作品No06
二人の子供がかちゃかちゃ音を立てて、何かで遊んでいるのを見つけた。 私は気になって覗き込むと、昔懐かしの人形を手に、箱の中に物を入れておままごとをしているのが判った。 「ごはん出来ましたよー」 「おお、そうか。それでは、いただきまーす」 人形を器用に動かし、いすに座らせた。 よく出来てる。私は苦笑した。私の頃にはそんなに動かなかった。おもちゃも進歩しているのか……。もう一つ、苦笑する。 「……ごちそうさまでしたー」 「おそまつさまでした。――それじゃあ、こんどは何をしますか?」 一つ一つ、はっきりした音で、子供は言った。 楽しそうだな。私は思うと、顔を上げた。子供の母親だろうか、私を見ているのに気付いた。 私は軽く会釈すると、その場を後にした。 河原を歩いているときだった。一台のキャンピングカーを見つけた。 やはり気になった私は、それを少し遠目に見ることにした。 車から少し離れたところに、兄弟が遊んでいるのが見えた。兄弟は追いかけ回ったり、水を掛け合ったりしていた。 親は少し離れたところで、それを笑いながら見ていた。時に、ぱちりぱちりと写真を撮っている。 少しすると、兄弟は揃ってびしょぬれになり、母親の元に駆けた。母親は早く着替えないと風邪引くわよと言って、車からタオルを取り出すと、兄弟に放り投げた。タオルは空気抵抗を受けて、すぐに落下する。 それを見た片方は、素早く手を伸ばして、見事にキャッチした。もう片方もそれを奪おうと手を伸ばすが、身を交わされ、つんのめった。 母親は後ろのそれが判るのか、笑いながらドアを開けると、ぱたぱた音を立てて乗り込んだ。 私の位置からは、車の中は見えない。ただ、入り口が玄関のようになっているのが見えた。 車内から騒がしい音が何度となく響いた。 なんだろう。そう思うと、母親が服を持って出てきた。兄弟はすぐに母親に駆け寄る。服を投げられては堪らないと思ったのだろう。母親はほらっと言って、兄弟に服を手渡した。 私はそれを見ると、さっき耳にしたのは引き出しの音ではないかと思いついた。そうすると、もっと違う物も沢山ありそうだなとも思った。 車も小さな部屋。そう思うと、何故か口元が緩んだ。 私は一息入れると、口元を直し、その場を去ろうと足を動かした。…と、陰に誰かが見えた。一人の中年ぐらいの男性だった。男性は少しくたびれた格好をしている。きっと父親だな。私は思うと、再び足を動かした。 しばらくし、私は家に帰ると、今日見たものを日記に書くことにした。 おままごとをしている子供に、河原で遊んでいた家族に、その他色々……。 まとめて、面白かった。そう私は記した。 ぱたん 私は日記を閉じて背伸びをすると、一つ耽ることにした。 色々な時、色々な場合……皆、自分の空間を作っているようだった。 |
19点(35点満点)
・これは未完でしょうか?題とのつながりが分かりにくいので点数減らし。でも浮かんだイメージは綺麗だったのでその分加算w
・テーマには合ってると思いますが、いまいちインパクトが弱いかなぁと。
・未完……なのかな? そうでないとするとちょっと弱いかも。
・部屋=空間。
・文章節がぶつ切りな感じでテンポはありましたが、格調がもう少し欲しいところです。
・淡々とした文章の中に虚無感が見え隠れするようなしないような…(ぇ
・何か不思議な感じがします。これは一体?