愛媛くらしの相談センター活動状況(2009年5月20日~2010年3月末)
- ■2009年度 相談者の状況
- 2009年5月20日から2010年3月末日までの相談者数は370人で、男性49%・女性51%で女性の割合が若干多く、特にここ2ヶ月は女性の相談者が圧倒的に多いのが特徴です。
スタートした5月、6月は月間の相談者が30人を超え、その後減少していましたが、10月は87人の相談者でこの一年での最大の相談対応を行っています。相談者の増減については、センターの広報・宣伝活動とも大きく関連すると考えられます。 - また、昨今の経済不況にともなう、厳しい雇用情勢にともなって、相談者が就職に関する悩みを抱えているケースが37件あります。就職に関する相談の糸口を提供していくことは、労働問題や金融(債務整理後の生活再建)、生活不安など、他の相談ケースの解決にも直結してくる重要な課題であると考えており、「ジョブえひめ 就労支援センター」開局することにより、来所者の悩みについてお仕事探しを含めて、包括的に解決のお手伝いをしていきたいと考えています。
- ■相談の解決に向けて
- 相談者からは、「どこに相談を持ち込めば良いのかが分からない」との問い合わせも多く、ネットワークを結んでいる連携機関の紹介や情報の提供等も行い、解決の糸口が見つかるよう対応しています。
特に、労働問題では、当相談センター相談室にて、連合愛媛(労働組合)の相談員にも同席をいただき、相談者にとってどうすることが最もベターなことか、共に考え方向性を見いだしています。また金融問題では、多重債務問題と生活保護申請等の問題が絡むことも多くあり、四国労働金庫や松山たちばなの会(クレ・サラ被害者連絡協議会)への取次や同行訪問などにより解決を図っています。 その他、生活困窮などからくる生活保護申請についても、四国生活保護申請支援法律家ネットワークやオープンハンドまつやま(ホームレス支援)等と協力しながら対応にあたっています。
- (事例1)
- ・20年間勤務してきた会社から突然「業績不振」により「解雇」を通告された40代半ばの男性。 妻子にも相談出来ず悩んだ末、思い切って当センターに相談。
- (相談対応結果)
- ・直ちに当センターの関連団体「連合愛媛」に呼びかけ「専門スタッフ」と相談者を交えて協議。 詳しい経緯を聞くうち「整理解雇」に必要な4条件を満たしていないと判断、一人から加入出来る 「ユニオン」に加盟して頂き、その代理人として「専門スタッフ」が会社と「団体交渉」に臨んだ結 果、会社側は「解雇」を撤回。以降社員の家庭内事情を最大限尊重する旨の確約書を取り結 ぶ迄に至った。
- (※4条件について)
- ① 人員整理の必要性 ② 解雇回避努力義務の履行 ③ 被解雇者選定の合理性 ④ 手続きの妥当性
- (事例2)
- ・生活苦と住宅ローンで消費者金融からの借金が膨らんでしまった30代主婦。夫の給与も減り続けこの先どうしていいか途方に暮れているとの相談。
- (相談対応結果)
- ・「取引履歴」を精査した結果、「利息制限法」を超える金利を支払っていた事が判明。当センター関連機関の「四国ろうきん」の専門スタッフと協議の結果「債務整理」の一つである「任意整理」を選択。現在の債務残高がほぼ半減したところで、「四国労働金庫」の「低利まとめ融資」によって従来の借金を返済。月々の返済が「各段と楽になった」との事。
- (事例3)
- ・20歳代の娘が学生時代の「サークル仲間」に誘われ、気がついたら「美顔器販売」の会社に連れて行かれ1台数十万円もする「美顔器」購入と「○○会員申込書」の書類にサインしてしまった。
- (相談対応結果)
- ・当センターに来所頂き詳しい話を聞いてみると典型的な「マルチ商法」である事が判明。「特定商取引法」に定める「契約締結の際の書面交付義務」が果たされておらず、且つ「美顔器」そのものの「引き渡し」も完了していない為、「契約の解除」または「取り消し」が可能であると判断。相手方本社宛てに「契約解除」「取り消し」に基づく「代金返還請求」を「内容証明郵便」にて送付。支払った全額を取り戻す事に成功。