら佛の道はなき物を 南無阿弥陀仏の声に生まれよ
○生まれながら佛の道はなきものを 南無阿弥陀仏の声に生まれよ |
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【注記】
@「聖絵」・・・52首
A「語録」・・・70首
B「夫木抄」・・ 8首
C「玉葉集」・・ 2首+(*2首)
D「播州法語」・ 2首
E「絵詞伝」・・ 1首
F「上人行状」・ 4首
G「法門抜書」・18首
H「発心」・・・ 2首
I「七夕」・・・ 4首
J「見聞私」・・ 2首
K「直談抄」・・ 1首
L「鎌倉九代」・ 2首
M「一向語録」・ 1首
N「拾遺風体」・ 1首
O「一遍上人絵詞伝直談鈔」・ 1首
P「一遍上人念仏安心抄」・ 3首
合計 102首+(玉葉集2首)=104首
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【歌ひじり 一遍 全百首】 アイウエオ順索引
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あ行
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023あともなきくもにあらそふこころこそ なかなか月のさはりとはなれ
047あるじなきみだのみなにぞむまれける となへてすてたるあとの一声
051阿弥陀とはまよひさとりのみちたへて ただ名のかよふいき仏なり
093あら楽や人に人とて知られねは 人をも人とみしらさりけり
008いはじただことばのみちをすくすくと 人のこころの行事もなし
041いつまでもいでいる人のいきあらば 弥陀のみのりのかぜはたへせじ
069いまははや見えず見もせず色はいろ いろなるいろぞ色はいろなる
068いにしへはこころのままにしたがひぬ 今はこころよ我にしたがへ
025うつつとて待得てみれば夢となる きのふに今日なおおもひあはせそ
035うちなびくほともとすすきほのぼのと みたがへてこそよしあいといへ
027おほかたのそらにはそらの色もなし 月こそ月のひかりなりけれ
029おもひとけばすぎにしかたもゆくすゑも ひとむすびなる夢のよの中
039思ふことなくてすぎにしむかしさへ しのべばいまのなげきとぞなる
045おもふことみなつきはてぬうしとみし よをばさながら秋のはつかぜ
053おしめどもつゐに野原に捨てにけり はかなかりける人のはてかな
057おもひしれうき世の中にすみぞめの 色々しきにまよふこころを
059おしむなよまよふこころの大江山 いく野の露と消やすき身を
082思ひとけは心のとまるふしもなし むすひな初そ夢の世の中
096思ふことなくて過にし昔さへ 忍べば今のなげきとそなる
104 生ながら佛の道はなき物を 南無阿弥陀仏の声に生まれよ
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か行
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028かくしつつのはらのくさの風のまに いくたびつゆをむすびきぬらん
042かきうつすやまはたかねの空にきえて ふでおもよばぬ月ぞすみける
054皮にこそおとこをんなのいろもあれ 骨にはかはるひとかたもなし
046きへやすいいのちはみづのあはぢしま 山のはなから月ぞさびしき
011くもとなるけぶりなたてそあまのはら つきはおのれとかすむものかは
020くもりなきそらはもとよりへだてねば こころぞにしにふくる月景
032けさのぢにおくればやがてかきつばた しぶの弟子ともたのみける哉
006こころよりこころをえむとこころえて 心にまよふこころなりけり
019こころをばにしにかけひのながれ行 みづのうへなるあわれ世の中
036極楽にまいらむとおもふこころにて 南無阿弥陀仏といふぞ三心
極楽にむまれんとおもふ心にて 南無阿弥陀仏といふぞ三心(玉葉集)
058こころをばいかなるものとしらねども 名をとなふればほとけにぞなる
060こころからながるる水をせきとめて をのれと淵に身をしづめけり
061心をばこころの怨とこころえて こころのなきをこころとはせよ
083心をは心得ぬそと心得よ 心得ぬれば心得ぬなり
085極楽にゆかんと思ふ心こそ 地獄に落る初めなりけり
086心より外にそ法の舟はあれ 知らぬもしつみ知るもうかはず
093極楽ハミナミノ内ニ有物ヲ 西ト思ソハカナカリケル
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さ行
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017さけばさきちればをのれとちるはなの ことはりにこそみはなりにけり
099しほりせでもやまのくの花を見よ たづねいりてはおなじ匂いぞ
095白川の関路にもなほ留まらじ 心の奥のいてしなければ
