ペインクリニックでよく用いる神経ブロック

1. 星状神経節ブロック

のどには星状神経節といって、頭・顔面・首・肩・腕などを支配している交感神経が集まる、いわば"神経の中継所"のようなところがあります。この星状神経節の近くに局所麻酔薬を注入し、交感神経を一時的に遮断するのが星状神経節ブロックです。
交感神経は緊張すると血管を収縮し血行を悪くするので、星状神経節をブロックすると脳の視床下部や下垂体の機能が改善され、全身の血液の循環やホルモンの分泌が正常化すると考えられています。これによって、身体全体の自然治癒力が高まり病気が改善してゆきます。
このブロックの適応疾患としては、肩こり、頚肩腕症候群、むちうち症、顔面神経麻痺、非定型顔面痛、耳鳴り、花粉症、アレルギー性鼻炎などがあげられます。

2. 硬膜外ブロック

硬膜は脊髄を取り囲んでいる一番外側の膜です。その硬膜と黄色靭帯の数ミリの間隙に局所麻酔剤やステロイドを注入することによって、知覚神経や交感神経をブロックします。
硬膜外ブロックの最もよい点は交感神経がブロックされることで、末梢の血管が拡張し血行が改善され自然治癒力を増します。
このブロックの適応疾患としては、頚椎症、頚椎椎間板ヘルニア、帯状疱疹後神経痛(肋間神経痛)、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎すべり症などがあげられます。

3. その他の神経ブロック

顔面の痛みに対する三叉神経ブロック、後頭部痛に対する後頭神経ブロック、肩の痛みに対する肩甲上神経ブロック、腕の痛みに対する尺骨神経ブロック、腰痛に対する椎間関節ブロック、下肢痛に対する坐骨神経ブロックなどがあります。

たぼ麻酔科クリニック