作品No06
詩集「青い海」より 「旅人」 ゆらゆらと ゆらゆらと ゆらゆらと 海の中を漂いながら 潮の流れに身を任せながら 長い長い旅をしている それは小さな瓶 この広い大海からすればちっぽけな瓶 でもその中にはこの海にも負けないような 大きな大きなものが詰まってる まだ誰にも空けられたことがない瓶は いつか誰かに空けられることを夢見ながら 色んな海を旅しながら ゆらゆらと ゆらゆらと ゆらゆらと 流れていく 大きな、 大きな 青い海を流れていく 「怪物」 今日1人死んだ 先週2人死んだ 先月5人死んだ 多くの戦士達が挑んでいく あの怪物に挑んでいく そしてあの怪物に殺される 殺されて喰べられて 骨一本、髪一本戻ってこないことだってある それでもなお 怪物を倒すために挑んでいく 戦士達は自分の力と誇りをかけて挑んでいく あの大きな青い波の怪物に挑んでいく 「死」 何百年も 何千年も 何万年も 変わらなかった海 でも、その海は今 汚れ 傷つき 病んで 海は死んでしまった かつて大空を賑わしていた風の旅人達はいない 海の中で輝いていたさまざまな宝石たちもいない あれほど輝いていた海の青さはもう無い 人の傲慢さが 人の身勝手が 海を殺してしまったんだ もう2度と生き返らない あの豊かな青い海は死んでしまったから 「波」 押し寄せ 引いていく 激しいときもあれば 穏やかな時もある 心地よい音色を奏で 誰もがおびえるような音を出し 海からの贈り物を届け 陸から大切なものを奪っていく その繰り返し 永遠に繰り返し 波はずっと繰り返す 【FIN】 |
33点
・「死」が秀逸でした。 ほんとうに、うまいと感じさせるものがありました。 それ以外は、平凡でしたね(笑) 他の時間を「死」につぎ込んだ方が善かったかもw
・料理の仕方とか結構面白かったです
・「旅人」が一番良い感じがします。4作品それぞれに点をつけてその平均ということで・・・♪
・インパクトが弱いというか…印象に残りにくいカンジなのが残念です。
・静かなイメージで情緒豊かでした
・少し読み流してしまう感があるかな、1本に絞っての方が良い気もします。
・海のいろんな姿を捉えた良い作品だと思います。 特に「死」が一番良いですね。
・詩集からって有りますけど、自作ですよね? 怪物が、何かお気に入りです。生活の糧を求めて怪物に挑んでゆく勇者たちの姿が浮かぶようです。