021須弥のみねたかしひきしの雲きへて 月のひかりやそらのつちくれ
055すてやらでこころと世をば嘆きけり 野にも山にもすまれける身を
056捨てこそ見るべかりけり世の中を すつるも捨ぬならひ有とは
063 すみすまぬこころは水の泡なれば 消たる色やむらさきの雲
077 ステハテテ身はナキモノトヲモヒシニ サムサキヌレバ風ゾ身ニシム
078 善悪の心は(欠文)捨て 法の道をは足にまかせん
102 證(さとり)とはさとらでさとるさとりなれ さとる了(さとり)は夢の了りよ
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た行
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050旅衣木のねかやのねいづくにか 身のすてられぬ処あるべき
089七夕も思ひよらし我もまた かさいと思う黒染の袖
100谷川のこのはがくれにむもれ水 ながるゝもゆくしたたるもゆく
002つのくにやなにはものちのことのはは あしかりけるとおもひしるべし
033つまばつめとまらぬ年もふるゆきに へのこりべきわが身ならべば
034つのくにの難波のうらをいでしより よしあしもなきさとにこそすめ
005ともはねよかくてもをどれこころこま みだのみのりときくぞうれしく
044とにかくにまよふこ出るのしるべには なも阿弥陀仏と申すばかりぞ
062とにかくに心はまよふものなれば 南無阿弥陀仏ぞ西へゆくみち
070となふれば仏もわれもなかりけり 南無阿弥陀仏の声ばかりして
071となふれば仏もわれもなかりけり 南無阿弥陀仏なむあみだ仏
003とことはに南無阿弥陀仏ととなふれば なもあみだぶにむまれこそすれ
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な行
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037ながき夜も夢もあとなしむつの字の なのるばかりぞいまの一声
048名にかなふこころはにしにうつせみの もぬけはてたる声ぞすずしき
052南無阿弥陀ほとけのみなのいづるいき いらばはちすのみとぞなるべき
075なにかなふ心はにしにうつせみの もぬけはてたる声ぞすずしき
081何事も定なしとはいかかいわん あす死ぬる習ある世を
073にしへ行くまよひさとりの道たえて 南無阿弥陀仏のこゑにまかせよ
076西へユク道ニナ入ソクルシキニ モトノミノリノアトヲ尋ネヨ
097にしへゆく山の岩かどふみなれし こけこそみちのたよりなりけり
098にしへゆくやまの岩ねをふみなれば 苔こそ道にさわりなりけり
022念仏にもおのがこころをひくすずは みをせめだまの露としらずや
009のりの道かちよりゆくはくるしきに ちかひのふねにのれやもろ人
016のこりゐてむかしをいまとかたるべき 心のはてをしる人ぞなき
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は行
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004はねばはねよをどらばをどれはるこまの のりのみちをばしる人ぞしる
013はかなしなしばしかばねのくちぬほど 野原のつちはよそにみえけり
018はながいる月がひかりとながむれば こころはものおおもはざりけり
030はきもののものぐさげには見ゆれども いそいそとこそみちびきはせめ
031ひらくべきこころのはなのみのために つぼみがさきることをこそいゑ
066ひとりただほとけの御名やたどるらん をのをのかへる法の場人
084火の家を造り立むとする人の はてにはおきをつかむ成けり
094一度モ南無阿ミト仏ト唱レハ 身ノアラハコソ罪モ作ラメ
010ふればぬれぬるればかはく袖のうへを あめとていとふ人ぞはかなき
024ほととぎすなのるもきくもうたたねの ゆめうつつよりほかの一声
065仏こそ命と身とのあるじなれ わが我ならぬこころ振舞
101 踊ハネ申シテタニモカナハヌニ居眠シテハイカガアルベキ
103 佛ぞと名あるはあやし佛には ほとけと思ふ心あるかは
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ま行
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072まじへ行みちにないりそくるしきに 本の誓のあとをたづねて
007みな人のことありがほにおもひなす こころはおくもなかりけるもの
015身をすつるすつる心をすてつれば おもひなき世にすみぞめの袖
064弥陀の名にかすまぬ空の花ちりて こころまどはぬ身とぞなりぬる
074みなとなふ人はあま夜の月なれや くもはれねどもにしへこそ行け
弥陀たのむ人はあま夜の月なれや 雲はれねども西にこそゆけ(玉葉集)
