讃 歌4 





愛は、ほどほどがいいなと高耶は思う


溢れ出しそうなほどあると、いつか愛を忘れてしまいそうで


愛があることさえ、解らなくなるかもしれない



反対に少ないと


愛を求めて恨んでしまいそうで


愛があることさえ、見えなくなってしまうかもしれない


どちらにしても、それは怖い


愛は疲れてしまうものだと、高耶は知っている


ほどほどが一番だと思うのに……


いつも穏かに笑っていられる


そんな愛がいいと思うのに


忘れる暇もないほど


目を閉じる暇もないほど


愛をそそぐ男がいる





「疲れないか?」


ある日、そんな風に聞いてみた


何に、とは言わなかった


けれど男はすぐに解ったらしく、苦笑した


「それがね全くと言っていいほど、疲れないんです」


何故か解りますかと逆に問われ、高耶は首を振った


「私が愛をそそいだ分だけ、あなたが返してくれるからですよ」


二人の間で愛が廻っているんです……





冬も間近の秋の夕暮れ


頬をなぶる風は冷たく


木々の葉は数えるほどしか無かったけれど


繋いだ掌は、とても暖かく


高耶はバラ色の空を見上げ


「明日も天気になぁれ」


と、小さく呟いた







管理人自己満足意味不明型散文Part4(爆)でございました…



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