よくみる疾患

膀胱炎

排尿時痛・頻尿・尿混濁を三主徴とし、女性に多く発症します。急性膀胱炎の場合、大腸菌を原因とすることが多く、ひどい場合には出血を伴うこともある。殆どの場合は細菌性であるため、起因菌に対して感受性のある抗生剤を使用することで改善が得られます。

前立腺炎

急性のものと慢性のものがありますが、急性期のものは症状が強く、排尿障害、発熱、残尿感が出現することから、比較的自覚症状もでやすいので異常に気づきやすいのですが、慢性期では会陰部の不快感、血精液症(精液中に出血をみる)など痛みとかを伴わないため長い間放置されている場合が多いようです。原因は細菌性の場合は感受性のある抗生剤を使用することで改善が得られますが、慢性期の場合は原因により完治が難しし場合も多いので、急性期で治しきることが肝要です。

尿道炎

病原体が尿道内に進入して炎症を起こしたもので、排尿時痛、尿道より膿の漏出などで気づくことが多く、淋菌、クラミジアを原因とする性的接触の後出現するものが近年増加傾向にあります。一般雑菌が原因となることもありますが、起因菌の特定は重要で、特に前者を原因とする場合は感染経路が絶たれない限り完治しません。最近、合成抗菌剤に対して耐性をもつ淋菌の率が上昇していますが、薬剤の選択を間違えなければ完治できる病気です。

前立腺肥大症

中年以降の男性で、排尿障害(なかなかでない・尿勢が弱い・時間がかかる・切れが悪い・残尿感がある)や夜間2回以上トイレに起きることなどで自覚し、病期が進むと実際に排尿した後に残尿が残るようになり、ひどい場合には尿がでなくなってしまうこともあります。軽度の場合は薬で改善しますが、薬を使っても残尿が残る場合は、ベッドに1時間ほど寝ているだけで手術が終わってしまう、前立腺高温度治療もかなり良い奏効率を認めます。重症のものは経尿道的前立腺切除術が適応になります。

腎盂腎炎

膀胱炎が先行する場合が殆どですが、膀胱炎と違う点は発熱、腰背部痛、(食欲不振、嘔気)を伴うところで細菌が腎盂まで到達して症状を出していますから、この細菌が血液の濾過を行う腎臓から、全身に細菌が拡がる危険性もはらんでいます。重症の場合は安静と強力な化学療法(抗生剤投与)を必要とします。

前立腺癌

中年以降に発症し、男性の前立腺に癌が発生するもので、症状は前立腺肥大症とよく似ています。血液検査でPSAと呼ばれるマーカーが上昇しますが、前立腺肥大症や前立腺炎でも上昇することも多く経験しますので、専門医に受診し適切な診断を受けるようにして下さい。末期のものでは骨に転移することが多く、昔は整形外科から紹介されることが多かったのですが、マーカーが鋭敏に反応するので、松山市でも成人病検診の項目に入りましたし、早期で発見されることも多くなってきています。

尿管結石

結石は通常腎盂内で形成されますが、大きくなってはげ落ちると尿の流れにのって尿管内で停滞し、尿流を妨げ拡張を来たし鈍い痛みが出現します。また尿管は腸管と同様に蠕動運動をしており、この筋肉が結石の刺激により痙攀を起こすと、疝痛発作と呼ばれる何者にも例えようのない痛みにおそわれます。この痛みは結石の大きさには関係がなく、例え1mmの直径の結石でも起こるときには起こります。10mm以下の結石では自然排石する事も多いので、利尿をかけ投薬にて経過観察をしますが、不動のものでは体外衝撃波による破壊や尿管鏡により治療する必要性が生じます。

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