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越智鈴穂(TOSS中学:JHS坊ちゃん)
啓林館p114『数学1年』反比例の利用。真山氏の模擬授業に対する井上好文氏の介入授業を修正した。いきなり、立式をさせ、式の意味を考えさせる展開は、向山氏の2003年箱根での模擬授業「方程式の利用」のところでも行われている。
1.教科書の例示問題を読み、条件を確認する
指示1 教科書の114ページを開けなさい。例題1。「A,B2つの歯車が、右の図のように、かみ合っています。Bの歯車の歯の数は10で、1分間に5400回転するモーターがついています。また、Aにはいろいろな歯の数の歯車をつけることができます。Aの歯の数をχ、Aの1分間の回転数をyとするとき、χとyの関係がどうなるか調べなさい。」
問題は教師が読む。前半(9行目)で切る。
指示2 「χとyの関係がどうなるか調べなさい」に赤で線を引きなさい。
文章題では、問いに赤で線を引かせるようにしている。
定規で線が引けている子をほめる。
指示3 「Aの歯の数をχ」に青で線を引きなさい。「Aの1分間の回転数をyとする」に青で線。
2.立式させる
発問1 χとyの関係はどんな式で表されますか。ノートに書きなさい。=は真ん中に書きなさい。
式は教科書に書かれている。とまどっている生徒が多ければ、「とっても簡単です」のヒントで教科書から探そうとする。
3.式の意味を考える
発問2 χは何を表していますか。
「Aの歯の数です」
指示4 「Aの歯の数」と書きなさい。
発問3 yは何を表していますか。
「Aの1分間の回転数です」
指示5 「Aの1分間の回転数」と書きなさい。
指示6 左辺は、Aの歯の数と1分間の回転数の積です。右辺も同じようにことばの式で表しなさい。
指示7 Aの歯の数はχ、Aの1分間の回転数はyでしたね。χ×y と赤で書きなさい。
発問4 Bの歯の数はいくらですか。
「10です」
指示8 10と書きなさい。
指示9 Bの1分間の回転数はいくらですか。
「5400です」
指示10 5400と書きなさい。
発問5 計算するといくらですか。
「χy=54000です」
(板書) χy = 54000
(Aの歯の数)×(Aの1分間の回転数) (Bの歯の数)×(Bの1分間の回転数) χ × y 10 × 5400
χy 54000
発問6 χyと54000はなぜ等しくなるのですか。分かる人から座りなさい。全員起立。
教科書の「考え方」に「歯車はひとつずつ交互にかみ合って回転する」と書かれている。
説明1 このことから、χy=540000という式ができたのです。
3.χとyの関係が反比例であることを確認する
発問7 χy=540000から、χとyはどんな関係であると言えますか。
「反比例です」「χy=aの形だから反比例です」と理由もいわせる。
指示11 答えは「yはχに反比例する」と書きなさい。
4.後半の問題を解く。
指示12 10行目を押さえなさい。読みます。さん、はい。
「また、Aの歯車の1分間の回転数を2000回にするには、歯の数をいくらにすればいいでしょう」を読ませる。
発問8 何を求める問題ですか。
「歯の数です」「Aの歯の数です」
発問9 分かっている条件は何ですか。
「Aの歯車の1分間の回転数です」「回転数が2000回です」
指示13 歯の数を求めなさい。
《参 考》井上好文氏論文『月刊向山型数学授業』(2004年2月),p2