作品No07
「あ〜かったる〜,なんでもうすぐ卒業なのに学校なんて行かなきゃ なんねーんだよ。」 今日は昨夜の徹夜で麻雀が響いたため頭がくらくらして 学校に行く気はもともとなかったが,よりいっそう行く気になれなかった。 そもそも進路が決まり,来年から社会人になる俺に学校なんて必要ないんだ。 しかも今日は週の始めの月曜日。あと土曜日まで数えたら5日は行かなくては いけないのに,体力なんて残っていなくて頭の中は昨日の国士無双であがった 喜びでいっぱいだった。 校門に差し掛かると何故か皆,俺の方を見ている…… (なんだなんだ,何で俺の顔見てるの? ) 男は俺のほうを見ていないのだが,女は俺のほうをずっとみていて しかもチラシみたいなものと俺を見比べている――なんか変だな 俺はこんなことはイケメンなお方か変質者ぐらいしかされないものだと思い, あたりを見回し,ある人が校門の前でチラシを配っているのを見つけた。 アイツだ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!! 「てめぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!! 」 俺はチラシを配ってる男の胸倉をつかみに行き持ち上げた こいつ,俺の知らないヤツ……なんでこんなことを? ふと落ちたチラシを手にとり見てみるとこんな見出しだった 「 こいつが彼女のハートを奪った張本人だ!!! 」 うわ,俺の入学式の時の写真を拡大してるし……ってか,彼女って誰? 俺,彼女いないんだけど……え……まぁこんなこと言ってても始まんないや。 ってか何でこの人がこんなことやってるの? 俺,この人全然知らないんだけど…… でも,何かむかつくし聞いてみることにした。 「あんたなんでこんなことしてんだよ!! 」 「違います! 怪しくないです 誤解です! 」 はっきり言って充分怪しい。ってか怪しすぎる。 こんな寒い日にタンクトップとランニングタイツだし 何故か昔の刑事ドラマみたいなグラサンかけてるし おもったより老けてるってかよぼよぼだし――結局誰なんだろ? 「ところであんた誰に言われた? 」 「エル先生って方がに言われてやらされました…グスン 」 グスンっていいおじいちゃんが子供の前で泣くなよ ってか鼻水でてるし……,エル?あ,英語の先生じゃねーか!!! あの人授業中に日本語知らないって英語で言ってたぞ だけど,このじいちゃんが言ってるんだからそうなのかな? ……あ〜〜もうわかんね〜とりあえず,エル先生のとこ行って来るしかね〜 「わかった,泣くなよじいさん。とりあえずこのティッシュやるから 鼻水かめよ。あと,このチラシくばんじゃねーぞ!! 」 そういって,俺はなんだか怪しいなって思っていたが でも,行かなきゃわかんね〜ってことで職員室に行った。 「こんこん,失礼します。Hi!Mr.elu. 」 「あ,おはよ。どうしたの? 」 え!?日本語で返しやがった……しかもやたら悠長な日本語だ 昨日日本語しゃべれないからこれから覚えていきたいですって 英語で言ってたじゃねーかよ!! ・・・ 俺は混乱しながらもエル先生に,日本語で話し掛けた。 「あの〜,さっき校門のじいさんが俺の変な噂が書かれてるチラシを 配っていたんですが,あれってエル先生がやったんですよね? 」 「あぁ,あれね。ごめんね。実はね,youの担任にやれって 言われたのね。だから私関係ないね。ごめんね。」 ね,が多いよエル先生……え,担任だって?!あの冴えない担任が? また,これは信じられない事だ……そんなに仲悪い先生ではないのに…… わけわかんねーよ!!!!! 俺はじいさんの話とエル先生の「ね」が多い話がぐっちゃになって 混乱し,頭を抱えた。はたから見れば馬鹿なやつとしかみえないだろう でも,俺にとっては考え事する時はいつもこんな風に頭を抱えているから いつもの事だった。 きーんこーんかーんこーん♪きんこんかんこん♪ は!こんな風に悩んでいるうちにHRの時間になってしまった。 とりあえず,教室に行けばわかるはずだと思い,俺はエル先生に 「話をしていると「ね」が多いよ」と注意してあげ, クラスに走っていった。 「よーしじゃあ出欠とるぞ。赤井。井川。内田。…… 」 「すみません!!先生と話をしてたら遅れちゃいました!! 」 「遅いぞ〜,ちゃんと時間を見て行動しなさい。」 「すみません」 出欠がようやくとりおわり,先生も全員出席していて気分がよかった そりゃそうだよね。このクラスって誰か一人絶対休むもん でも俺はとにかく,先生にすぐにでも聞きたい事がある あのチラシは何のために?その事しかなかった。 俺の事はともかく彼女ってどいつだよって感じだ…… そんな風に不思議そうに感じていたら, 「え〜今日は一日かけて皆で話しあうことがあります」 はぁ?