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あらすじ
生まれは遠州森町、父親は腕の良い瓦職人だった
が、石松四歳のおりに他界する、以来母子三人の
貧しい生活が続くが九歳の夏、川泳ぎの最中に岸
辺の木枝で右目を突き片目となる、それに加えて
生来の吃りの癖があり、こうしたコンプレックスから
自然心身共に荒んでゆくようになる、そうした石松
の先行きを案じた母親や、親戚縁者達の諌めの言
葉にも耳も貸さず各地の賭場を渡り歩く流れ者にな
って行くが、ふとした事で次郎長と出会いその盃を
受け二十八人衆の一人に加えられる、乱暴だが生
来の単純さと愛嬌の良さで一家の者達に可愛がら
れ次第に次郎長の信望をも受けその名代として讃
岐の金比羅宮に代参する事になる、
無事代参を終え帰途に就いた石松は久しぶりに遠
州 浜松 小松村の七五郎を尋ね一泊の宿を請う
七五郎は次郎長の身内ではないが郭縁の間柄で
陰に日向に次郎長を支えてきた人物である。
遠州一帯で余り人望の良くないそのくせ狡猾な遺
り口で広く縄張りを広げていた都鳥一家の吉五郎
は石松が代参帰りに身に付けていた香典の預か
り金三十両に目を附け騙し取る事を画策、その口
車に乗せられて貸して仕舞う事となる、約束の日
に指定場所に出向くが音沙汰無く返って都鳥の
差し金でその若い者に闇討ちに合う、事態を悟った
石松は一旦七五郎の家に引き返し傷の手当を受け
引き留める七五郎夫婦の言にも耳を貸さずそのま
ま一人で仕返しをすべく 閻魔堂に引き返すが、多
勢に無勢のうえ次郎長より封印せられた長脇差し
を抜く事も出来ず無惨に惨殺されてしまう。
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配役
森の石松 嶌田 浩
清水の次郎長 八束 正
大政 八束 健
小政 弓立 計太
桶屋の鬼吉 和泉 誠泰
七五郎 加藤 正人
お民 平村 美喜子
おれん 八束 愛子
みやこ鳥 吉兵衛 弓立 光貞
常吉 長井 仁
留吉 弓立 清弘
原作 村上 元三
脚色構成 仙波 浩康
演出 仙波 規孝
座長 八城 秀樹
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