一遍会 坂村 真民 抜粋 一遍会 ホットニュース抜粋
54    2006.12.11
詩人 坂村真民さん(一遍会 OB会員)が12月11日ご逝去されました。
愛媛県を代表する詩人「坂村真民」さんが12月11日逝去されました。14日に公表され、新聞、TVなどで報道されました。
「真民」さんは一遍さんに深い想いを寄せて、一遍さんが「南無阿弥陀仏」のお札を賦算したことに倣い、個人雑誌「詩国」の毎月無料配布を続けられました。特に「念ずれば花ひらく」のフレーズは多くの人を惹きつけ、励まし、国内外で七百基以上の詩碑が建てられているとのことです。
あまり知られていませんが「真民」さんは一遍会の創成期からの会員で、例会で講演もされ、また宝厳寺で開催されます一遍生誕会(松壽丸湯浴み式)や一遍忌には顔をお見せになりました。お話は決してお上手ではありませんでしたが、お話になる一言一言が胸にじ〜んと響いてくる説教でもありました。
生前にお墓は宝厳寺墓地と決められ、格別の気持ちを込めて「念ずれば花ひらく」の詩を刻まれました。恐らく御霊は宝厳寺の墓苑で休んでおられることと信じています。
一遍会には「真民」さんをご存知の長老の方やお世話された方も多くいらっしゃいますので例会の卓話で語っていただこうと考えております。「真民」さん、有難うございました。安らかにお休み下さい。南無阿弥陀仏。合掌。
(注)故坂村真民さんの宝厳寺のお墓は分りにくいので下記をクリックしていただくと、真民さんの略歴と墓碑と墓地への案内図が出ます。ご覧頂いて、お参りいただきたいと思います。
「南無阿弥陀仏 決定往生60万人」 「念ずれば花ひらく」坂村真民 氏 逝く (老衰) 享年 97歳
追記】(2006.12.19)
故坂村真民翁が『鳩壽』第一号で触れておられた「遺言メッセージ」を追記し生前のお姿を偲ぶことにします。
一つ・・・葬式はしない
 宝厳寺に第5番目の碑があり、その下に遺骨を入れるように設計してあるので、時宗のお経を唱え入れてもらいますが、葬式という形はとりません。骨は骨つぼにはいるだけで、あとの骨は、わたしの好きな海に散じてください。
二つ・・・香典・供物など一切頂かない
 これはわたしが尊敬する伊豆蔵福次郎さまにならいます。(わたしがうっかりしてお送りしましたら、御遺族が返されました。)そんあことのないよう、妻の場合もわたしと同じくと、決して送ってくださらないよう、かたくかたくお願いします。
三つ・・・お別れの会などしない
お別れの会など有形のものはしないでいただきたい。「(ぶな)になる」「飛天となり」という詩にも書いたように、わたしは天にいるのではなく、花咲けばそこに私が、鳥飛べばそこに私が、いつも皆様のそばにいるのです。
追記】(2006.12.23)
故坂村真民翁のご葬儀は「遺言メッセージ」の通り、お身内だけで宝厳寺で執り行われました。導師は住持の長岡興隆師です。
尚戒名は「詩国院朴阿真民居士」である。真民さんにピッタリの「人と為り」を表したものと共感されるに違いないでしょう。ご住持も気に入っておられました。
真民さんを知っていただくために、或いは真民さんを追憶していただくために、紀伊国屋書店出版のDVD「祈りの詩人 坂村真民<詩魂>」(4,300円)をお奨めします。詩の朗読は新劇俳優の加藤剛さんです。
1 『詩魂の源流』 41分   2 『すべての川は海に向って流れる』 52分   3 『光の森の祈り〜真民さんと山の子どもたち』 15分
4 『詩国』発刊第500号記念 第8回全国の朴大会 第172回朴庵例会 22分

鳩  寿  第 15 号 平成 17 年 9 月 1 日 発 行  抜粋
はじめに
 鳩寿第十五号の発行が遅れ、且つこういう形になりましたことをお詫び申し上げます。
 父が再びペンをとり原稿にむかう気力がもどることに望みを託し待っておりましたが、これ以上先に伸ばし続けることは、皆様に御迷惑をおかけするばかりと思い終結を決めました。
 詩国(鳩寿)の読者の皆様は、一般に言う作品を読む人ではなく、父を愛して下さる方々です。
 父が体調を崩しました後は、一層強く素晴らしい読者に見守られていることを実感致しました。
  皆様の心にきざまれた父の詩が、皆様の未来を開いてくれることを切に祈り、鳩寿を閉じたいと思います。ありがとうございました。 (娘一同)
長女 梨恵子さん、次女 佐代子さん、三女 真美子さん
後   記
鳩寿第一号にもふれていますが、父が現在心に決めていることを載せておきたいと思います。
一つ・・・・・葬式はしない
宝厳寺(ほうごんじ)に第五番目の碑があり、その下に遺骨をいれるよう設計してあるので、時宗のお経を唱え入れてもらいますが、葬式という形はとりません。骨は骨(こつ)つぼにはいるだけで、(骨つばは用意しております)あとの骨は、わたしの好きな海へ散じてください。
二つ・・・・・香典・供物など一切頂かない
これはわたしが尊敬する伊豆蔵福治郎さまにならいます。(わたくしはうっかりしてお送りしましたら、御遺族が返されました。) そんなことのないよう、妻の場合もわたしと同じく、決して送ってくださらないよう、かたくかたくお願いします。
三つ・・・・・
お別れの会など有形のものはしないでいただきたい。「になる」「飛天となり」 という詩にも書いたように、わたしは天にいるのではなく、花咲けばそこに私が、鳥飛べばそこに私が、いつも皆様のそばにいるのです。
詩国(鳩寿)の送料として皆様からお預かりしている分が残っています。
以前詩国の後記で、犬養道子著「一億の地雷ひとりの私」を紹介しました。
父がとても感動しておりましたので、まとめて犬養基金に寄付したいと思います。
こちらの独断をお許し下さい。
追  記
父の近況を簡単に記しておきます。
自宅(タンポポ堂)にて、日々を送っています。三月以降体調は一様ではありませんでしたが、現在は比較的落ち着いていると言えましょう。ほとんどの時間横になっていますが、一日三回起きて食卓につきます(移動は車椅子にて)。食事は介助無しでゆっくり時間をかけていただきます。しかし、水分補給の点滴も毎日欠かせません。五月以降ペンをとることはありませんが、言いたいことを言い、その記憶力に驚かされることが度々あります。
病院の検査で問題点は無いそうですが、残念ながら乾皮症は衰えを見せてくれません。
お医者さん、看護師さん、ヘルパーさん達に助けられ見守られながら、一日一日を大切に過ごしています。
ビデオ『坂村真民 詩魂の源流』『すべての川は海に向かって流れる』が合体し、詩国500号記念大会・全校51人の山の小学校との交流風景が付け加えられ、永久保存用DVD(105分)が発売になります。
詩集がついて定価4300円(税込)です。発売は11月上旬予定。
申込先=ぼるす出版 〒101・0061 東京都千代田区三崎町2の15の2 電  話   03-3556-9361 F A X   03-3556-9360

