第9回  メモなし英日逐次通訳

課題
 1 タスクリスニング
 2 ワーズ&フレーズ
 3 英日スラッシュリーディング
本時
  1 数字聴き取り
  2 メモなし英日逐次通訳


 今回は、まず日本経済のGDP予測下方修正のニュースで、出てくる数字を聴き取り、その数字の表す内容を述べてもらいました。成長率や個人消費の伸び、設備投資の減少などを表す数字でした。
 マイナス成長率のところで、
"minus 1.3 percent"
となっているのは聞き取れるのですが、
"contraction of 3.5 percent"
と表現されると同じ内容でも手ごわいですね。
 また、ニュース英語らしく同じ表現を避けており、「〜が原因で、〜の影響により」というところは、
"due to, in response to, as a result of"
と変化をつけて表現していました。
 さらに、「経済の予測、見通し」では、
"projection, prospective, outlook"が使われていました。こういった単語は、例文と一緒にまとめて覚えておくと便利です。
 経済記事を読む上で覚えておきたい役職名として、
「竹中平蔵経済財政担当相」
"the state minister in charge of economic and fiscal policy"
がでていました。こういう役職名は、まとめて覚えることも必要ですが、なかなか一度には覚えられないので、ニュースで目にしたときにその都度しっかり覚えておくことが大切です。 
 後半は、初めて聞くニュースを使って「メモなし逐次通訳」に臨んでもらいました。この訓練は、単にリスニング力を高めるためのものではありません。ある程度まとまった英文を聞き、その内容を頭の中で保持(リテイン)し、さらに日本語で再生しなければならないので、リテンションと集中力を高めるのに効果的です。リスニングで「ブレイクスルー」を体験したい方には、ぜひ取り入れてもらいたい学習法です。
 このレッスンで「メモなし逐次通訳」したのは初めてだったのですが、かなり精度の高い逐次通訳ができていました。ニュースにしてもスピーチにしてもスキーマーを駆使し、どのようなメッセージを伝えようとしているのかを考えながら聴き取ることが大切です。
 生徒の皆さんは、思ったよりしっかり聞き取れて、日本語での再生もスムーズにできたので、この通訳訓練法によるレッスンの効果を実感していました。
           感想
 「メモなし英日逐次通訳」は、初めてでしたが2回聞くとほぼ内容は把握できていました。予備通訳講座での音読訓練やシャドーイング、リピーティングといった練習法のおかげで、英語のスピードと音声変化に慣れてきたためだと思います。
 以前から、「未知の単語があってもその音を聞き取り、文脈を考えたりや背景知識使って単語の意味を予測できるようになればしめたものだ」と思っていましたが、徐々にそういう感覚がつかめてきました。これまでの学習効果が自分でも実感でき、とてもうれしく思います。通訳方式を信じてやってきた甲斐がありました。ありがとうございます。