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越智鈴穂（TOSS中学／ＪＨＳ坊ちゃん）
味岡秀将さん。愛媛県新居浜市出身。20歳を過ぎてからピアニストの道を志した。幼児期から始めなければ大成は不可能と言われるピアノを始め、努力の結果、わずか３年でコンサートを開けるまでになる。現在、東京都を中心にコンサート活動をしている。コンサートでは、「一生懸命な姿に励まされた」「味岡さんの生き方に感動をした」「もう１度夢を追いかけたい」という感想がたくさん寄せられている。夢を持ち、努力することの大切さを伝えたい。
１．授業の流れ
味岡秀将さんの写真を提示する。
説明１ 味岡秀将さん。現在32歳。中学時代、駅伝大会で３位。高校時代、走り幅跳びで県１位になりました。
発問１ 味岡さんは、今どんな仕事をしているでしょうか。予想をしてノートに書きなさい。
説明２ 高校を卒業した味岡さんは、地元の設計会社に就職しました。仕事は充実していました。でも味岡さんの心には、「自分の人生はこのままでいいのだろうか。」という思いがつきまといました。 ２０歳のとき、味岡さんはある出会いをします。
上園賢一さんの写真を提示する。
説明３ ピアニストの上園さんとの出会いです。味岡さんは思い切って上園さんに自分の思いをぶつけました。上園さんは黙って味岡さんの話を聞いてくれました。そして返事のかわりに、ベートーベンのソナタを弾いてくれたのです。
音楽を流す。
説明４ 穏やかな中に押し寄せてくるような激しい情熱のある音楽に、味岡さんは魂が揺さぶられる思いがしました。
曲が終わったとき、味岡さんの迷いは消えていました。
発問２ 味岡さんは、ある決意をします。何でしょうか。
１．自分もピアニストになろうと決意した。
２．今の仕事に打ち込もうと決意した。
３．新しい仕事を探そうと決意した。
説明５ 味岡さんは、ピアニストになろうと決意しました。自分がほんとうにやりたかったことは音楽だということに気がついたのです。
発問３ 味岡さんはこのときどれくらいピアノが弾けたのでしょうか。
１．全く弾けなかった。
２．少し弾けた。
３．上手に弾けた。
説明６ ピアニストになった人は、幼いころからピアノを始め、１日に何時間もの練習を積み重ね、音楽大学に進んだりコンクールで入賞したりしている人です。それでも、人に認められて活躍できるのは、ほんの一握りという極めて厳しい世界なのです。
味岡さんは、全くピアノが弾けませんでした。でも、仕事をやめ、東京に向かったのです。そして、上園さんにピアノを習うことになりました。
説明７ 大人になってからピアノを始めた味岡さんの指は動きません。メロﾃﾞィーは分かるのに自分の指が思うように動かない苦しさ、もどかしさ。
発問４ 味岡さんはどのような練習をしたのでしょうか。
説明８ ピアノの上達に魔法のような練習方法はありません。味岡さんは生活の時間以外は、ずっとピアノに向かいました。アルバイトのたった15分の休憩時間でさえ練習をしたのです。その努力が実り、ピアノを始め３年後、ふるさと新居浜市でコンサートを開けるまでになったのです。
説明９ コンサートは大成功でした。ショパン、チャイコフスキー、ドビュッシー。音楽大学の学生でも、これだけ覚えて弾くのは大変だろうといわれる曲を何曲も演奏しました。
演奏のＶＴＲを流す。
説明10 味岡さんは、こう言っています。「毎日、自分のベストを尽くした。その積み重ねで十年が過ぎた。夢を持ち、努力を続ければ必ず道は拓ける。」
今、味岡さんは東京を中心にコンサート活動を行っています。
指示１ 授業の感想を書きなさい。
２．河田孝文先生、槇田健先生からのご助言
ＴＯＳＳ道徳＆食授業作りセミナー（2005．2．26 にぎたつ会館）で行った模擬授業をおこなった。
授業後、講師の河田先生、槇田先生よりアドバイスをいただいた。
授業の流れがスムースだった。
味岡さんが、どんな努力をしたのか、ＶＴＲなどで努力の過程を伝えられるとよい。（文責：越智）
３．生徒の感想
教室で授業をした後、感想の代わりに味岡さんへ手紙を書かせた。
味岡さんへ手紙を送ったところ、生徒に励ましの手紙をいただいた。詳しくは→
※資料などのお問い合わせは 
《参 考》 越智鈴穂：『生徒がジーンとなる”働く姿から生き方”を考える話』（明治図書）,ｐ94