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啓林館『数学1年』p88。方程式(過不足)の利用の問題。2003年箱根合宿において、向山洋一氏が、「どこ模」をされた伝説の授業。いきなり方程式を立式させ、ことばの式、線分図と流している。生徒の実態に合わせ、発問・指示を加えて修正して追試した。
1.教科書の例示問題を読み、条件を確認する
指示1 教科書の88ページを開けなさい。例題2。「何人かの生徒にカードを配ります。5枚ずつ配ると12枚余り、7枚ずつ配るには4枚たりません。生徒の人数を求めなさい
向山氏は、例題の範読から入った。井上好文氏は、このときの様子を次のように書いている「例題の「れ」の声だけで、フロアの空気が変わった。適度な緊張感が一瞬にして走る」
「向山氏がゆっくりと穏やかな張りのある声で、教科書を範読する。(中略)問題解決に必要なキーワードが尖って聞こえるのである」(月刊『向山型数学授業』誌より)
発問1 ひと言でいうと何の問題ですか。
説明1 余ったり足りなかったりするので、過不足の問題といいます。
発問2 何を求めるのですか。
「生徒の人数です」
指示1 その通り。赤で線を引きなさい。
向山氏は、範読のあとすぐ方程式を作らせたが、生徒の実態に合わせて、発問1〜指示1までを付け加えた。
2.方程式を立てる
指示2 生徒の人数をχ人とします。方程式をノートに書きなさい。=は真ん中に書きなさい。
教科書に方程式は書かれている。どんな生徒も式を作ることができる。
3.ことばの式を作る
指示3 5χ+12 は何を表していますか。「 〜ときのカードの枚数」という形で、その下に書きなさい。
やや答えにくい問である。「 〜ときのカードの枚数」という形でヒントを与えた。線分図の上に「5枚ずつ配るとき」と書かれている。
指示4 7χ−4 は何を表していますか。同じように書きなさい。
説明1 配り方を変えても、カードの枚数は変わらないので、=で結ぶことができるのですね。
(板書) 5χ+12 = 7χ−4
5枚ずつ配るときのカードの枚数 = 7枚ずつ配るときのカードの枚数
4.線分図をかく
指示5 5枚ずつ配るときのカードの枚数を表した図があります。押さえなさい。
指示6 「5枚ずつ配るときのカードの枚数」と書いた下に、6cmの線分を書きなさい。そっくりそのまま図を写しなさい。
具体的に線分の長さを指示した。
指示7 「7枚ずつ配るときのカードの枚数」の下に6cmの線分を書きなさい。
発問1 この線分は何を表していますか。
「「カードの枚数です」
指示8 その通り。カードの枚数と書きなさい。
指示9 4枚足りないので、線をつけ足します。
指示10 続きの図を写しなさい。
5.方程式を解き、答えを求める
指示11 方程式を解きなさい。
指示12 説明練習をします。さん、はい。
(説明練習) 5χ+12 = 7χ−4
移項して、 5χ−7χ =−4−12
計算して、 −2χ =−16
両辺を−2で割って、 χ =−8 です。
発問2 答えは何ですか。
「8人です」
《参 考》井上好文氏論文:『月刊向山型数学授業』(2004年2月),p2