079身を捨てぬ人の姿の色めきて 花に心をかくるはかなさ
087本ヨリモカカレトテコソ捨シ身ノ クルシキ事ヲ何ニナケカマシ
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や行
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088ヤセハテテ身ハナキ物ト思ヘトモ 雪フリヌレハココヘヌルカナ
012ゆく人をみだのちかひにもらさじと 名をこそとむれしら川のせき
067夢の世とおもひなしなば仮のよに とまる心のとまるべきやは
001世をわたりそめて高ねのそらの雲 たゆるはもとのこころなりけり
014世中をすつるわが身もゆめなれば たれをかすてぬ人とみるべき
043世にふればやがてきへゆくあはゆきの 身にしられたる春のそらかな
049よにいづることもまれなる月景に かかりやすらむみねのうきくも
080世の中にあきはてて入(る)山まても 心留なと散行葉かな
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ら行
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わ行
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038わがと思ふひとの心にひかれつつ をのれとおもふ草木だになし
040我みばや見ばやみえばや色はいろ いろめく色はいろぞいろめく
090我か憑む西の山路をふみみれは 苦こそ道のさはりなりけれ
091我と行(く)道」ならはこそ西の山 苦ありとても何かくるしき
026をのづからあひあふときもわかれても ひとりはをなじひとりなりけり
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注記】
@「聖絵」・・・52首
A「語録」・・・70首
B「夫木抄」・・ 8首
C「玉葉集」・・ 2首+(*2首)
D「播州法語」・ 2首
E「絵詞伝」・・ 1首
F「上人行状」・ 4首
G「法門抜書」・18首
H「発心」・・・ 2首
I「七夕」・・・ 4首
J「見聞私」・・ 2首
K「直談抄」・・ 1首
L「鎌倉九代」・ 2首
M「一向語録」・ 1首
N「拾遺風体」・ 1首
O「一遍上人絵詞伝直談鈔」・ 1首
P「一遍上人念仏安心抄」・ 3首
合計 102首+(玉葉集2首)=104首
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【歌ひじり 一遍 全百首】 出典記載(作業中)
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聖絵
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語録
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夫木
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玉葉
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播州
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絵詞
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行状
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法門
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其他
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001世をわたりそめて高ねのそらの雲 たゆるはもとのこゝろなりけり
002つのくにやなにはものちのことのはは あしかりけりとおもひしるべし
003とことはに南無阿弥陀仏ととなふれば なもあみだぶにむまれこそすれ
004はねばはねよをどらばをどれはるこまの のりのみちをばしる人ぞしる
005ともはねよかくてもをどれこゝろこま みだのみのりときくぞうれしき
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006こゝろよりこゝろをへむとこゝろえて 心にまよふこゝろなりけり
007みな人のことありがほにおもひなす こゝろはおくもなかりけるもの
008いはじたゞことばのみちをすくすくと 人のこゝろの行事もなし
009のりの道かちよりゆくはくるしきに ちかひのふねにのれやもろ人
010ふればぬれぬるればかはく袖のうへを あめとていとふ人ぞはかなき
