エロです
が、ただのエロじゃないです
古キョンのエロも含んでおります
ですので、
古キョンはだめ!
って人とか、
百合だけが目当てです!
って人は読まない方がいいと思います
相変わらず色物ですみません m(_ _)m


















































湯煙の向こう



商店街の福引で、涼宮さんが温泉の豪華な一泊旅行を当てちゃったのって、やっぱり誰かが何かしちゃったから、なんでしょうか……。
ちらり、と容疑者のひとりである有希を見るけど、有希は何の反応も返してくれません。
…それがかえって怪しいです。
古泉くんもなんだかご機嫌だから、ちょっと怪しく見えます。
キョンくんは、古泉くんを疑ってるみたいで、時々じっと睨んだりしてるくらい。
涼宮さんは本当にいい気分みたいで、ぱくぱく晩御飯を食べました。
それから、当然男女に分かれてですけど、皆で大浴場に行って、わいわい言いながらお風呂に入って、男女別に分かれたお部屋で、気持ちよく寝た……はずでした。
「…起きて、みくる」
そう呼ばれてなんとか目を開けると、有希にキスされました。
「ぅ、…ん…!?」
ぺろ、って唇を舐めて、有希はあたしに囁きます。
「もう一回、露天風呂に」
「入るんですか…?」
「…星空が綺麗だから」
「…そう…ですね……」
ついつい頷いちゃったのはやっぱり、あたしが寝とぼけてたからです。
そうじゃなかったら変だなって思って抵抗したはずだもの。
でも、寝とぼけてたあたしは、有希に言われるままふらふら準備して、大浴場に向かいます。
涼宮さんを起こさないよう、慎重に。
そんな夜中に、って思うかもしれませんけど、なんでも、ここのお風呂は夜の間中入れるんだそうです。
だからあたしたち以外にも入ってる人がいるかもしれないって思ったのに、もう十二時を回ろうとしてたからでしょうか、あたしたちは廊下でさえ誰にも会わずに、お風呂に入れました。
ざっと体を流して、有希が行きたがるまま外に出ました。
ぼんやりと灯された暖かな色の灯りも幻想的で、それに照らされた岩風呂もなんだか不思議に見えました。
あたしは星空を見上げて、
「わぁ……本当に綺麗ですね。街よりもずっと星が見えて素敵…」
「気に入った?」
「うん。…有希と一緒に見れて、嬉しいです」
言いながらあたしがお湯に浸かると、有希があたしにぴったりくっつくみたいにして入ってきました。
「えっと……あの…有希…?」
なんだか、近過ぎる気がするんですけど……。
「問題ない。…ここにいるのはあなたと私だけ」
「そう、です、けど……」
だからっていいってわけにも…えっと……。
「興奮する?」
「…っ、い、言わないでくださいぃ…」
真っ赤になったあたしのことを、有希が軽く抱きしめると、有希の体に押されてあたしの胸が潰れます。
それだけで、ぴくんって体が震えて、抵抗出来なくなっちゃいそうで、
「だ、だめで…」
す、って言おうとした時でした。
『ば…っ、やめろって!』
って声が、聞こえてきたのは。
思わず竦みあがった私とは逆に、有希は冷静に、声のした方へ目を向けました。
声がしたのは隣りの男湯からです。
まさか、誰かが覗こうとして…?
「違う」
小さな声で有希が言いました。
『だ、れか、来るかもしれんだろうが…っ! 本気で、やめ…っ、ん、あ…!』
「この声……キョンくん…?」
なんだか色っぽい声に聞こえるのって、あたしの気のせいですか?
「気のせいじゃない」
そう言って、有希は呪文を唱え始めました。
辺りにシールドが展開されるのが分かります。
多分、音が他に漏れないように、それからほかの人が入って来れないようにしたんだと思います。
でも、その間にも声は続いてて、
『あ……っ、ぁ、や、だ……! こいず、み…!』
なんて聞こえてきます。
あたしは自分の耳を塞ぐのも忘れて、うわ言みたいに、
「なな、何が嫌なんですかぁ…! っていうかキョンくんと古泉くんが…!?」
ってパニックになってたら、
『何が嫌なんですか?』
という古泉くんの声まで聞こえてきました。
妙に、はっきりと。
有希が呪文を唱え終わったのに、まだ声は聞こえてきます。
