眠り月
エロです
それ以上に色々と問題のある内容です
SM…だと思います
キョンがビッチです
古泉はいろんな意味で酷い男です
そんなのが好きって方だけどうぞー
なお、色々と真似しちゃだめですよ!
シルシ
「ただいまー」疲れ切っているのに満足にはまるで足りない虚しい熱を抱えたまま、俺は帰るべき部屋に帰った。
古泉のことだから、俺がいなくても構わずもう寝ちまってるんだろうと思ったってのに、珍しくも古泉は起きていた。
「おかえりなさい」
そうにこやかに言われて、ずきりと胸が痛むのに、それすら快感に近い。
俺はなんでもないような顔をして、
「ただいま。今日は珍しく起きてたんだな」
「ええ、レポートも片付きましたから」
「そうか。……って、ん?」
と俺は首を傾げた。
古泉の左耳にピアスがついている。
「どうしたんだ?」
「ああ、ちょっと開けてみたんです。似合いますか?」
「似合うのは似合うが……お前にピアスってのが似合わんな。それに、左なのか? 右じゃなくて?」
「右耳にピアスをするのがゲイの印、というのは、右耳にするピアスが守られるものであるという印だから、というのに起因すると聞いたことがありまして。それなら僕は、守るものの側である、左にピアスをするべきでしょう?」
なるほど、そういうものか。
小さなリング状の非常にシンプルなピアスに触れるとほんのり冷たかった。
その手をそのまま首の方へと滑らせ、
「じゃあ、久しぶりに……」
囁きながら、そろりと腕を首に絡める。
「……シてくれるか?」
古泉は小さく忍び笑いを漏らし、俺の腰を撫でつける。
それだけでもっととねだりたくなるような甘い痺れが訪れ、腰を手の平に擦り付けてしまう。
「んっ……古泉………」
「足りないんですか?」
「足りないも何も……最近めっきりご無沙汰じゃねえか」
同棲し始めた頃はそれこそ、夜も昼もなく押し倒してきて、乾く間もないくらいだったのに。
「おや、でもあなたは僕じゃなくてもいいんでしょう?」
意地悪くクスリと笑う声に、ぞっとした。
「な……」
「僕が気づいてないとでも思ったんですか? 今日だって…そうだったんでしょう?」
そう言って俺の髪に鼻先を埋めて、
「……他の男の精液の匂いがします」
「…っ!?」
そんなことあるはずない。
ちゃんとシャワーも浴びたし、大体今日は髪にぶっかけられてなんかない。
そう思いはしても、知られていたことに驚き、これからどんな風に咎められるのかと思うと、恐怖と期待がないまぜになる。
「こ……いずみ………」
「仕方ないと思いますよ。僕が忙しくなってしまって、あなたといられる時間も少なくなってましたからね。それに、あなたの体と来たら、ほんの少しの隙間も埋めたくてたまらないようないやらしい体ですからね」
そう言いながら尻をきつく抓られる。
「ひっん…!」
「これだって、気持ちいいんでしょう?」
「ひゃ、ぁっ……だ、って、お前が……!」
「ええ、僕が教えてあげましたよね。どこをどうしたら気持ちいいのか、気持ちよくさせられるのか。学校の勉強はからきしなのに、そういうことだけは本当に覚えが早くて。……そうして覚えたもので、何人の男を楽しませたんです?」
「お…覚えてない…」
「淫乱」
耳元で冷たく囁かれて、びくりと体が跳ねる。
「あ………や、やだ……古泉、嫌いに…ならないで………」
「嫌われたくないなら、どうしてそんなことをしたんです?」
「だから…、さ、寂しくて………」
古泉の体にしがみつくと、優しく背中を撫でられた。
「好きなのはお前だけ……古泉だけ、だから………」
「寂しいというだけであんなことが出来たとは思えませんね」
「へ……?」
じゃあなんだと言うんだろうか。
戸惑う俺に、古泉は意地の悪い笑顔を見せて、
「そうしても僕があなたを嫌いになったりしないと分かってて、それにつけ込むようにそうしたのでは?」
どういう意味かと戸惑ったのは一瞬で、俺はすぐに小さく笑えた。
「…それ、つまり、俺のこと嫌いになってない、ってことだよな?」
「なれるわけないでしょう。僕だって、あなたのことを愛して、一時は世界と天秤にかけて悩み、あなたを選んだほどなんですよ? これくらいのことで僕から逃げられると思ったら大間違いです」
「ん……だったら…」
もっと一緒にいてくれ、と言うつもりだったのに、
「ですから、あなたが他の誰と寝ても、嫌ったりしませんから」
と言われてぎょっとした。
