ミリ単位の誤差も出さぬよう、細心の設計


重量の関係上、構造物には薄手の画用紙を使用


ギリギリでRCメカ収納スペースを確保

駆逐艦「初春」型

駆逐艦「初春」型、200分の1、全紙製。本モデルをもって、RC搭載の限界とし、駆逐艦クラスの制作は一段落としました。
RC搭載の試みとして、「秋月」型、「島風」型、「夕雲」型、「初春」型と、年代順には逆のモデル化となっております。
実艦において、「特」型以後の艦隊型駆逐艦としては、艦型も最小(水線長105.50m、最大幅10.00m)で、他と比較した場合、ややその迫力に乏しく、一考しましたが、200分の1としては、今まで手がけたことがなかったので、製作のはこびとなりました。
RC装置は三和ミニプロポ、動力はABCホビーのマイクロ・モーター、逆転スイッチで前後進、2軸中1軸のみ駆動と、前作「夕雲」型と同じ仕様ですが、艦型が小さいだけに、その分を電源に配慮しました。
先の「島風」では、受信機用電源で失策をしましたので、今回はいちおう受信機用に単5(4本6V)、動力用に単4(2本3V)としました。
製作過程においても、収納箇所変更等もなく、浮力テストもOK、順調に完成のはこびとなりました。
さて、いよいよ寒風をついての走航テスト。片軸のみの駆動のため、少々の傾斜がありますが、吃水、スピード等は良好でした。なお、走行時の傾斜程度が心配でしたので、舷窓はあけておりません。
モデルは25mm連装となっておりますが、実際は開戦後(昭和17〜18年頃)40mm単装より、25mm3連装に換装されたようです。
舷外電路は未装備の状態となっております。艦尾付近までの舷側部のフレアは、ちょっと工作に気をつかうところですが、これがモデルにおいては、船体強度を増すのに効果があるようです。
最初にも述べましたが、これで200分の1の駆逐艦におけるRC搭載の試みは打ち切りとします。
表現がオーバーなようですが、実のところ、200分の1駆逐艦では、メカ収納のための内部区画壁等の配置は、ミリ単位の誤差も許されません。もちろん余分なコードはカット、上部構造も、この「初春」型にいたっては、ほとんどが薄手の画用紙となっており、塗料の量にも気を配るといった具合でした。
収納・重量関係で、受信機等はカバーをはずしたり、回路を分ける等で、多少の工夫はきくとは思いますが、結局、電源の重量差がいちばんの問題で、電池容量としては、かなりの無理をしております。今回の「初春」の場合、受信機電源に用いた単5電池では、連続使用は5分余りです。