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当院は、耳鼻咽喉科、気管食道科、アレルギー科専門クリニックです

TEL. 089-973-8787

〒790-0045 愛媛県松山市余戸中1丁目2-1

逆流性食道炎 〜口腔咽頭科と消化器疾患〜

 口腔咽頭は消化管の入り口であり、口内炎や舌炎は胃や腸の病気と連動して発症する場合があります。当院では口腔咽頭科医として、また気管食道科専門医として、口腔から食道までの上部消化器を、消化器内科、消化器外科と連携の上、取扱います。以下に当院で注意すべき疾患を挙げました。

豆知識:昭和24年生まれ以前(団塊世代より上)の世代は、小児期に抗生物質を服用しておらず5才までにピロリ菌に感染して胃炎、胃癌を発症しやすい世代です。ピロリを除菌すると逆に胃酸過多の傾向になります。それより下の世代では高カロリー高蛋白食のマグドナルド世代で、胃酸過多の傾向があります。近年、若年者の逆流性食道炎が増えています。

逆流性食道炎(咽喉頭酸逆流症)
 びらん性(GERD);内視鏡的に食道炎を認める 
 非びらん性(NERD);内視鏡的には食道炎がないのに症状がある  

 症状;胸やけ、呑酸(ゲップ)が2回/週で診断。胸痛、咳、のどの違和感、声がれ、睡眠障害(夜間に逆流が強くなることから)

 原因;食事(高脂肪食、高蛋白食、食べ過ぎ、早食い)の影響の胃酸過多、肥満、加齢、背中の曲がった体型などから、下部食道括約筋の弛緩により逆流が起こる。高齢者は夜間に増悪

 咽喉頭の所見;喉頭披裂部びらん・浮腫、喉頭肉芽腫

 検査;食道内視鏡(当院、絶食不要)、胃内視鏡(消化器内科、絶食が必要)、24時間pHモニタリング(大学病院レベル)
     酸分泌抑制薬による診断(PPIテスト);PPIを試しに7日間服薬して症状が改善するか見る

 治療;H2ブロッカー(胃酸抑制)
    プロトンポンプ阻害薬(PPI)(強力な胃酸止め、消化不良は誘発しない);GARDで8週間、NERDで4週間の服薬で治癒。再発例では減量維持療法
    胃粘膜保護剤(効果時間が短い)、制酸剤、漢方薬(半夏厚朴湯、六君子湯など)
    傾斜寝サポート枕;夜間に増悪するタイプでは、布団の首の下に毛布を挟んで胃より頭を上にして寝る
     *肥満による内臓脂肪の増加予防、食後にはベルトを締め過ぎない

 注意すべき他の病気;狭心症、バレット食道(下部食道、前癌状態)、食道癌(扁平上皮癌、バレット食道腺癌)

 難治例;逆流性食道炎は食生活からの生活習慣病でもある。一般的には治療によく反応して治癒するが、再発も来しやすい。再発例や難治例(食道出血や狭窄、バレット食道で前癌状態の経過観察が必要など)では消化器内科専門医に紹介します。

胃炎、胃十二指腸潰瘍、胃出血:ピロリ菌感染や消炎鎮痛剤の服薬で発症しやすい。また、脳血管障害や狭心症で“血液をサラサラにする”アスピリンやワーファリンなどの抗凝固剤を服用しているとより発症しやすくなるため、PPIの予防投薬が勧められる。亜鉛欠乏で口内炎や萎縮性舌炎、味覚障害を合併します。

機能性胃腸障害(ディスペプシア):胃内視鏡検査で異常がないにも関わらず胃炎症状が3か月以上続く
食後愁訴症候群;食事に伴った胃もたれ感、食後直ぐに満腹となる。過敏性腸症候群様
心窩部痛症候群;胸〜上腹部に痛み(胸やけ)を感じる。GERDに準じて治療

食道裂肛ヘルニア:逆流性食道炎の為にヘルニア化する場合や、逆にヘルニアのために逆流性食道炎が続発する場合がある

食道カンジダ症:全身的な免疫機能低下に注意。治療は抗真菌剤の14-21日間内服。難治では維持療法として長期服薬 参考)口腔カンジダ症では5日間内服

食道癌:初期の下咽頭癌、頚部食道癌は喉頭ファイバーや食道内視鏡で見つけにくいため、2週間以上確実に増悪する自発痛や血痰に注意

胃癌:ピロリ菌感染は癌化の大きな要因

肝炎:EBウイルス感染による伝染性単核球症では急性肝炎を続発する場合がある。肝保護薬の内服や注射で経過をみる

肝硬変:耳鼻科では、肝臓で産生されるトロンボポエチンの減少で骨髄の血小板産生が減る、肝硬変で脾臓に血小板が過剰に蓄積されるなどの機序による血小板減少からの鼻血に注意します。血小板10万以下で肝硬変の進行を疑い、5万以下で鼻血の止血が困難になります、2万以下では輸血も考慮します。