射手座の作戦参謀とジョンがいちゃいちゃ?な微エロ文
キョン×キョンとかだめな人は読んじゃだめですよ!
好きな人も期待しちゃいけません
温いですから!!














































慌てたっていいことはない



盛大にくしゃみが出たと思ったら、酷い目眩に襲われていた。
しかしその時俺は特に何を考えていたというわけでもないので、おそらく呼ばれたんだろう。
まだぐらつく頭をなんとか立て直そうとしていると、
「ジョン……?」
という声がした。
この声には覚えがある。
おそらくは……あの作戦参謀の声だろう。
しかしである。
間近で聞いたにも関わらず、それを作戦参謀の声であると断定するのを躊躇うような要素がいくつもあった。
まず第一にそれは震えていた。
更に、その声はとても小さく、張りも何もあったもんじゃない。
そして何より時折混ざるしゃくり上げる音にかく乱され、何がなんだかさっぱりだった。
恐る恐る顔を上げると、作戦参謀はいつだったかの青い軍服姿をいくらか乱した状態で泣きじゃくっていた。
「…一体何があったんだ……?」
「ひっ……ぅ、く……」
言葉を口にしようとしてか、一際大きくしゃくり上げた作戦参謀は、それでもまだ震えてうまく出ない声で、
「こ、い、…っずみ、が……! ひぅっ……う…ッ……」
「古泉…幕僚総長がどうした?」
「…っ、うぁ、――ふうぅ……!」
あげそうになる声を必死に殺そうとする作戦参謀は酷く痛々しくて、見ていられなくなった。
だから俺は、作戦参謀を抱き締めて、その頭を自分の肩に押し付け、
「いいから、我慢せずに声に出して泣け。どうせ外には漏れないんだろ」
こくんと頷いたのだろう作戦参謀は、そのまま盛大に声を上げて泣き始めた。
それを情けないだとか思う以前に、ひとりで泣くことさえ躊躇うなんて、軍人ってのも大変だなといたく同情した俺は、そのまま作戦参謀が落ち着くまで、肩を貸し続けた。
ひとしきり泣いていくらか落ち着いた作戦参謀をベッドに座らせ、その隣りに腰を下ろすと、
「……古泉が、見つからないんだ」
赤い目をした作戦参謀は、掠れた声でそう言った。
それだけで、その目にまた涙が玉になる。
「見つからないって……」
「…先日、我々は未確認の惑星を発見した。知的生命体が存在している可能性もある、非常に状態のいい星であったため、我々は調査隊を派遣し、その星の生物などの状態を調べることになった。涼宮閣下の命令により、上層部自らが日替わりで調査を行うことに決定され、我々は交代で調査を行っていた。その四日目に、部下を率いて星に降下した古泉幕僚総長からの通信が途絶え、消息が不明となった。現在、鋭意捜索中ではあるが、既に消息不明となってから三週間が経過し、これ以上の探索を続ける必要性について、本国との間で交渉が行われている」
えらく堅苦しい口調で作戦参謀が言ったのは、そうした方がきちんと説明出来ると思ったからだろう。
実際、その間は滑らかに舌が動いていたからな。
ただ、喋りきった途端、緊張が切れたように脱力した作戦参謀を俺は慌てて支える破目になった。
「…悪い……」
「いや、構わん。……何かあったら呼べって言ったのは俺だろ?」
「……そうだったな」
そう小さく笑っておいて、作戦参謀は更に傷ついたような顔をして俺から顔を背けた。
「…どうした?」
「……俺は…古泉がいないと、だめ、なんだ……」
震える声と込み上げる涙に、俺は慌てて作戦参謀を抱き締めなおす。
本当にこいつはどうにも脆いところがあるらしい。
軍人のくせして危なっかしいが、だからこそ、古泉と付き合うようなことになったのかもしれん。
作戦参謀は、ひっく、と横隔膜を震わせながら、
「…う、古泉が、いない、せい、で……こんな、苦しい、って、のに……、腹は空く、し、…眠れる、し…、それに………ほら…」
その手が俺の手を掴み、俺と抱きあって接している一部分に持って行く。
