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当院は、耳鼻咽喉科、気管食道科、アレルギー科専門クリニックです

TEL. 089-973-8787

〒790-0045 愛媛県松山市余戸中1丁目2-1

鼻血

鼻血の対応法
鼻の穴から少し出る程度ならティシュペーパーで上から小鼻を静脈で5分、動脈で10分押さえて下さい。
●30分以上続けて糸を引くようにドクドク出る場合は、血液を飲みこまずに吐き出すようにして、救急病院(当院かかりつけの方は当院時間外電話番号まで)ご連絡下さい。
   
●救急時以外の治療: 粘膜表面の血管拡張に対して、
 @まず鼻炎の治療で粘膜の正常化を図ります。*鼻づまり改善用の点鼻液(小児は希釈液)で血管の収縮を図ります。一度出血した血管が固まるには3日かかります。出血直後とその後3日は1日2回点鼻して下さい。
 A血管が収縮せず出血を繰返す場合には、薬剤(硝酸銀)や高周波で血管をつぶします(粘膜焼灼術)。 粘膜表層に浮き出た血管→焼 灼→かさぶたの付着と脱落をくり返し→約1週間後に粘膜が正常化ながら徐々に粘膜が新生 *術後2〜3日は逆に刺激で出血しやすい場合もあります。鼻炎が続けば徐々に再発することもあります。

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Q:中学2年生の息子が、よく鼻血を出します。健康面では、特にこれといって変わったところは見あたりませんが、心配です。病院で診察を受けてをおいた方がいいんでしょうか? (松山市 42才 女性)
A:鼻の中は、異物の侵入を防いだり気流を整えたりするためにフィルターのような複雑な構造になっています。また、外気を加温加湿したりウィルスや細菌などの外的の侵入を防ぐために、鼻の粘膜は厚い毛細血管で覆われています。そのため、様々な要因で粘膜が障害を受けると出血しやすくなります。風邪に伴う急性鼻炎や、体質的に粘膜が弱い慢性鼻炎、ダニ・カビ等のほこりや花粉が刺激となるアレルギー性鼻炎、より鼻の奥に炎症が波及した副鼻腔炎、さらにアデノイド扁桃腺のような口の奥の慢性炎症などが原因となることもあります。特に、鼻の入口の皮膚と粘膜の境目付近は、かさぶたもつきやすく、特に刺激を受けやすいので、毛細血管が拡張しやすくなります。最も多いのは、鼻炎や皮膚の湿疹によりこの鼻の入口の血管が浮いてくることによる出血です。落ち着いて座り、小鼻を押さえて10分程度で止まる出血ならば、応急的には心配のないことがほとんどです。しかし、30分以上も鼻血が止まらなかったり、出血の頻度が極端に多い場合には、可能性は少ないもの、全身的に血が止まるにくくなる血液疾患血圧の異常や、良性、悪性の腫瘍が隠れている可能性も否定はできません。たとえ全身的に健康であっても、鼻の粘膜に弱い部分があると、鼻出血以外にも鼻づまりによる頭重感、集中力不足や、いびきによる日中の疲労感などが起こることもあり注意が必要です。いよいよ本格的な水泳の季節です。特にプールの水には消毒のための塩素が入っていますので、水泳後目が充血するのと同じように、鼻の粘膜も刺激を受けて、より鼻血が出やすくなることも考えられます。お子様の場合、文面からは軽い鼻炎か湿疹がある程度で、ことさら心配する必要はないと推察します。しかし、よく鼻血をだすのであれば、やはり一度専門医を受診しておくことを勧めします。
*けんこう相談ボックス リビングまつやま 寄稿文より