「…は……? それはつまり、今後も俺のことを放っておくつもりで、かつ、俺が寂しいなら他のところに行けってことか?」
「忙しいものはどうしようもありませんから」
しれっとした顔でとんでもないことを言ってのけたばかりか、
「それにしても、相手が誰でもいいということは、体を売ったわけでもないんでしょう? お金すらかからないなんて、あなたはオナホよりもお手軽なんですね」
と冷笑され、カッと顔が熱くなる。
「……っ、だ、って、お前じゃなかったら、全部同じだから……」
「そうですね。あなたの体はどこを触られても気持ちよくて堪らなくなりますからね。今だって……自分のしていたことがばれて、これからお仕置きされるのに、怖がるよりも期待してるんでしょう?」
その言葉と共に、熱を持った股間をぐりっとえぐるように押し上げられる。
「ひぃ…っ」
「久しぶりにシたいんでしたよね。まずは中に残ってないか確かめてあげましょうか」
「ひ…っ、ぁ、し、てくれ……。きれいになってるか、見て……」
震える脚を開いてもどかしく下着ごとズボンを下ろす。
そうしてよく見えるようにと床に手をつく形で、古泉に向かって尻を突き出すと、ぺちりと軽く叩かれた。
「ひぁ……っ!」
「どれだけくわえ込んだか分からないのに、どうしてこうつつましやかなままなんでしょうね」
そう笑って、古泉は遠慮なく指を押し入れてきた。
「ふ……っあ…………」
「柔らかいですね。慣らさなくてもよさそうだ」
「…ひ……っ、ぅ……ん………だから……」
「でも今は、きれいになってるか確かめるだけでしたよね」
意地悪を言って、古泉は更にもう一本指を入れてくる。
そうして中を広げられると、足が震えてそのままへたり込みそうになるのに、
「ちゃんとしてください。よく見えないでしょう?」
「んん……っ…」
中を無遠慮にかき回され、余計なものが出ないか確かめられるのは恥ずかしいのに、古泉にされていると思うと気持ちいい。
「ああ、本当にきれいにしてありますね。ゴムは使ったんですか?」
「ん……使った……」
「でも、きれいに洗い流したみたいですね」
「ローションでぬるついたままとか、気持ち悪いだろ…」
「気持ち悪い?」
嘲笑するような声で言って、古泉はずるりと指を引き抜いてしまった。
「あ…っ!?」
「気持ちいいの間違いでしょう?」
「ち、が……、んな、お前のだったら、それでも気持ちいい、けど、他の奴の跡が残ってるとか、やだ……」
「……あまり可愛いことを言わないでくださいよ。決心が鈍るでしょう?」
「は……? 決心……?」
「ええ、今日はとびきり酷いことをしてあげようと思ってるんです」
なんだか分からんが、
「…お前にされるんなら、なんだっていい」
「ありがとうございます」
俺の腕を引いて起き上がらせた古泉は、優しく触れるだけのキスをくれた。
「…もっと」
「続きは寝室で……ね」
「ん……」
俺としては場所なんかどうでもいいんだが、古泉がそう言うならとおとなしく従う。
邪魔な服を脱ぎ散らかし、裸になってベッドに横たわると、古泉が覆いかぶさってきた。
「……は……久しぶりだな……」
深い口づけを繰り返すその合間に呟けば、古泉は苦笑して、
「そうですね。…もう少ししたら、まだ時間は取れると思うんですが………」
「ん……楽しみにしてるから…」
古泉の指がそっと俺の上を滑り、真っ赤な胸の突起に触れると、それだけで快感に貫かれる。
「ひあぁっ…!」
そこはもう、性器としか言いようがないようなほど敏感になっている。
そうしたのも、古泉だ。
「あっ…あ、や……、古泉…っ! そこだけで、イくからぁ…!!」
「ここだけで? じゃあ、出さずにイってくださいね」
意地悪を言っていると思うだろうが、そうでもない。
そこを開発された俺には、そこだけで達することも不可能ではないのだ。
だが、それでも難しい。
「ひ……っ、ぃ、あぁっ、あんっ、もっと…!」
「もっと、どうされたいんです?」
「気持ちよく、なりたい…っ、か、らぁ…!」
古泉は指先でそこをこねまわしながら、それをぺろりと舐める。
ぬるつく感触に体が震えた。
「ひぅっ…ん、んんっ、ぁああ……!」
甘噛みされ、吸い上げられ、そのたびに体が跳ねる。
怖いほど気持ちいい。
頭の中が焼切れて、ただでさえ壊れつつあるものが更に滅茶苦茶になる気がした。
一際大きく体を痙攣させて俺が達すると、
「ちゃんとイけましたね」
と褒めておいて、古泉は俺の上から離れた。
「古泉…?」
どこに行くんだと戸惑う俺に、
「どこにも行きませんよ。ただ、必要なものを取るだけで」
