毎年決まったように、年末ジャンボ宝くじをお付き合いで10枚だけ買っている。12月31日抽選、翌日の元旦の新聞に当選番号が出る。ほとんど可能性がないとわかってはいても、新聞で照合するまでは胸が高なるものである。
今までの最高は、残念ながら6等の3,000円である。
4年余り前、ある会で「宝くじ高額当選者のその後」をテーマにした卓話があった。宝くじに高額当選して、いきなり大金を手にすると生活が急変し、追跡調査で幸せになっていないケースが多いというような内容だった。
その話を私と並んで聞いていたAさんが、声を潜めて「内緒やけど、僕もつい先日、1億円当たったんですわ」と、私の耳元で囁いた。真面目で地味なタイプのAさん。今まで通りの質素な生活振りだったが、1年後に病気で急逝された。
あの話の後だけに、何とも妙な感じがした。
自分に置き換えた場合、生き方がどう変わるだろうか。自分では多分変わらないとは思うが、多くの方が自分を見失っているということは何なんだろう。そこが愛すべき人間の弱さであろうか。そうはいっても、お楽しみ程度の年1回のお付き合いは続けていきたい。