「鳩壽」第一号(2002年3月1日号) 抜粋
2 遺言について
 びっくりされると思いますが、これはいつか一度は書かねばならぬと思っていたことです。わたくしに男の子があれば、子供に言っておけばよいが、このことはわたしが書いて、皆さんに伝えておきたいのです。
 『詩国』 にはどうしても書けなかったので 「鳩寿」にはまずこのことを書き、わたし自身も軽い身になりたいと決意して載せました。
その意味で読み、実行して下さるよう願います。
 一つ ・ 葬式はしない
 宝厳寺(ほうごんじ)に第五番目の碑があり、その下に遺骨をいれるよう設計してあるので、時宗のお経を唱え入れてもらいますが、葬式という形式はとりません。骨は骨(こつ)つぼにはいるだけで、(骨つぼは用意しております)あとの骨は、わたしの好きな海へ散じてください。
  二つ ・ 香典・供物など一切頂かない
 これはわたしが尊敬する伊豆蔵福治郎さまにならいます。(わたくしはうっかりしてお送りしましたら、御遺族が返されました。) そんなことのないよう、妻の場合もわたしと同じく、決して送ってくださらないよう、かたくかたくお願いします。
  三つ ・ 妻のこと、戒名のこと
 妻はわたしより長く生きると思いますので、真美子と西澤孝一さんにお任せします。普通のお方と同じく葬式をしてもいいでしょう。ただ戒名だけはわたしが彼女らしくつけておきます。わたしの戒名もわたしらしくつけました。
      戒 名
   詩国院蒲公英朴真民   (居士号など不要です)
   徳光院愛真華久代     (大姉号不要です)
  四つ ・ その他は、また書きます
   新刊紹介
 致知出版社から「念に生きる」が刊行されました。
 私としては最後といってよいでしょう。扉書きしてお送りします。送料入れて 2,180円です。
賦算誌「詩国」を毎月ご発行、一度たりとも休刊されることなく、この2002年2月に第500号目発行
賦算誌「詩国」第501号目から改名し「鳩壽」第一号(2002年3月1日号)
朴から

朴庵例会の会長
稲荷喜久夫さんは
天国に行かれ
わたしは
朴(ほお)と別れ
(ぶな)と共に
旅して行くことになった
これはわたしの
新しい出発だ
お互い
夢を持とう
古国(ふるぐに)の
阿蘇の幣立(へいたて)神宮には
大宇宙大和神という
神がいられる
わたしの余生も
少ないが
夢だけは大きく持とう


百歳をめざせ
百歳を祈れ
人に笑われてもいい
夢は
大きい方がいい

白神山地の
林(ぶなりん)の
なかで
わたしは祈った

四国から
青森まで
飛んで行った
わたしの夢を
わかってくれた
(ぶな)たちよ
乾皮症とブナ(ぶな)たち

足の爪先から
頭の髪の毛
一本一本まで
烈しい痒みを越えて
烈しい痛みとなり
毎夜眠れず
ヨブ記の
ヨブ以上の
苦痛のあけくれ
観音経を
唱えながら
わたしが会得(えとく)したものは
ブナになることでした
しんみんさん
無(む)になれ
無(む)になれと
叫んでくれた
ブナたちでした
ああ白神(しらかみ)山地の
ブナたちよ
巻頭の詩
飛天となり
茜(あかね)*を連れて
飛天となり
娑婆(しゃば)の世界に
生きる人たちの
幸せを祈ろう
どうか皆さん
茜の雲が
浮かんだら
じっと仰いで
ください
真民さんは、「まだ小さかったお嬢さまおひとり」を亡くされたようです。
そのお嬢様はいま茜色のお召し物を召されてまるで菩薩様のような姿で、大勢のほかの水子さんと一緒に並んで、
横浜の朴積寺境内で静かにしずかに微笑んでいます。
真民さんは、この「茜ちゃん」を連れて飛天となるのだ、とおっしゃっている ようです。
湘南通信より引用