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011くもとなるけぶりなたてそあまのはら つきはおのれとかすむものかは
012ゆく人をみだのちかひにもらさじと 名をこそとむれしら川のせき
013はかなしなしばしかばねのくちぬほど 野原のつちはよそにみえけり
014世中をすつるわが身もゆめなれば たれをかすてぬ人とみるべき
015身をすつるすつる心をすてつれば おもひなき世にすみぞめの袖
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016のこりゐてむかしをいまとかたるべき こゝろのはてをしる人ぞなき
017さけばさきちればをのれとちるはなの ことはりにこそみはなりにけれ
018はながいろ月がひかりとながむれば こゝろはものをおもはざりけり
019こゝろをばにしにかけひのながれ行 みづのうへなるあわれ世の中
020くもりなきそらはもとよりへだてねば こゝろぞにしにふくる月景
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021須弥のみねたかしひきしの雲きへて 月のひかりやそらのつちくれ
022念仏にものがこゝろをひくすゞは みをせめだまの露としらずや
023あともなきくもにあらそふこゝろこそ なかなか月のさはりとはなれ
024郭公なのるもきくもうたゝねの ゆめうつゝよりほかの一声
025うつゝとて待得てみれば夢となる きのふに今日なおもひあはせそ
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026をのづからあひあふときもわかれても ひとりはをなじひとりなりけり
027おほかたのそらにはそらの色もなし 月こそ月のひかりなりけれ
028かくしつゝのはらのくさの風のまに いくたびつゆをむすびきぬらん
029おもひとけばすぎにしかたもゆくすゑも ひとむすびなる夢のよの中
030はきものゝものぐさげにはみゆれども いそいそとこそみちびきはせめ
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031ひらくべきこゝろのはなのみのために つぼみがさきることをこそいゑ
032けさのぢにおくればやがてかきばかま しぶの弟子ともたのみける哉
033つまばつめとまらぬ年もふるゆきに きへのこるべきわが身ならねば
034つのくにの難波のうらをいでしより よしあしもなきさとにこそすめ
035うちなびくひともとすゝきほのぼのと みたがへてこそよしあしといへ
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036極楽にまいらむとおもふこゝろにて 南無阿弥陀仏といふぞ三心
極楽にむまれんとおもふ心にて 南無阿弥陀仏といふぞ三心(玉葉集)
037ながき夜も夢もあとなしむつの字の なのるばかりぞいまの一声
038わがと思ひとの心にひかれつゝ をのれとおふる草木だになし
039思ふことなくてすぎにしむかしさへ しのべばいまのなげきとぞなる
040我みばやみばやみえばや色はいろ いろめく色はいろぞいろめく
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041いつまでもいでいる人のいきあらば 弥陀のみのりのかぜはたへせじ
042かきうつすやまはたかねの空にきえて ふでもをよばぬ月ぞすみける
043世にふればやがてきへゆくあはゆきの 身にしられたる春のそらかな
044とにかくにまよふこゝろのしるべには なも阿弥陀仏と申ばかりぞ
045おもふことみなつきはてぬうしとみし よをばさながら秋のはつかぜ
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046きへやすきいのちはみづのあはぢしま 山のはなから月ぞさびしき
047あるじなきみだのみなにぞむまれける となへすてたるあとの一声
048名にかなふこゝろはにしにうつせみの もぬけはてたる声ぞすずしき
049よにいづることもまれなる月景に かゝりやすらむみねのうきくも
050旅衣木のねかやのねいづくにか 身のすてられぬところあるべき
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051阿弥陀仏はまよひさとりのみちたへて たゞ名のかよふいき仏なり
052南無阿弥陀ほとけのみなのいづるいき いらばゝちすのみとぞなるべき
053おしめどもつゐに野原に捨てにけり はかなかりける人のはてかな
054皮にこそをとこをんなのいろもあれ 骨にはかはるひとかたもなし
055すてやらでこゝろと世をば嘆きけり 野にも山にもすまれける身を
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056捨てこそ見るべかりけれ世の中を すつるも捨ぬならひ有とは
