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当院は、耳鼻咽喉科、気管食道科、アレルギー科専門クリニックです

TEL. 089-973-8787

〒790-0045 愛媛県松山市余戸中1丁目2-1

子どもの耳 ちょっとした疑問

○日ごろの耳の手入れはどうするの?〜自宅での耳掃除の方法や頻度〜

 幼児の耳の穴の深さは約1〜2cmです。耳の穴の手前半分で耳あかが作られます。日本人の耳あかは、約7割が乾いたタイプ、3割が湿ったタイプです。耳の穴には、耳あかを徐々に押し出す働きもありますので、乾いたタイプの耳あかならば、ある程度自然に取れてきますが、あまりに耳あかがたまりすぎると聞こえが悪くなったり湿疹を誘発したりすることもありますので、数ヶ月に1度程度は耳掃除をしましょう。よく綿棒で耳あかを奥に押しやってしまうお母さんを目にします。ベビー用の細めの綿棒や先のとがっていない耳かきで、室内灯の光の入る範囲で回りをふき取るように耳あかを取ってみて下さい。
 耳の穴の奥の半分は痛みを感じやすくなっています。お子様が痛がるようなら、耳かきを奥まで入れ過ぎていたり、奥に落ち込んだ耳あかが刺激になっていたり、耳の穴に傷がついている可能性もあります。時に耳かきの最中に子供が急に動いて鼓膜を破ることもあります。痛みが強かったり、耳かきに血がついたりした場合は、診察を受けて下さい

○耳を痛がる時ってどんな時?〜中耳炎の種類と症状〜

 中耳と鼻の奥は耳管という管でつながっています。普段はこの管を通じて鼻から少しずつ空気が入って、鼓膜が響きやすくなっています。鼻かぜの炎症がこの管を通じて中耳に広がって急性にうみがたまる状態が急性中耳炎です。扁桃肥大や鼻炎などで空気の抜けが悪い状態が続き、水がたまるのが滲出性中耳炎です。急性中耳炎の治りが悪くて滲出性中耳炎化する、滲出性中耳炎の状態で風邪をひいて急性中耳炎化する、など両者は移行することも多いです。
 痛みは夜泣きが続いて眠れないほどの強いものからかゆそうにする軽いものまで、発熱も急に高熱が出るものから微熱が続くものまで、難聴もわずかにこもる感じがするだけで周りからは気付かれないものから話し声が聞こえなくなる程度のものまで、また痛みが続いて食欲が落ちたり、難聴が持続して言葉の発育が遅くなったり集中力が低下したりと、様々な症状があります。
 小児は平均1.8回中耳炎にかかるとのデータもあります。特に、鼻かぜの治りが悪いあとに耳を気にするそぶりを見せたときは要注意です。中耳炎以外でも、外耳炎や、咽頭炎・扁桃炎・口内炎・むし歯などの口の中が痛い場合や、耳下腺炎・リンパ節炎などの首のはれでも耳の周りを痛がります。

○中耳炎はどんな治療をするの?〜中耳炎の治療法〜

 急性期を快適に過ごす治療と、鼓膜の変形や耳だれ・難聴の持続などの後遺症的な症状を残さないための治療を行います。
 中耳炎の多くは鼻の炎症が広がって起こります。鼻かぜの治療に準じたお薬の服薬や、鼻からの外来処置による治療が基本となります。最近は抗生物質の効きが悪い耐性菌が増えており、適切な抗生物質を適正な期間服薬することが大切になっています。急性中耳炎の初期で炎症が強い場合や滲出性中耳炎が長期化する場合には、鼓膜にごく小さい穴を開けてうみを取り除く「鼓膜切開」を行うことがあります。慢性化した場合には、鼓膜にしばらく小さい穴を開けて中耳の中を乾かす「鼓膜チューブ留置術」という治療もあります。

〜 ママの豆知識 〜
 現在、松山市では耳鼻科専門医による24時間体制の救急医療は実施されていません。中耳炎の急な痛みには、一般的には小児用の鎮痛剤で痛みを和らげて、翌日、耳鼻科で治療を継続するのが一般的です。症状が強い場合は、救急病院の担当医師の指示に従って下さい。かかりつけ医がある場合は、事前に緊急時の対応を確認しておくと良いでしょう。