讃 歌3 





最近、悟ったんだが……




オレはかなり律儀な性格だったらしい





何を今更と、譲には笑われたけど


自覚が無かったのだから仕方が無い


どこがかって言うと……


借りたものは必ず返す


約束は守るもの

だから、守れないことには頷かない


いったん自分がやると決めたことは、


それこそ石に噛り付いてでも、やり遂げる


売られた喧嘩はのし紙付けて、丁寧に倍返し


ん?何か違うけど…まぁいいか……





そんなんだから、返せないモノを受取るのは


……………苦手だ





あいつから貰うモノは、返せないモノで


しかも、返し方が解らないから困る


"愛してます"の言葉に、オレはどうしたらいいんだろう…


「好き」の言葉は返せても


「愛」という言葉は、オレには重過ぎる





通りの街路樹に、白い大きな花が咲いていた


踏んだら割れそうな板ガラスのような


どこまでも青い夏空の下


花は大きく花弁を開け


その姿を陽にさらす





あぁと、ふいにオレは納得した


愛は受取ればいいのだと………


何も考えず、呼吸をするように静かに


けれど、大切に受取ればいいのだと





愛が花になるその日まで………




















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