LHR-2BREU3のレビュー 2012/11/03

価格.comのレビューでは2500文字までという制限があり、書ききれなかったので、詳細をこちらに書いておきます。

【画像について】

本体に傷が入っているように見えるのは、最初に貼られている保護フィルムを剥がしていないため、フィルムに光が反射して傷のように見えているだけです。


背面の左上の丸いスイッチはモードを変更した後、長押しをして確定させるボタンです。左下の青いスイッチはPCとの電源を連動させるかどうかを切り替えるスイッチです。この場所には普段は蓋をしておきます。
背面の右上の穴は、盗難防止用の金具を止める場所です。

【購入理由】
本機以外で候補にしたのは、MAL-3335SBKU3とRS-EC32-U3Rです。
MAL-3335SBKU3は、いろいろなレビューを見るとファンがあまりにも煩そう。
RS-EC32-U3Rと本機で非常に悩みましたが、こちらの掲示板ではレビューもまだないため、人柱として購入してみました。
楽天経由で、いろいろな割引などを使って、6000円を切った価格で手に入る日にみつけてしまったのも決め手でした。

【検証環境】
CPU:A10-5800K BOX
マザー:FM2A75M-DGS
メモリ:TED316G1600C11DC 8G×2
HDD:ST3000DM001×2
O S:Windows 7 Pro 64bit

【付属物】
ACアダプター、固定用ハンドル2個、取り付けネジ4本、ネジ取り付け用ドライバー、USB3.0ケーブル(1m)、eSATAケーブル(1m)、マニュアルです。
アプリケーション等は一切ありませんので、RAID故障時にメール通知を行ったりは出来ません。
RS-EC32-U3Rにこの点でかなり負けていることになるとは思います。
写真撮り忘れました・・・・

【設置】
付属のハンドルをHD1個につき2個のネジで取り付け。
ハードディスクを本体に指す。
ACアダプター接続。
電源連動機能を設定。(初期設定で無用なトラブル回避のためにOFFにしました)
POWERボタン→RAIDモード選択→設定ボタン→自動電源OFF→電源ON→数秒で構築完了。
ここまではPC不要。
あとはPCに接続して通常のHD同様にフォーマットして利用開始です。
これらの設定はマニュアルに詳しく書いていますので、とても簡単に設定できます。
マニュアルは適切な図解入りで、非常にわかり易いですね。

気をつけることとしては、RAIDモード選択した後にすぐに設定ボタンを押さないとキャンセル扱いになります。
誤操作防止のためですね。設定ボタンも長押ししなければ利きません。また普段は押せないようにカバーがついています。

設定後、本機の電源を入れてもHDD1とHDD2のLEDが数秒後に消えてアクセス不可に陥ることがあります。
これは、設定後にフォーマットを行わずに電源をOFFにした場合に、RAIDが正常に認識できないためだと思います。
最初は電源連動をOFFにして設定を行い、PCでフォーマットが完了してから電源連動をONにした方が確実です。
いろいろテストしているうちに、一度だけこの現象が起きて、そういえばフォーマットしなかったのを思い出しました。その時は相当あせって涙目になっていました。何度も電源を入れなおしてもHDDのLEDが消えるのですから、びびりますよ。
この現象が出た場合はもう一度モード設定からやり直せば、大丈夫です。

【スペック】

マザーにHDを単体でSATAで直付けの場合はRead,Writeとも200MB/sのHDです。


シングル USB3.0ではRead167,Write181


RAID1 USB3.0ではRead162,Write179(シングルに比べて殆ど劣化なし)


RAID1 eSATAではRead199,Write192(マザーにポートがないためSATAからeSATAに変換するケーブルでマザーの内蔵ポートから直接接続)


RAID1 USB3.0 XFast USBではRead199,Write191(ASRockのXFast USBを使用)
eSATAの価値があるかと思っていたのですが、XFast USBを使うと、eSATAと同じ数値に・・・

使うことはありませんがRAID0も計測してみました。

RAID0 USB3.0ではRead173,Write181


RAID0 eSATAではRead211,Write196
あまりスピード出ませんね・・・

【音】
FANの設定を自動か手動に切り替え出来、自動なら温度によって3段階(OFFを入れて4段階)に切り替え可能です。
FANが最大の時はさすがに音が気になると思いますが、1段目と2段目は気にならないですね。
1段目は1m離れると聞き取ることは不可能かもしれません。
自動モードで通常運用する分には最近のHDなら熱をあまり持たないので、1段目までしかいかないと思います。
CrystalDiskMark使用中も1段目のままでした。
最近のHDを使う分には熱や音を心配する必要はなさそうです。

【電源連動】
PCの電源に連動するかどうかのスイッチがありますので、オンにして検証してみました。
電源OFFやスリープにすると、本機も休止(電源がオレンジ)状態に入りました。
電源ONやスリープから復帰すると、本機の休止が解除されましたので、連動機能のタップなどで運用しなくても問題ないようです。
ただ、休止状態なので、長時間使用しない場合は電源オフや連動タップでの運用が望ましいとは思いますが。

