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耳鼻咽喉科・気管食道科領域で注意すべき病原菌

耳鼻咽喉科・気管食道科領域で注意すべき病原菌
細菌検査の見方:塗抹は顕微鏡で覗いた菌の状態を、培養は各種の培地で増殖させて菌を同定したものです。菌種の右の( )内は菌量を示します。
 S=よく効く I=効かない R=全く効かない *=標準では検査せず

病原菌とは:わかり易く表現すれば、
 体の免疫力に打ち勝って増殖して悪さをするのが「病原菌」
 特に悪さをしないで共生しているものが「常在細菌」です。

抗生物質の効果的な飲み方
 薬剤の染み渡りやすい(組織移行のよい)咽喉頭や扁桃腺、気管支で2~4日、全身の中でも特に組織移行の悪い中耳や副鼻腔では3~7日間は有効血中濃度を維持することが必要です。その為には、決められた1日の服用回数、服薬期間を守ります。ただし感染が軽度になれば、血液中の白血球(好中球やマクロファージ)が細菌を食べますので自己の免疫力で治すことも可能です。
 小児は空腹時に服薬しても胃を荒らすことはまずありません。一般的な抗生物質は2倍量投与も可能ですので、服薬間隔が短くなってもかまいません。通園などで昼の服薬が難しい場合には、毎食後と処方されていても、朝・夕方・寝る前に服薬時間を変更しても結構です。

マクロライド少量長期療法★少量の除菌作用の薬剤を長期的に服用して粘膜の免疫機能を活性化する治療法です。副鼻腔炎、滲出性中耳炎、びまん性汎細気管支炎などで用います。

注意すべき病原菌:下記の①~③が小児の難治性中耳炎、副鼻腔炎の代表的な起炎菌です。アレルギー素因で鼻汁が続いたり、扁桃組織が弱く抵抗力の未熟な小児が感染すると持続感染化する傾向があります。集団保育児の間で耐性菌の増加が見られます。

Streptococous pneumoniae (肺炎球菌):中耳から肺までの気道に広がる細菌です。病原性が強く、急性中耳炎の代表的な細菌です。
PISP(ペニシリン低感受性―)、PRSP(ペニシリン抵抗性―):耐性菌タイプ
*ペニシリン系(クラバモックス,ユナシンは下痢し易い),ホスミシン,ペネム系,合成抗菌剤が有効です。

Haemophilus influenzae(インフルエンザ桿菌):インフルエンザウイルスとは関係ありません。血液を好むことから、粘膜や扁桃組織に潜伏感染します。小児を中心に除菌が困難な場合も多く、中耳炎や副鼻腔炎の難治化に関与します。
BLNAR(ブルナール、β-ラクタマーゼ非産生アンピシリン耐性―):耐性菌タイプ
*セフェム系(倍量)、マクロライド系、合成抗菌剤の長期投与が有効です。

Moraxella catarrahalis(モラキセラ菌):病原性は弱いがβラクタマーゼという酵素を産生するタイプが増えており、他の病原菌と混合感染しているとセフェム系やペニシリン系の効果を減弱
する間接起炎菌として重要です。

Klebsiella pneumoniae(肺炎桿菌):多くは低病原性です。

Corynebacterium spp.(コイネバクテリウム):雑菌ですが、時に病原性を示します。

Streptococous pyogenes(溶連菌):咽頭扁桃炎の起炎菌です。腎炎の続発、除菌不良、健康保菌者に注意します。

Pseudomonous aerginosa(緑膿菌):高齢者の慢性中耳炎・副鼻腔炎の代表的な病原菌です。病原性は弱いですが、薬剤耐性が目立ちます。

Steptococous aureus(ぶどう球菌):コアグラーゼという蛋白質を産生して病原性を示します。コアグラーゼ非産生ぶどう球菌CNS、表皮ブドウ球菌が代表)は皮膚に常在して低病原性です。
MRSA(メチシリン耐性―):薬剤耐性が高度なタイプでは、消毒薬や点滴による治療が主体となります。

Mycoplasma pneumoniae(マイコプラズマ):徐々に気管支周囲に入りこんで病原性を表すごく小さな病原菌です。マクロライド系やテトラサイクリン系、合成抗菌剤が有効です。

Candida albicans (カンジダ)、Asperugillus (アスペルギルス):真菌(カビ)です。水虫と異なり、皮膚や口腔に常在していますが、免疫力が落ちた状態で増殖して病原性を表します。表在性の病変では主に軟膏で治療します。

10 嫌気性菌:空気のない環境で増殖し、慢性的に感染する傾向があります。悪臭が目立ち、一般の培養では検出できません。慢性扁桃炎、リンパ節炎、虫歯、皮膚や首の深部の炎症、筋炎の原因となります。

11 α-streptococcus(αレンサ球菌)、Neisseria sp.(ナイセリア):常在細菌です。病原性はありません。

(当院でお渡ししておりますパンフレットの部分抜粋です)

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