第1回  リスニング力アップ

1 日本語シャドウイング   
2 英文音読スピード測定   
3 サイトラによる内容理解   
4 日本文の音読。   
5 英日、日英同時通訳練習   
6 場面設定通訳及び区切聞きリピーティング練習  

 最初に、ウォーミングアップとして日本語ニュースのシャドウイングをしました。内容はタリバンに対するムシャラフ大統領の姿勢に関するものでした。後半、集中力が続かず言いよどむこともありましたが、特に問題もなくクリアーしていました。
 その後、受講生全員の音読スピードを測定しました。リスニング力向上のためには、「自分の音読スピード」を知る必要があるためです。教材は、手元にある、英文の社説を使いました。内容は、2008年オリンピック開催地決定のニュースです。初回の教材としてはレベルが高いのですが、この講座のレベルを知っていただくためにあえて選びました。基本的には音読1回でほぼ内容が理解できる英文教材が適当でしょう。初回なので、特に音読スピードを高めるためのコツとリスニングのコツを指導しました。
 続いて、フレーズごとに区切る練習も兼ねてサイトラで内容理解をしました。英文自体のレベルが高いので、皆さんかなりてこずっていたようです。
 次に、日本文の音読。英文はそのままでもいいのですが、日本文は各文の終わりを話し言葉の「です、ます調」に変えて読みます。たとえば新聞では、「北京は、・・・開催都市に選ばれた。」となっていますが音読する時には、「北京は、・・・開催都市に選ばれました。」とします。また音読する際に、もう一つ注意することは「単に文章を読む」のではなく、「人に語りかけるように読む」という点です。人がスピーチをしたり、プレゼンをしたりするのを通訳するのですから、常に「語りかけるように話す」姿勢を忘れてはなりません。
 日本語の音読というと、「日本語だから当然うまく読める」と高をくくっている人もいるでしょうが、それは大きな間違いです。自分でははっきり話しているつもりでも案外いいかげんな発声になっているものです。受講生に読んでもらったものを録音して、一人一人の発声をチェックしました。後で英日の通訳をするので、しっかりと音読をしておく必要があります。  前半最後の活動として、英日・日英逐次通訳をしてもらいました。もちろん、初回ですのでうまくできないことは承知していますが、この通訳をとおして「自分にはどの能力・技術が足りないのか」を自覚してもらうためです。リスニング、リテイン、ボキャブラリー、スピーキングなどの技能の中で、自分が重点的に勉強しなければならない分野を把握していただければと思います。

 後半は、テキストに沿って場面設定通訳練習や区切聞きリピーティングをしました。
 場面設定通訳は、スピーチを使い、「全体通して聞く→リピート→センテンス訳出→日英通訳」の順で練習します。
次回は、単語のクイック・レスポンスとリピーティングをします。宿題として、クイック・レスポンス練習と音読課題文を読み込んでくるよう指示しました。

感想
高度な教材となり、気持ちを引き締めてがんばろうと思います。自分の声を客観的に聞くのは恥ずかしいですが、大切なことだと思います。
日本語や英語を話すときに、自分では気づかなかった癖や欠点を指導していただけるのでありがたいと思います。通訳する時に、余計な言葉をなくすようにしたいと思います。
語彙力不足を痛感しました。日頃から英語のニュースなどを聞くように心がけたいと思います。
初めてマイクを使って話したので、緊張しました。
久しぶりに緊張感のあるひと時を過すことができました。このレッスンは間に合わせの勉強ではついていけそうもないので、地道に努力を続けたいと思っています。