顔面痛

顔面の痛みは、顔面の知覚を支配している三叉神経の圧迫や炎症によることが多く、大きく分けて特発性三叉神経痛とその他の三叉神経痛に分けられます。

特発性三叉神経痛とは、三叉神経が脳幹から出てくるところで血管に圧迫されておこると考えられています。しかし、特発性三叉神経痛の患者さんの5~10%に脳腫瘍(類上皮腫、髄膜腫など)がみつかることもありますので、頭部MRI検査をうけておいたほうが無難です。
症状は、しばしば歯磨き、洗面、食事などが引き金になって、顔に非常に短い刺すよう、あるいは電気が走るような痛み発作がおこります。顔面の知覚はふつう正常です。
治療としては手術(微小血管減圧術といって神経を圧迫している血管を神経からはがす)、神経ブロック(三叉神経を局所麻酔薬あるいは神経破壊薬でブロックする)、および薬物療法(てんかんの薬でカルバマゼピンが有効)があります。

その他の三叉神経痛では、水痘ウィルスで起こる帯状疱疹や細菌による副鼻腔炎によるものが多くみられます。
前者では抗ウィルス薬の投与や星状神経節ブロックが奏功し、後者では抗生物質や抗炎症薬が用いられます。

たぼ麻酔科クリニック