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不明熱と病巣感染

不明熱と病巣感染
体温:体温は脳の深部にある視床下部で制御され、自律神経系のメカニズムの協調によって体温の恒常性が維持されています。例えば身震いや血管収縮によって熱が発生し、体温が設定温度まで上昇します。発汗や皮膚血管拡張によって放熱量が増加して体温が低下します。発熱は、設定温度そのものが上昇し、身体が反応して体温が上昇することです。炎症や免疫の失調によりマクロファージや単球がサイトカインを産生すると、視床下部が設定温度を上げます。正常体温は、わきの下(腋窩)で36.2~36.8℃ですが、成人健常者の平均口腔温度は実際には36.8±0.2℃であり、夕方に高くなる日内変動(1日の振幅は0.5~1.3℃)があります。代謝の活発な幼児では成人よりも体温が0.5℃前後高めです。また、小児で夏季に水分補給が不十分な場合には、熱中症の準備状態とも言えるうつ熱で、夕刻に一時的に微熱になりやすいです。発熱が3日以上続く場合には、少なくとも朝夕2回は熱型を記録することが薦められます。

不明熱:「38.3 度以上の発熱が何度か認められる状態が 3 週間を超えて続き,1 週間の入院精査でも原因が不明のもの」 を不明熱と定義します。3 週間以上というのは,急性一過性のウイルス感染症を除外するためです。38.3 度というのは口腔内の温度であり,腋窩温度であれば 0.3~0.5 度低い体温に相当します。不明熱の原因としては,感染症,非感染性炎症(膠原病や血管炎),悪性腫瘍、エイズや好中球減少による免疫機能低下などがあります。また精力的な検査でも原因不明の場合が30%存在します。

病巣感染:ある臓器に慢性炎症があり、そこからの炎症産物や免疫の失調の誘発により、他の臓器に悪影響を及ぼす病態です。慢性扁桃炎と歯周病が代表的疾患です。特に扁桃腺はふたつの顔を持つ臓器とも言われ、「かぜをひいた際の急性扁桃炎」と「慢性扁桃炎からの病巣感染の原因臓器」のふたつの病態を引き起こします。耳鼻科では、かぜ(急性上気道炎)に連動して増悪する病態があれば、扁桃腺が悪影響を及ぼしていないかどうかに注意します。

炎症関連の血液検査の見方
白血球(WBC):病原菌を殺す細胞です。少ないとウイルス感染の初期や免疫力の低下、血液内でのアレルギー反応を疑います。多いと細菌感染を疑います。乳幼児では成人よりも正常値が高めです。0才 11.000 3才 9.200 5才 8.200

赤血球(RBC)
 血色素量(Hb):血液内で酸素を運ぶ成分です。少ないと鉄欠乏性貧血を疑います。
 ヘマトクリット(HT)
 MCV、MCH、MCHC:赤血球の大きさや赤血球内のヘモグロビン量を反映します。

血小板:血を固める成分です。10万以下で出血傾向に注意します。3~5万以下で出血が止まらない場合には輸血も考慮します。肝臓で作られますので、肝硬変の進行の程度の指標ともなります。

CRP:炎症産物です。最も重要な体内の炎症の指標です。 0.3-0.6:± 1.5-3.0:2+ 11.0-18.0:5+

ASK:連鎖球菌抗体の1種で、慢性扁桃炎の指標のひとつです。異常値の目安1280倍以上

~以下の項目は白血球の細かい分類で、割合の過多で病原性を判断します~
SATB(桿状核球)、SEG(分葉球):白血球内の好中球の主成分です。多いと細菌感染を、少ないと細菌に対する免疫力の低下を疑います。これ以外の骨髄内成分があれば白血病も疑います。
EOSIN(好酸球):作用は十分解明されていませんが、アレルギーなどの過敏症を引き起こす細胞です。
BASO(好塩基球)
MONO(単球):伝染性単核球症で増加します。
LYNPH(リンパ球):多いとウイルス感染を疑います。

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