ふる里を 思いけるかな 母の顔 | 暗闇に 光る蛍の 舞い踊り | 冬なのに 風鈴が鳴る 風通し | ||
花水木 今満開の さんぽ道 | 見上げれば 大師見下ろす ふじの花 | 高台で 海を見つめる 夕日かな | ||
母の日に 今はなき日の 墓参り | 石鎚の 大輪が咲く 庭先に | 菜の花の 野山に広がる 美しさ | ||
走り梅雨 若葉のつゆに 水光る | 藤かごを ゆらす風あり うば車 | わが家に 運を呼び込む 燕かな | ||
池のもに かげにうつるは 遊び雲 | おじさんの 米寿の祝い にぎやかに | もんしろ蝶 花びらごとに 枝に舞う | ||
道後の雨 ぼつぼつと 蓮の花 | 森に来て 夏の暑さを 身におびぬ | 一瞬の ポーズ決まりて 風薫る | ||
秋の風 石鎚を背に ススキの穂 | 夏めくや 束子で洗う 寿司の桶 | 早春や 鏡に向かい 百面相 | ||
秋晴れの 一面に咲き コスモスが | 夕暮れに ススキの穂が かがやいて | 秋が終わり 一気に冬が 寒い朝 | ||
石鎚の 雲にかかるは 雪化粧 | お百姓の 鳥の被害に 泣き笑い | 菜の花の 心明るく 春が来る | ||
寒い朝 肩に冷える風 冷たい手 | 庭の木に 氷柱のカ−テン シャンデリア | 寒い夜 窓に舞い散る 雪の花 | ||
散歩道 水仙の花 匂う風 | 石手川 水もに浮かぶ 鯉の群れ | 番傘の 枝垂れ柳の 濡れ時雨 | ||
蕾でも きっと花咲く 紅の花 | 春深く 花も散りゆき 風の音 | 青春の 思い出ばなし 麦畑 | ||
目の見えぬ 母の手を引く 湯ぶねかな | 谷あいの ズラリと並ぶ 鯉のぼり | 枝垂れ梅 風に吹かれて 舞いあがる | ||
青々と 山の空気が 走る風 | 麦刈りの すぎゆく春を 吹き飛ばす | 朝焼けに 棚田の田植え 忙しさ | ||
向日葵の 高くそびえる 雲近し | 魚屋さん 何時もほほ笑む 恵比須顔 | 菊の花 浮かべて酒を 飲みほこす | ||
秋祭り 女神輿の 艶やかに | 秋の夜 声高く鳴く 鈴虫が | 舞う扇 胸に納めて 芸の道 | ||
畦道を歩く 冷たい風が吹く | 水仙が 風に揺られて 見ごろどき | 夢の中 小川を流れる 水の音 | ||
から綿の 中から種が 空を飛ぶ | 初雪や 光輝く 春うらら | 山里に 春を待つてる 土筆の子 | ||
雛祭り 子供の頃の 雛あられ | 春山の 笑いに解ける 水の音 | 北風に 帽子飛ばして 池の中 |
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藤本 西子 (Mrs. Seiko Fujimoto) 松山市溝辺町 (市之井出浄水場 南) | |||||||||