【故障時の対応】
接続しているハードディスクに障害が発生している。もしくは、RAID構成が正常でないな場合に、ERROR LED(×の形状)が点灯します。
ためしにRAID構築後1個はずしてみましたが、その場合は点灯しませんでした。(接続していない場合は無条件でつかないようです)
自動リビルドが正常に機能するか確認するために、外したHDを電源を入れたままで指したところ、何も操作しないでも自動リビルドがはじまりました。この状態の時はERROR LEDがついていました。
通電状態で何らかの異常があればERROR LEDがつくようです。
リビルドは1:00にセットして8:00に様子を見たところ完了していました。
ちなみにリビルド中もファイルアクセスは可能でした。(リビルド中に新しいファイルを追加して、後から取り付けたHDを取り外してマザーボードに直接接続してみても、そのファイルはちゃんと存在しました。)
3Tでも、一晩でリビルドは終わるので、ファイルアクセスは控えた方がよいとは思いますが。
マニュアルには1Tで10時間~15時間と書いてあるので、ひょっとしたら格納しているデータ量に依存するかもしれません。
テスト的に2ファイルしかない状態でも数分では終わらなかったので、ディスク全体に対して処理を行っているとは思いますが。
最近のHDの性能がよくなって3Tでも一晩で終わるのではないかと見ています。
NAS(大抵はLINUX)と違い、RAID1で構築していて、仮に本機が壊れてもマザーにSATAで直付けすれば普通にみれますので、LINUXの知識がなくてもデータのサルベージが直ぐにできるのは良いと思います。

【消費電力】
アイドル時:14~17W
負荷(CrystalDiskMark使用)時:20~21W
休止時:1W(ワットチェッカーでは1W未満は計測不可)

【気になったこと】
USBで接続したにも関わらず、シングルモードで2台使用することが出来ませんでした。
コンピュータの管理→ディスクの管理にも1台しか表示されない。
アクセス出来ているのはHDD2(向かって右側)でした。
ためしにHDD1(向かって左側)だけにした場合は、ちゃんと認識していますのでHDD1側の故障でもなさそうです。
ひょっとしたら、eSATAでマルチポートプライヤ対応の場合しかシングル2台は無理かもしれません。私の環境の問題かもしれませんが、原因不明でした。
シングル2台運用目的で本機を購入する人はいないとは思いますが、ちょっと気になったので書いておきます。

USBで運用している場合のみですが、USBでの無線キーボードとマウスが時々固まります。(反応しなくなる)
HDには何もアクセスしていない状態でもです。また何のタイミングでなるかも分かりません。
有線では問題ないようです。
Logicoolのunifyingでドングル1個でキーボードとマウスを使っていると起こりました。
ドングル2個つけて、個別にキーボードとマウスを割り当てるように変更した所問題解決しました。(1、2時間使用していても問題発生せず)
とりあえずは解決したので良しとします。ポートが1個余分にふさがってしまいましたが・・・

【注意事項】
eSATAはホットプラグ非対応。
eSATAでシングルモードで2台使用する場合はPC側のポートがマルチポートプライヤに対応している必要があります。
モード変更時(シングル→RAID)は、データはすべて消えますので、RAID構築をしたい場合は最初から2台のHDを用意しておく必要があります。
RAID1からシングルに変更した場合はデータは消えていませんでした。
HDDとの転送,PCとの転送、どちらもSATAは3Gです。6G対応ではありません。SDDでも使わない限り6Gの必要はあまりないかもしれませんが。

【良いところ】
ファンが静かなところがいいですね。
マニュアルは非常に見やすいと思います。
誤操作でモードが切り替わってデータが飛ばないようにスイッチのところにカバーついていて普段は押せないようになっているのは、気が利いていると思います。
USB3.0だけではなく、eSATAにも対応。(USB3.0のスピードがかなり良いので、eSATAの出番は・・・)
NAS(LINUX)ではないので、万が一本機が壊れてもHDが生きていれば、マザーに直付けでアクセス出来るのは楽。

【悪いところ】
監視用のアプリがないため状態を確認するにはLEDしかない。そのため奥まったスペースに置くわけにはいかない。
私の環境の問題かもしれませんが、RAI0にしても、劇的なスピードアップにはなりませんでした。RAID0は使わないので問題はありませんが。
デザインが良いとは言えないです。

【総評】
RAID故障時の通知がLEDだけでメール通知がない(そもそも監視用アプリがない)のが、RS-EC32-U3Rに比べ劣っています。個人的にはこれが一番マイナスポイントです。
しかし将来アプリがホームページ上で公開なんて期待も多少あったり・・・
私の環境では、USBでの運用でシングル2台が認識しなかったこと(原因不明)と、USBの無線キーボードとマウスが固まる問題はありました(解決方法はあった)が、eSATAでは特に何も問題なさそうです。
私の環境の問題の可能性は否定できませんが、RAID0のスピードは、かなり期待外れでした。
ファンの回転数がOFFを含めて4段階。最近のHDなら熱がないので1段目しかいかない。そのため、かなり静かなのはいいですね。
(深夜生活音のない状態で1m~2m離ると1段目の音を聞き取ることは出来ません)

XFast USBを使うとUSBがeSATAと同じスピードにまでなったのには驚きました。(本製品のレビューとは関係ないですが)
USBで使うかeSATAで使うか、悩んでしまいます。