なにさ?一日かけてはなしあうことってさ? もしかして,俺がここの壁を蹴って壊した事? でもそんなことはもう,謝っているし……なんだろ…… 「みんな,今日校門で配られた写真と記事の事は覚えていますか? まずあの記事のことを詳しく話をします。実はね,みんな卒業まじかで 学校って来る意味なんてないんじゃない?って思ってないか? そんなことを思っている生徒はかなりいるはずだ。それをどうにか 考えを改めさせたいと思っていた時にな,学級委員長の祇園寺さんから 相談されたんだよ。明人君に告白したいんですがどうすればいいのかとね だから,この企画をやることにしました。」 おいおい,ずいぶん手の込んだことしてくれるじゃねーか。 しかも祇園寺っていったら眼鏡かけてて,いつも本読んでる真面目な女だ。 その子が何故に俺なんだ?ってかさ,そういうのを先生に相談するとこが 祇園寺らしいな。ホントに真面目ってか馬鹿だな。 俺は何故祇園寺が俺の事が好きなのか考えながら話を聞いた。 「話し合いって言うか多数決をしたかったんですよね。祇園寺さんと 明人君が付き合うべきかを。当然明人君に拒否権はないです。 みんなの意見がこの二人の人生を決めるのだぞ。真剣に考えれよ。」 「は?!ふざけんなよ!!こんなこと俺が決める事だろうが!! 」 「はい明人君口出ししない。」 俺は先生に鎖で巻かれガムテープで口を抑えられた。 「じゃあ,とりあえず皆も考えずらい事だし祇園寺さんの 愛の告白タイムと行きますか〜〜〜!!!! 」 のりのりだな……あんな先生見た事ね―よ。ほんとに告白するのかよ!!! はずかしくないのかよ!!!ってか俺の権利は…… あそこまでやられて口答えしないなんて祇園寺もホントに馬鹿だな…… 何か祇園寺が眼鏡を外して話そうとしている 「あの……明人君が前に誰かと話しているとき,眼鏡の子とは付き合えないと 言っていたので……外して話します。私は明人君の笑顔や寝顔や いやらしい本を見てる時の満足げな顔を見てると夜も眠れなくて…… 実は言うと私,明人君の全てが見たくてストーカーしてました!!!! 」 告白じゃねーし,むしろ爆弾発言だ……ストーカーしてたって!!!! 気づかなかった……じゃあ夕べ麻雀してたのも見られてたのか…… おとついの夜中まで女と電話してたのも聞かれてたのか…… そんなとこまで見られてたのか…… ってか眼鏡外した祇園寺って結構色っぽい……違う違う!!! こんなことを考えていると,祇園寺が恐ろしい人に見えた。 「じゃあここらへんでみなさんの挙手を求めます。この二人付き合って 結婚まで行っちゃっうべきだと思う人。てぇあげろ!!!! 1,2,……満場一致ですね!!!!おめでと〜〜〜〜〜〜〜!! いや〜最後に皆にいい思い出が出来ましたね!クラス討議で婚約者を 決めるなんて例がないですよね!!!こんな光景に立ち会えて先生感激です さぁでは,祇園寺さん!!明人君のガムテープを外して愛の口ずけを! 」 おいおい,まじかよ!!先生こんなんで泣くなよ!! 祇園寺これでいいのかよ!!!一生後悔するぞ!!!! でも,髪を掻き揚げて眼鏡を外した祇園寺って結構イイかも… ってそんなこと言ってる場合じゃね〜!!!!!! 「おい,落ち着けよ,こういうのはゆっくり話しあって決めよう…な? 」 「私我慢できない!!!! 」 マジか〜〜〜〜〜!!口が着いちゃう着いちゃう〜〜〜〜〜!!! でも,これでもいいかも…… 完璧に口と口がつながり唾液の交換がされてしまった…… じりりりりりりりり〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!! 「……え,ここどこ?って家じゃん……待てよ……祇園寺は? 先生は?みんなは?……そっか夢か……でもそういえば あんな形で思いで残すのは嫌だけど学校って 思い出作れるいい場所かもしんね〜な 」 玄関を出て今日も遅刻しそうになりながら,学校まで走る (でも,祇園寺と付き合ってもよかったな……) そう考えてると祇園寺が自転車で横から出てきた。 「あ,明人君!!昨日は……よかったよ。ちゅっ!! 」 俺はその言葉と頬の口ずけを貰った時,夢でない事を確信し 事実である事を受け止めた。昨日の事を夢でみるなんて…… 昨日の事だと覚えてなかった俺って…馬鹿? 今日は厄日だ…… END |
18点(30点満点)
・コメディ好きなんでいい感じっす♪
・せ、青春野郎めッ…(謎
。ちょっと出来じたいに自信ないです
(作者コメント)
・すげぇバカなノリ(褒め言葉 こういうの大好き。惜しむらくは文章の構成力が足りないことか……
・軽いノリは悪くないんですが、少し読みにくいかな。
もう少し文章を練ると良い感じかと