そう言われて、ローションだろうと思った。
ゴムはいらない。
古泉になら中にいっぱい出してほしい。
腹の中がたぽたぽになるくらい。
そんなことをぼんやりした頭で考えていると、古泉は何やら大げさなポーチを俺の横に転がした。
「なんだこれ」
「後でわかりますよ」
という言葉とキスで誤魔化されたが、後でわかるというなら気にしなくてもいいだろう。
俺は古泉を抱きしめ、中途半端に高ぶらされたままの熱をすり寄せ、
「なあ……早く…いっぱいにしてくれよ…」
とねだると古泉は優しく笑って、
「仕方ない人ですね」
「ん…俺……どうしようもないんだ…。だから………」
「ええ、分かってますよ。……お仕置きもかねて、乱暴にしてあげましょうか」
「ふあ……?」
「これ以上慣らさずにこのまま……とか」
という言葉と共に、いつの間に取り出したのか、高ぶったものを押し当てられ、期待が膨らむ。
「し、て……、入れて……!」
はしたなくねだる俺の望みはすぐに叶えられた。
古泉は自分で処理することもしてなかったのか、久しぶりのそれは暴力的なほど大きくて熱い。
めりめりと体を裂かれ、抉られるような痛みがあるのに、それすら嬉しくて、気持ちいい。
「んぁあ…! ひ、ぃっ、い、ぁ……!」
「痛みます?」
「い、った、い……けど、ひぁっ……! い、イイから……」
「じゃあ、そろそろいいですね」
そう言って古泉は一番深いところでつながったまま、放り出してあったポーチを取った。
「な、に……?」
苦しくなりながらそう問いかけても返事はない。
取り出されたものもよく見えなかった。
「なぁ、も、っと、中……して…」
「動くと危ないですからね。…今、あなたがもっと喜ぶことをしてあげますから」
うずく腰を揺らす俺を軽く押さえつけ、古泉が何かを手に俺の胸を撫でると、ひやりとした。
「何…?」
何をされるのか分からない恐怖すら気持ちいいのは気持ちいいのだが、本当に何をされてしまうんだろうか。
次に、何かはさみのような形をしたものを右の乳首に押し当てられた。
「冷た…っ……」
「あなた、痛いのも大好きですよね」
「ん、好き、だ、け、ど………っ、ひ、ぃあ!」
ぎゅうときつく乳首を摘ままれる。
それこそ、引きちぎられそうなほど強く。
「興奮してるんですか? 今、中がきつく締まりましたよ」
「あっ、あ、だ、って、こんな……!」
「この調子だと、本当にお仕置きにはならなさそうですね。…いきますよ」
一声かけたのは優しさだったんだろうか。
だが、何をされるのか全く分からない状態では、なんの警告にもならない。
その意味を考えるまでもなく、焼けるような痛みが乳首を貫いた。
「ぃぃあああああああああ……!」
「ああ、イっちゃいましたね。そんなによかったですか?」
びくびくと体を跳ねさせる俺の胸から謎の器具を外しもしないで、古泉は薄く笑う。
「う…あ………、な、に……?」
「あなたが僕の物であるという印を、ちゃんとつけてあげようかと思いまして」
そう言って古泉が俺の目の前につきつけたのは、古泉の耳でずっと揺れているピアスと同じものだった。
「これを、あなたのここにつけてあげますよ」
「え……?」
それで説明は終わりだとばかりに、古泉はそれを胸のところに持って行ったようだった。
なんだかよく分からないが、ひりつくそこにピアスがとりつけられ、よく分からない器具は取り除かれた。
「よく似合ってますよ」
そう古泉が笑うのが嬉しかった。
それからも古泉の忙しさは相変わらずで、俺は寂しくなると他の男を誘ったりするような日々だ。
前と違うのは、胸のこのピアスの存在だ。
恋人につけてもらったと嬉しさを隠さずに言えば、妙に近づかれることもなく、割り切って遊べる。
不満があるとしたら、古泉のピアスのことだ。
「……またつけてないな」
膨れながら古泉の耳に触れると、眠っていた古泉は目を開き、薄く笑った。
「寝る時は外しますよ。危ないですからね」
「俺はつけっぱなしなのに」
「そこなら大丈夫でしょう?」
「つか、お前、出かける時にもつけてなかったりするだろ」
ピアスがケースに入ったまま置いてあるから知ってるんだぞと拗ねた口調で呟くと、古泉は手を伸ばして優しく俺の頭を撫でてくれる。
「ピアスをつけたままでは出かけられない場所もありますから」
「……お前ってほんと、酷い男だな」
「そんな僕がお好きでしょう?」
「…そんなのじゃなくても、好きだろうよ」
そう言って、恨みがましいキスをした。