ユニークなフォルム


塗装前


手頃なサイズがうってつけ

潜水母艦「迅鯨」

◎潜水母艦「迅鯨」のプロフィール
第二次大戦の第一線で主力戦艦が活躍した背景には、影の戦力となった補助艦艇群を忘れることはできません。本艦は「長鯨」とともに本格的潜水母艦として建造されました。しかし、潜水艦の発達(性能向上のこと)にともない速力などで旗艦として能力不足となり、後の「大鯨」「剣崎」にバトンタッチされました。
大戦中は母艦として、また輸送などに従事、昭和19年10月10日米軍機の攻撃により沖縄方面において沈没。同型艦「長鯨」は終戦時、大破状態で現存し復員輸送任務に従事、昭和21年に解体されました。
◎実艦データ
類別:潜水母艦(潜水艦への弾薬、魚雷、燃料、糧食など生活用品の補給及び潜水戦隊の旗艦任務)
同型艦:「迅鯨」「長鯨」計2隻
◎主要要目
基準排水量/5,160トン
公試状態排水量/7,678トン
水線長/123.0メートル
最大幅/16.15メートル
速力(公試)/18.0ノット
備砲/14cm主砲2×2、8cm高角砲1×2(後に25mm連装機銃2基に換装)
完成年月日/大正12年8月30日

◎モデル製作において
まずスタイルについて、特に人間様においてはスタイル云々は禁句でありますが、本艦もその例にもれず、どのアングルから見ても一部重厚さが感じられるときありますが、スマートさは全くありません。実艦における本来の目的により艦型はいたしかたのない事ですが、それがRC搭載にはうってつけです。長さに比べて幅が広く、おまけに深さも充分にあり、1/200では走航のための持ち運びが楽で手頃です。
しかしスピード面では物足りません。また、巡洋艦や駆逐艦のように艦尾波を巻き上げて走り回るわけにもいかず、またプロペラ径も小さく、実艦の計画速力も16ノットの低速で、モデルにおいても押さえています。
なお、本モデルは大正末期より昭和初期の状態を、1/200スケール、全紙製で再現したものです。製図面は詳細部は省いてあります。この「迅鯨」型も各出版社より鮮明な写真や解説が多くあり、参考にさせて貰いました。

旧日本海軍の補助艦艇(妥当な呼び方でないかもしれませんが)において、その種別の多いことは海国日本ならではと思いますが、その中でRC搭載可能で比較的小さく、ユニークなものを2、3モデル化の心算りで、その1が「迅鯨」となりました。(剣崎や大鯨は有事の際には速やかに空母へ改造できるよう当初よりその計画で建造されており、大型のものが数多くあります。)