Q&A10
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Q10  数年前、亡父の所有していた農地を含む不動産について、兄弟3人で法定相続持分1/3の共有で相続しました。
 しかし、農地については、地元に住んでいる長男の自分が耕作もしているので、今回二人の弟の持分を私に権利移転(買取り)するために、「共有物分割請求」の訴訟を提起したいと考えています。
 農地の権利移転は、農地法で制限されていると聞きましたが、可能でしょうか?
 なお、現在、私が耕作している農地は合計で約3,000uです。
A10  農地の所有権移転については、ご指摘のとおり農地法によって、原則として農業委員会の許可が必要です。
 しかし、3条1項の但書によって許可不要のケースが示されています。
 数年前に、兄弟3人で遺産分割によって所有権を取得した時は、3条1項7号に該当しますので、農業委員会の許可は不要でした。
 
 ところが、今回予定されている「共有物の分割請求」は、農地法3条1項1号から10号に規定される許可不要のケースに該当しませんので、原則どおり農業委員会の許可が必要になります。

 また、農地法では3条2項5号で、権利を取得しようとする者の農地下限面積の規定があり、5,000uに達しない者は、農地の権利移転を受けられないことになっています。
 貴方はこの下限面積要件を満たしていませんので、農業委員会の許可が受けられないことになります。

 なお、貴方以外のご兄弟が農地に係る持分を放棄した場合には、権利移転は可能と思われます。