資料8号 国寶之霊像開扉之辨

春風徐々花将に開かんとするの時、恰かも人挙げて日英協約の美を歓ふの際、県下高等小学校三十余校選手生連合の大運動会を当道後公園に催さるるの挙あり。時候と云ひ、彼此の好事と云ひ、嗚愉々快々不肖善応這回、連合運動に来会の諸子か遠来の労を犒ふ為に、我寺に安置し奉る一遍上人の霊像は製作優秀にして苟も国宝の一躯なれは諸子か学芸上或は歴史に或は美術に参考の一助ともならん乎。
且つ高徳聖者の肖像なれば、其威徳を感し当然信心を発起することもあらんとして謹て開扉をなす。各々親しく拝観せらるべし。■に聊か歴史的に当山の縁起を述ふへ仰も当山に安置し奉る本尊阿弥陀仏立像御丈三尺六寸は仏師春日の作にて
人皇三十六代斎明天皇