057おもひしれうき世の中にすみぞめの 色々しきにまよふこゝろを
058こゝろをばいかなるものとしらねども 名をとなふればほとけにぞなる
059をしむなよまよふこゝろの大江山 いく野の露と消やすき身を
060こゝろからながるゝ水をせきとめて おのれと淵に身をしづめけり
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061心をばこゝろの怨とこゝろえて こゝろのなきをこゝろとはせよ
062とにかくに心はまよふものなれば 南無阿弥陀仏ぞ西へゆくみち
063すみすまぬゝころは水の泡なれば 消たる色やむらさきの雲
064弥陀の名にかすまぬ空の花ちりて こゝろまどはぬ身とぞなりぬる
065仏こそ命と身とのあるじなれ わが我ならぬこゝろ振舞
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066ひとりたゞほとけの御名やたどるらん おのおのかへる法の場人
067夢の世とおもひなしなば仮のよに とまる心のとまるべきやは
068いにしへはこゝろのまゝにしたがひぬ 今はこゝろよ我にしたがへ
069いまははや見えず見もせず色はいろ いろなるいろぞ色はいろなる
070となふれば仏もわれもなかりけり 南無阿弥陀仏の声ばかりして
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071となふれば仏もわれもなかりけり 南無阿弥陀仏なむあみだ仏
072まじへ行道にないりそくるしきに 本の誓のあとをたづねて
073にしへ行くまよひさとりの道たえて 南無阿弥陀仏のこゑにまかせよ
074みなとなふ人はあま夜の月なれや くもはれねどもにしへこそ行け
弥陀たのむ人はあま夜の月なれや 雲はれねども西にこそゆけ(玉葉集)
075なにかなふ心はにしにうつせみの もぬけはてたる声ぞすずしき
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076西へユク道ニナ入ソクルシキニ モトノミノリノアトヲ尋ネヨ
077ステハテゝ身クチナキモノトヲモヒシニ サムサキヌレバ風ゾ身ニシム
078善悪の心は(欠文)捨て 法の道をは足にまかせん
079身を捨てぬ人の姿の色めきて 花に心をかくるはかなさ
080世の中にあきはてゝ入(る)山まても 心留なと散行葉かな
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081何事も定なしとはいかゝいわん あす死ぬる習ある世を
082思ひとけは心のとまるふしもなし むすひな初そ夢の世の中
083心をは心得ぬそと心得よ 心得ぬれば心得ぬなり
084火の家を造り立(て)むとする人の はてにはおきをつかむ成けり
085極楽にゆかんと思ふ心こそ 地獄に落(つ)る初めなりけり
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086心より外にそ法の舟はあれ 知らぬもしつみ知るもうかはす
087本ヨリモカゝレトテコソ捨シ身ノ クルシキ事ヲ何ニナケカマシ
089ヤセハテゝ身ハナキ物ト思ヘトモ 雪フリヌレハコゝヘヌルカナ
089七夕も思ひよらし我もまた かさいと思う黒染の袖
090我か憑む西の山路をふみみれは 苦こそ道のさはりなりけれ
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091我と行(く)道ならはこそ西の山 苦ありとても何かくるしき
092あら楽や人に人とて知られねは 人をも人とみしらさりけり
093極楽ハミナミノ内ニ有物ヲ 西ト思ソハカナカリケル
094一度モ南無阿ミタ仏ト唱レハ 身ノアラハコソ罪モ作ラメ
095白川の関路にもなほ留まらじ 心の奥のいてしなければ
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096思ふことなくて過にし昔さへ 忍べば今のなげきとそなる
097にしへゆく山の岩かどふみならし こけこそみちのたよりなりけり
098にしへゆくやまの岩ねをふみなれば 苔こそ道にさわりなりけり
099しほりせでみ山のおくの花を見よ たづねいりてはおなじ匂ひぞ(玉葉集)
100谷川のこのはがくれにむもれ水 ながるゝもゆくしたたるもゆく(玉葉集)
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101 踊ハネ申シテタニモカナハヌニ 居眠シテハイカガアルベキ
102 證(さちり)とはさとらでさとるさとりなれ さとる了(さとり)は夢の了りよ
103 佛ぞと名あるはあやし佛には ほとけと思ふ心あるかは
104 生ながら佛の道はなき物を 南無阿弥陀仏の声に生まれよ |
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