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当院は、耳鼻咽喉科、気管食道科、アレルギー科専門クリニックです

TEL. 089-973-8787

〒790-0045 愛媛県松山市余戸中1丁目2-1

口腔扁平苔癬と白板症
〜口腔内病変について〜

 当院では耳鼻科領域の口腔咽頭科、頭頸部外科として対応しています。齲歯・歯周病・咬合やクラウンの影響・口内の衛生不良があれば歯科・口腔外科と、皮膚との関連疾患であれば皮膚科と連携しています。

白斑:こすっても剥がれないものは、角化性の扁平苔癬と白板症が代表的です。こすって剥がれるものはカンジダ症が代表的です。

口腔カンジダ症:口腔内に常在している真菌(カビ)が、抵抗力の低下や糖尿病で増殖します。吸入ステロイド使用でカンジダ症を誘発することもあります。急性型と慢性型、偽膜性(白いかさぶた,白苔)と紅斑性(赤いびらん)があり、紅斑性では痛みが強くなります。抗真菌剤の内服やうがい薬で治療します。

口腔扁平苔癬(たいせん)(Lichen planus):慢性に角化異常をきたし、皮膚でも発現します。40〜70才台の女性に多く、80%以上は歯列咬合面を中心とした頬粘膜ですが、舌、口唇、口蓋、歯肉にも認めます。白い網目状、レース状模様が変化し、扁平紅色苔癬と呼ばれる赤くなる状態化するなど多彩な像を呈して、網状型、丘疹型、線状型、斑状型、びらん・潰瘍型、小水疱型、色素沈着型に分類されます。原因は不明ですが、金属アレルギー(特に歯冠のアマルガム合金や義歯の金属バネ)、ガルバニー電流(歯冠の微弱電流)、口内の不衛生、喫煙、C型肝炎、ストレス、ウイルス、薬剤の関与が疑われます。治療は、歯科的な口内の衛生と齲歯や歯冠の治療、ステロイド軟膏、ビタミンA、B、うがい薬が試みられます。自然治癒率は2〜3%です。0.5〜2%で二次的に癌化を誘発するとされ、びらん・潰瘍型で注意します。金属アレルギーが疑われる場合には皮膚科でのパッチテ
ストを紹介します。

白板症:角化の強い前癌状態です。喫煙、アルコール、義歯、歯科用金属などによる慢性刺激が関与するとされます。生検で確定診断します。潰瘍化したものは上皮内癌の可能性もあります。50〜70才台の2〜3%、20代より認められ、男性が女性の2倍です。治療はビタミンA、Bの投与と手術的切除、凍結療法、レーザー治療などです。10〜20%に再発が見られ、長期観察では4〜20%で癌化します。

紅板症(紅色肥厚症):刺激痛あり、高齢者に多く50%で癌化、外科的切除

口腔癌(舌癌、歯肉癌、口腔底癌、硬口蓋癌、口唇癌):舌癌は、奥歯や義歯の刺激による舌縁部が好発部位です。
咽頭癌(中咽頭癌、扁桃癌):扁桃癌では悪性リンパ腫などの血液癌もあります。
*視診上で悪性が否定できない場合には、迅速病理診断の必要性も考慮して、高次病院に紹介します。

口内炎再発性アフタ(ストレス、胃腸障害、ベーチェット病(陰部潰瘍、眼症状の合併)、白血球減少、アレルギー性)、ベドナーアフタ(乳児の哺乳刺激のよる左右対称の口内炎)、ニコチン性口内炎(口蓋奥の口蓋腺の円形白斑)、多形滲出性紅斑(重症でスティーブン・ジョンソン症候群

口腔乾燥症(ドライマウス);原因は水分欠乏(多尿、糖尿病)、薬剤性(抗ヒスタミン剤、制酸剤、降圧剤、向精神薬)、鼻閉による口呼吸、加齢、義歯による圧迫、シューグレン症候群(ドライア
イ合併)。治療はレモン飴、人工唾液、唾液分泌促進薬

血腫(火傷、火傷、機械的刺激、自己免疫異常→尋常性天疱瘡(表皮細胞膜への自己抗体、抗デスモグレイン1・2抗体)、類天疱瘡(表皮基底膜への自己抗体、抗BP180抗体、高齢者に多い)
褥瘡性潰瘍(外傷、機械的刺激)、結核性潰瘍
梅毒性潰瘍(U期、乳白斑)、急性壊死性潰瘍性歯肉炎(全身性)
フォアダイス病(脂腺の迷入)
ブランディン・ヌーン嚢胞(舌先端部裏側の腺の閉塞)

舌炎萎縮性舌炎(鉄欠乏、ハンター舌炎―ビタミンB12欠乏)、地図状舌(原因不明、小児の1〜6%)、菱形舌炎黒毛舌
舌痛症口腔内灼熱症候群舌苔

良性腫瘍:乳頭腫(無症状が多い。乳頭腫症乳頭状過形成乳頭型扁平上皮癌に注意)、線維腫血管腫リンパ管腫骨腫(下顎骨に多い)
皮様嚢腫
有郭乳頭(舌の奥に並ぶ、味を感じるための正常組織)
上皮真珠・萌出嚢胞・先天性歯(乳児)、リガ・フォーデ病(先天歯による舌下の潰瘍)、萌出性歯肉炎(小児)、歯周病内歯瘻(根尖病巣より波及)、エプーリス(歯肉腫 小児、妊婦)