友人のA君が病を患ってから久しい。
入退院を繰り返しながらも、新薬の投与や友人の支え、持前の気力などで頑張っている。
彼が言いだしっぺで、今治の郷土料理「いぎす豆腐」を、ご当地出身の居酒屋のおかみに作ってもらい、「いぎすの会」と称して、気の合う仲間で一杯やっている。
亡き母親も波方町(現今治市)の出身で、子供の頃、夏休みや慶事があると、母親の実家でよく食べさせられた。
正直言って、子供心にあまりおいしいとは思わなかった。今、改めて食してみると、磯の香りと独特な舌触りがあり、子供の頃と違って美味である。 しかも、カロリーが少なめで栄養満点である。
それもそのはず、今ではあまり採れなくなった海藻の「いぎす」を煮て、生大豆の粉を加え、寒天のように固め、その中にむきエビや人参、枝豆などをいれたもので、手間ひまのかかった贅沢な郷土料理である。
年末に、郷里の沖縄から帰松した大学の恩師と、A君を囲んで久方ぶりに飲んだ。おおいに盛り上がった。
今年は寅年。 いよいよ還暦。 何かいい予感がする。
新たな気持ちで頑張りたい。