現代社会は何かとストレスが多い。私の周りにも心の病いを抱えている人、以前に何らかの経験をしたことがある人などたくさんいる。
そういう私も、今から14年ほど前に、仕事のストレスに加え、一生の大事業といわれる自宅の新築が重なって、体調をくずしたことがある。
異常にのどが渇き、人に会うのが億劫になり、人前で話す機会が多い仕事にもかかわらず、その事が苦痛でしかたなかった事がある。軽い自律神経失調症のようであった。
家内も私の異変には薄々は気づいていたと思うが、私自身、家族にあまり心配をかけたくないということもあって、ごく自然に装っていた。
いつも心が晴れず、何とかしなければいけないというあせりもあって、朝早く起き、半年ほど温泉にも通ってみたが、これもいまひとつだった。
結局は、車で走っている時に見かけた神経クリニックに飛び込み、専門医の先生に診ていただき、話をじっくりと聴いてもらったことがよかった。
先生は、「私も学会などで話をしないといけない時には、緊張しやすいたちなのでいつも服用しているんですよ」といって、軽めの安定剤を出してくれた。
交感神経と副交感神経のバランスがくずれた時にこういう症状が出るそうで、温泉もいいが、それ以上にウォーキングが良いということをお聞きした。半年あまりで、ありがたいことに何ごともなかったようにすっかり良くなった。
今、市役所の職員や、知り合いの企業の社員、教育現場の先生方の間にもうつ病をはじめ、この種の病気を患っている方が増えている。原因で最も多いのは、上司や同僚などの人間関係やストレスといわれている。
今や、「メンタルヘルス」はまさに時代のキーワードと言っても過言ではない。各職場において、予防効果の期待できるメンタルヘルスケアの体制造りが急がれると思う。