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『たったひとつのたからもの』(文藝春秋刊)より。生まれつき心臓に障害を持ちながら懸命に生きた加藤秋雪くんやご両親の愛情を伝えることにより、生きることのすばらしさや大切さを伝える。奧清二郎氏の追試。
1.授業の流れ
発問1 あなたは何歳まで生きられたら幸せですか。
発問2 平成4年10月19日、加藤さんご夫婦のもとに神様からのプレゼントが届きました。
何だったと思いますか。予想してノートに書きなさい。
説明1 赤ちゃんです。秋雪ちゃんと言います。
10ページ、16ページの写真を見せる。
説明2 お父さんとお母さんはとってもとても喜びました。 でも、1週間後、秋雪君はダウン症という障害があることがわかりま した。その上、心臓にも重い障害が見つかりました。
発問3 秋雪君はどのようなことを制限されたでしょうか。〜をしてはだめ。というような書き方 で書きなさい。
説明3 心臓に負担がかかるため、大泣きさせてはだめ。胸を圧迫するのでおんぶはだめ。虫歯を作ってはだめ。風邪を引かせてはだめ。 運よく生きても1歳の誕生日を迎えるのは難しい、といわれました。
発問4 秋雪ちゃんは1歳の誕生日を迎えることができたでしょうか。できたと思う人?できなかったと思う人?
説明4 秋雪ちゃんの1歳のお誕生日の写真です。
29ページの写真を見せる。
発問5 お父さんは、 山が大好きでした。秋雪ちゃんを山に連れて行ってあげたいと思いました。願いはかなったでしょうか。
39ページの写真を見せる。
説明5 かないました。雪の谷川岳です。雪と遊ぶ秋雪ちゃんです。
100ページの写真を見せる。
発問6 お母さんは海が大好きでした。秋雪ちゃんに波と遊ぶ楽しさを教えてあげたいと思いました。お母さんの願いはかなったでしょうか。
137ページの写真を見せる。
説明6 波と遊ぶ秋雪ちゃんです。
発問7 命の危険を乗りこえて、秋雪君は5歳になりました。5歳のとき、お母さんをおどろかせることが起こりました。何だったのでしょう。ノートに書きなさい。
説明7 自分の足で立ったのです。
説明8 運動会では、先生に支えられて一歩ずつゆっくりゴールしました。
156、157ページの写真を見せる。
説明9 秋雪ちゃんは6歳になりました。
148ページの写真を見せる。
説明10 この冬、風邪を引いた秋雪君は、1月3日、体調が悪化し小児医療センターに向かいました。主治医の先生がいてくれてホッとしたのもつかのま、到着後30分で秋雪君の胸はピタッと動きを止めました。 6年間全力で動きつづけたかよわい心臓はもう限界を迎えていたのです。
発問8 お別れのとき、お母さんは秋雪ちゃんに「よくがんばったね。」と語りかけました。秋雪ちゃんががんばったことは何だったのでしょう。どんなことでもいいから、一言書いてごらんなさい。
説明11 お母さんの言葉を紹介する。
169ページより、お母さんの言葉を紹介する。
170ページよりお母さんの言葉を紹介する。
説明13 秋雪くんが亡くなったあと、お母さんはある雑誌で写真を募集しているのを知ります。応募した秋雪ちゃんの写真はテレビのCMに使われました。
明治安田生命のCMを見せる。
語り1 人の幸せは、生きた時間の長さではなく、どれぐらい命を大切にし、懸命に生きたかによって決まるのではないでしょうか。 たった6年間だったけど、多くの人に見守られ、与えられた命を精一杯生きた秋雪君から学んだこと、命について考えたことなど、今日の勉強の感想を書きましょう。
2.生徒の感想
人間は、精一杯一生懸命生きて、楽しかったら幸せだと思う。ぼくは、この秋雪ちゃんが出ているドラマを見ました。ぼくとお母さんはドラマが終わりの方で2人で泣いてとても感動しました。
写真の秋雪くんはとても幸せそうでした。それも、秋雪くんのお母さんとお父さんのおかげだと思います。もし、秋雪くんのお母さんやお父さんが秋雪くんを外に出さず家に閉じこめていたら秋雪くんの命はもっと短かっただろうと思います。秋雪くんが楽しく幸せに過ごせるよう努力したお母さんとお父さんはすごいと思いました。秋雪くんもがんばったと思います。
本当の幸せは何歳まで生きるかという問題ではなく、一日一日を精一杯生きることなんだと分かりました。私も、秋雪くんみたいに一日一日を精一杯生きていきたいと思います。秋雪くんは精一杯生きることで、たくさんの人に生きる希望を与えたのだと思います。
今日の勉強で、幸せをつかむにはずっと生きるのではなくて、毎日毎日を自分でしっかり生きることで決まると秋雪ちゃんは教えてくれたのだと思います。
ぼくは今まで好き勝手に生きてきて、幸せなんか考えたこともなかったです。だけど、この秋雪くんの話を聞いて、ぼくの幸せって何だろうと思いました。
きょうの授業で生きていくことが幸せだと思いました。秋雪ちゃんは生きていくことの大切さを教えてくれたんだと思います。
今、ここにいることが人間の幸せだと思います。今、どんなに辛くても悲しくても、今、生きていることが幸せだとぼくは思います。
秋雪くんは6歳という早さで亡くなったけど、どんなときも幸せだったと思います。人は生まれるのも、生きるのも、死ぬのも、どれも幸せです。秋雪くんの話はつらいことや悲しいことが多かったけど、どことなく心があたたまるとてもいい話でした。
《先行実践》奧清二郎氏
《参 考》加藤浩美:『たったひとつのたからもの』(文藝春秋)