赤ちゃんと子供の鼻詰り
赤ちゃんは主に鼻で呼吸を行っており、口での呼吸は上手に出来ません。そのため、鼻が詰まると以下のような様々な不都合が起こってきます。
①ミルクが上手に飲めない ☞お母様ご自身で、試しに鼻をつまんでつばを飲み込んでみて下さい。いかに飲みにくいかがお判りになると思います。
②眠りが浅くなる
③不機嫌になる
④呼吸困難を引き起こす:特に生後3ヶ月ぐらいまでは呼吸をする力自体も弱いので、呼吸が規則的に出来ずに一時的に呼吸が止まることもあります。ごくまれには、うつ伏せ寝の最中に口が塞がれることによって突然死を引き起こすこともあります。
⑤細菌感染を引き起こす:乳児では抵抗力(免疫力)がまだ不十分です。鼻づまりで鼻粘膜の繊毛運動が阻害されると、ブドウ球菌などの空気中に漂っているような雑菌でも持続感染を引き起こすため、とびひに代表される皮膚への感染や中耳炎、気管支炎の原因となります。
< 家庭での対処法 >
⑴ 鼻を暖める:鼻の粘膜は冷気を体内に入れないように、外の空気が冷たいと腫れるという生理的な働きがあります。以下のような方法で鼻の粘膜の腫れを軽くして下さい。
① 乾燥に注意、部屋を暖める(冷やさない) ☞エアコンの付け放しは部屋が極端に乾燥します。必要に応じて加湿器を利用して下さい。
② 入浴(沐浴)する ☞全身状態がよい時は、湯冷めさせないように注意した上で、哺乳の前やおやすみの前に積極的に入浴してみて下さい。
③ 蒸しタオル、カイロで鼻の頭を暖める ☞かなりの効果が期待できます! 水を含ませたタオルをレンジでチン!すれば簡単です。
⑵ 鼻水を吸い取る:上記のようにして鼻が出来るだけ通った状態の時に、お母様の口で片方ずつ優しく吸ってあげて下さい。 ☆薬局に鼻吸引器を用意しています。
⑶ 鼻の入り口のかさぶたを取る:入浴後などの皮膚が湿った状態だと粘膜を傷つけずに取れます。ベビー用綿棒などを利用してやさしく取り除いて下さい。☆薬局にベビー用ピンセットを用意しています。
⑷ 鼻をかむ(4才以上):幼児は鼻をすすり上げることは出来ますが、鼻を上手くかめません。まず、机の上の千切ったティッシュペーパ入浴時に水面を揺らす遊びなどの練習で鼻から息を抜くことを習得した後に、鼻がかみやすい入浴時から鼻かみを始めてみて下さい。
< 当院での治療法 >
鼻汁吸引、鼻吸入や投薬を行います。
★ 小児の点鼻について ★
殺菌と発泡作用で鼻水を吸い取りやすくする重曹を含む鼻洗液、約3時間粘膜を収縮させ鼻の通りを良くする血管収縮剤(プリビナ希釈液、コールタイジン)、2~3日の使用で安定して炎症を抑えるステロイド点鼻液(アラミスト、ナゾネックス、小児用フルナーゼ、アルロイヤネーザル)があります。鼻づまりがひどくて寝苦しそうな時、中耳炎が改善しない時、鼻血がでやすい時(出血直後と後3日間)などに使用すると有効です。
血管収縮剤の原液の使用は原則6才以上です。乳幼児では、顔面蒼白や動悸・強い眠気などの副作用がでる可能性があるため、当院では2才児以上に限り4倍に薄めたものを処方しています。市販されている大人用の点鼻液は赤ちゃんには使用しないで下さい。
0、1才児:鼻洗液を1日数回、数滴垂らした後に、口や吸引器で優しく吸って下さい。鼻洗液を人肌に暖めると、吸引後の鼻通りも良くなり、より効果的です。
2才と噴霧を嫌がる幼児:プリビナ希釈液は屯用で、両鼻に各1~2滴滴下して下さい。アラミストは2才以上で1日1回各1噴霧
3才以上の幼児:プリビナ希釈液のスプレータイプは屯用で両鼻に各1噴霧して下さい。アラミスト、ナゾネックスは1日1回各1噴霧
6才以上の小児:コールタイジン、小児用フルナーゼ、アルロイヤネーザルを1日2回各1噴霧