作品No01
テーマ「扉、孤独」
一体どういうことだろうか? 俺は目の前の扉を蹴破りながら考えた。俺の目の前には…再び扉が立ち塞がっているのだ。 俺は自分の蹴破った扉の向こう側を振り返る。 扉一つ隔てた向こうは風が吹き荒ぶだけの真っ白い空間。そして俺の今立っている空間は大雨の空間だ。 かれこれ俺は一時間くらいこれを繰り返している。 たった一人、たった一人でだ。 喫茶店のトイレに入り、そこから出ようとしたらいきなり水の中に居た。そして目の前には黒くアンティークなつくりの扉があったのだ。そして現在に至るのだ。 扉を超えるごとに、俺の身体は自然の力によって弄ばれ、ボロボロになっている。雷に打たれそうになったり、雪に体の熱を奪われたり、クラゲに刺されたり。魚のえさになりそうだったり。プテラノドンに連れ去られたり。熊に襲われたり。鳥になったように空を飛んでいたり 一体なんなんだこの空間は!!? 生まれてから色々あったが…こんな経験は初めてだ。 いや…そうでもない気がするのは何故なんだろう… なんにしても俺は元の世界へ帰るために、何の罪もない扉を再び蹴破った。 次の空間は…なんだここ? オレンジ色の粘膜で覆われた球体の中に俺は居た、その外は赤い液体に包まれている。たまにおたまじゃくしのような生物が居ることから、ここが卵子であることが分かった。 うじゃうじゃと生理的に嫌悪感を催すほどの光景だが、鼓動の音と呼応するそれらの動きが妙に心地よく感じる。 その内の一匹が俺の居る卵子の中に入ってきた。それは繊毛を巧みに使い膜を潜り抜けると俺の元へ来た。 それは光の粒子となって四散し、それが扉に変化した。 俺は直感した、これが最後の扉だと。 今まで一人で、たった一人であらゆる者を見てきた、そしてこれから開ける扉の意味を理解した。 俺がたった一人でこの空間…いやページを通りぬいた意味。 俺が最後の扉を潜り抜け、やっとの事でたどり着いた場所。 それはたった一人で歩き出さねばならない道のスタート地点だった。 新たな生をその身に受け、俺はまだまだ扉を開け続ける。 限界は見えるはずもない、回廊への扉を…今『再び』蹴破った。 |
12点(20点満点)
・テーマの使い方に意外性があって、なおかつ絵と文章のコラボレーションが絶妙だと思いました。
・イマイチ訳がわからないです・・・
・内容的に少々難しい。もう少し文章量の情報が多ければよかったかもしれない。
・状況が全く持って分からないです(作者談)
・少し説明不足かな。折角文章と絵の両方で表現しているのだから、もう少し何とか。