H21.3

 1年で一番寒いといわれるのが大寒の頃である。
 大師寺恒例の大寒行は今回で4回目の挑戦になる。
 日頃から親しくしていただいている住職に声をかけていただき、寒行の後の芋粥や甘酒を楽しみに、今まで寒行見学だけは何度かさせていただいた。
 サウナの後の水風呂にさえ入ることができなかった寒がりやの私が、まさか寒行をすることになるとは夢にも思わなかった。
 今から4年前、いつものように寒行見学に出かけ、玄関の所で白装束姿の高校の先輩に出会った。「寒いのにご苦労様です」と挨拶すると、「見るだけじゃだめよ!田坂君もやらないと」と言われ、咄嗟に「はい、やります」と後先も考えずに返事をしてしまった。
 後の祭りである。当然のことながら、心の準備も何の準備もしていない。住職に褌を借り何とか乗り切ったものの、本音を言うと滝に打たれている間、あまりの冷たさに息もできないくらいであった。
 それが今ではすっかりやみつきになり、その日を目標に身体を鍛えている。「心頭を滅却すれば火もまた涼しい」の逆バージョンであるが、寒風吹きさらす中で、無の境地で行う大寒行も実にいいものである。
 皆さんも是非挑戦されてみてはいかがでしょうか。


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