それも、さっきより明瞭に思えるんです。
あたしは有希を睨んで、
「何、やったん、ですか…?」
「……あなたの推測通り。音声の遮断と他人が入ってこられないように封鎖を行った」
「それだけじゃないでしょう」
あたしが睨むと、有希は目をそらしもしないで、
「……向こうからの音はこちらに聞こえるようにしてある。でも、こちらの音は向こうには聞こえない。だから、」
すっと有希の手が動いて、あたしの体を撫でました。
「ひぁ…っ!?」
「…安心して、喘いで」
「ななな、何言うんですかぁ!?」
思わず叫んでも、隣りからの音は止みません。
本当に一方通行になってるみたい。
なんでここまでするんだろって呆れてるあたしの胸に、有希が触れます。
「…立ってる」
「ひゃっ!?」
「やっぱり」
「ななな、何がやっぱりなんですかぁ!?」
「…あなたはこういうシチュエーションに弱い。より恥かしい状況であるほど、より感じやすくなる」
そう囁きながら、有希が硬くなってる突起を抓むと、痛いのに気持ちよくて、
「だめ、だめです…っ」
って首を振るしか出来なくなっちゃいます。
もっとちゃんと抵抗したいのに。
『ん、だめ、だって…! いや…!』
『そう仰る割に、力が入ってませんよ。本気で押し退けたらどうなんです?』
そう言われても抵抗出来ないようにしてるのはそっちの方じゃないですか…!
『お前の、せい、だろ…!』
ですよね!
…って思いっきりキョンくんとシンクロしてる気分です。
うう、有希と古泉くんって似たタイプだったんでしょうか。
「むしろ、あなたたちが似ている」
言いながら有希はあたしの首筋を舐めてます。
「さっき皆で入った時から気になってた」とか、「髪を結ったせいで丸見えになっているうなじが色っぽい」とか、好き勝手なことを囁きながら。
「なに、言って…?」
「彼とあなたは似ている。……本当は、気持ちいいことだって好きなくせに、そうじゃないフリをしようとするところも、感じているのに感じてないと言おうとする」
「そん、な…」
『やぁ…っ! やめ、ろって…』
『ここでやめたら辛いのはあなたの方でしょう? 大体、こんなにしておいて何言ってるんですか』
……ごめんなさいキョンくん、嫌がってる声に聞こえませんでした。
「あなたも同じ」
そう言って、有希はあたしの足の間に指を差し入れてきました。
「や…っ! あ、だめぇ…!」
「…ほら、同じ」
言いながら、有希はあたしの耳を甘噛みして、
「こんなにぬるぬるになってるのに」
「あっ、ぁ、…んん…っ…! 有希の、意地悪…っ……」
くちゅくちゅ恥かしい音が聞こえてくるのは、あたしの中から?
それとも隣りからなの?
それさえ、分からなくなってくる。
『んぁ、あ、古泉…っ、もう…』
『欲しいんですか?』
「有希…っ、あたし、も、もう…だめ、です…」
火照った体で有希を抱きしめれば、いつもなら気持ちいい冷たさがあるのに、今はお風呂の中だからか有希も温かくて、不思議な感じになります。
頷いた有希が膝を使ってあたしを昂ぶらせながら、胸を揉んで来ます。
「あ、あぁ…っ、ん、有希…」
抱きしめて唇を求めると、深く口付けられてくらくらしてきます。
『はっ…あ、あ、…あ…! 古泉…っ…』
「…ゆ、き……好き、です…」
『好き、だ…』
「…私も」
そう言って有希がもう一度あたしにキスしました。
古泉くんの返事は聞こえなかったけど、きっと、有希と同じようにしたんだろうなぁ…。

「興奮した?」
分かってるくせにそう聞いてくる有希に、あたしはもう抵抗も出来ないくらいぐったりしながら、
「……こんなこと、もう二度としないでくださいね…」
「…どうしても?」
「どうしてもです!」
ああもう、これでキョンくんと古泉くんの顔をまともに見られなくなっちゃったじゃないですか…!
「……そう?」
「そうですよ! 変に思われたりしたら有希のせいなんだから、ちゃんとフォローしてくださいね!?」
「……分かった」
…って、それだけで許しちゃうんだから、あたしも甘いですよね。
……多分、キョンくんもそうなんだろうなぁ…。

こんな共通点、知らないままでよかったのに。