第5回  トップダウン訳

前半(通訳テキスト)
 1 シャドーイング
 2 トップダウン訳の基本テクニック 
 後半(英文資料)
 3 トップダウン訳応用練習
 

 最初に課題に出していた英文でシャドーイングをしてもらいました。かなり長い文章でしたので受講生の皆さんも苦労されていました。家庭学習の方法を一人一人に聞いてみて分かったことですが、シャドーリーディングにかける時間が少ないようです。シャドーリーディングの段階でかなり読み込んでいなければ、シャドーイングではスピードに意識を奪われ、イントネーションや個々の発音がいいかげんになったままで発声してしまい、いくら練習しても弊害の方が大きくなります。(シャドーイングの指導でもっとも注意すべき点です。)
 シャドーイングの段階では、個々の発音よりイントネーションやリズムを大切にして発声します。

 課題の後は、テキストに沿ってトップダウン訳の基本テクニックを指導した後、簡単な練習問題をしました。
内容は、It is ・・・that・・・. , It is ・・・to do. in order to do、不定詞、so ・・・ thatやbefore, after, untilといった条件的要素の処理方法など。

 後半は、応用問題として制限時間を設けて英文を読み、センスグループに区切った後トップダウン訳をしてもらいました。この英文は倒置あり、省略あり、独立分詞構文ありと、かなり手ごわい相手でしたが、英文の構文を分析するのではなく、内容理解を第一に考えて読み下してもらいました。速読速解の習慣を身につけてもらうためです。

感想
英文を読むとき、もっと一語一語に気を配って発音する習慣をつけなければならないと思いました。
 
→シャドーリーディングの段階で、しっかり・丁寧に発音しておきましょう。シャドウイングを効果的なものにするために。
TOEICでも読解が苦手な私には非常にありがたい授業でした。中学生に英語の指導をしていますが、どうしても高校入試を意識して「後ろからの訳」をさせてしまいます。
 
→理解する時は、トップダウンで理解させ、訳を書く時には日本語らしく書かせるよう指導すればいいと思います。
文を意味のまとまりごとに区切って、速読速解に慣れていきたいと思います。読解のレッスンでは、「倒置」と「省略」が難しいと感じました。
 
→倒置や省略はあくまで文章を合理的、かつ分かりやすくするためのものなので、素直に読み下していけば理解できるはずです。
短いセンテンスだと理解できても、長くなると訳し方がむつかしくなってしまいます。
 →文脈の中で意味を捉え、代名詞は必ず具体的な名詞に訳す習慣を身につけてください。
トップダウン訳出法や仮定法の話は、目からウロコ状態でした。難しい文でも耳から聞いても理解できるようになると楽しくなると思いました。
 
→文法知識は基礎的なもので十分で、語彙力を増やせば英文の理解はできます。あとは、速読速解力を高めれば英文を楽しむことができます。