ぐっと押し付けられたそれは熱く昂ぶっていた。
「な……」
驚き赤面する俺に、作戦参謀はぼろぼろ泣きながら、
「…こんな、なる、し……! 熱くて、苦しいのに、俺は自分じゃ、出来、なくって…ぇ……」
……まさかとは思うが、
「…俺に手伝え、と?」
「やっ、」
焦ったように作戦参謀は言い、その顔が真っ赤に染まる。
「ちが、違う、そんなんじゃ、ない…っ、ない……が、その……っ…分かって、ほしく、って…」
そう言って手を離されたが……放り出せん。
俺は本当にどこまでお人よしなんだろうかと思いながら、胸の中で古泉に手を合わせ、手に力を込めた。
「ひぅっ!?」
泣き声によく似てはいるが、違う声が聞こえた。
「ジョ……!」
「一度吐き出しちまえ。熱も涙も、全部」
そうして疲れて寝ちまうのも手だろ。
まずは体を休ませろ。
「…っ、ま、待てっ! せめて、ロックとか、かけさせ…っ」
「…分かった」
作戦参謀を解放すると、どこかふらつきながらもテーブルに放り出してあった端末を軽くいじって戻ってきた。
「仮眠中ってことにして回線も一時遮断したから、緊急でもない限り邪魔は入らん。ドアにはロックをかけた。…古泉以外には開けられないようにしてある」
古泉と言うだけで涙を溢れさせる作戦参謀に俺は小さく頷いて、手招きする。
「…脱ぐか?」
「……そう、だな…。汚すとまずいから……」
「ん」
頷いて、俺は作戦参謀の服を脱がせにかかる。
下だけでいいよな、と思いながらいきなりベルトに手をかけると、びくんと作戦参謀の体が震えた。
「…怖いか?」
「……平気だ」
言いながら、作戦参謀は強がる子供のようにぎゅっと目を閉じた。
「…俺だと思わずに、自分でしてるか、あいつにしてもらってるとでも思えよ」
そう言って俺は口を閉じ、膝の辺りまでズボンも下着も脱がせた作戦参謀の肩を抱きながら、もう片方の手でそろりとそれに触れた。
こう言うと不思議なのか当然なのか分からんのだが、それは俺自身のものとよく似ていた。
いくらか不気味に思わないでもないが、おかげでそう抵抗感もなく触れることが出来たのはよかったのかね。
普段自分でするように、軽く握り込んだ手をゆっくりと上下させると、まだいくらか柔らかかったそれが硬さを増し、作戦参謀の口からは甘やかな吐息が漏れ聞こえ始める。
「…っふ…ぁ………あ…」
俺は躊躇いのせいで動作が遅いだけなのだが、どうやらそれが逆にいけなかったらしい。
「…っ、こい、ずみ……! 早く…っ、あんま、焦らすな……」
固く目を閉じたままの作戦参謀がそう言いながら、俺の服の裾を掴んできた。
すまん、と思いながらも黙ったまま、俺は古泉がするように少し強めに先端を引っ掻いた。
「ひぁっ…!」
といくらか鋭い声が上がったが、痛かっただけではないらしい。
その声は甘さを含んでいた。
俺は溢れた滑りを全体に広げるように手を滑らせ、弱い裏筋や括れを丹念に擦りあげる。
自分までいくらか興奮してくるのを感じながら、とにかく早く終らせてしまおうと、
「やっ…ぁ、っ、ふぁ、つ、よい…!」
と作戦参謀が声を上げるのにも構わず、弱いところばかりを狙って刺激してやると、
「も…っ、出る、出るから……!」
泣きそうな声を上げた作戦参謀の熱が爆ぜ、俺の手は白濁塗れになった。
恐る恐る目を開けた作戦参謀に、俺はあえておどけて、
「うわ…べとべとになった…。…本当に、溜まってたんだな」
と笑ってやった。
そうして笑い飛ばしちまった方がいいだろ?
作戦参謀も笑って、
「すまん」
と謝りながら俺の汚れた手を取り、拭くのかと思ったら、
「……ん…」
とかなんとかやけに艶かしい声と共に汚れた指をくわえられた。
「ちょっ…!」
何しやがる、と慌てる俺に、作戦参謀は手の平を舐めながら、
「ん? …こうやって、綺麗にするもんなんだろ…?」
――っ、あの変態は何を教えてるんだ!!
無事帰ってきたらただじゃ済まさん。
こいつの兄代わりとして説教してやるから覚えてろ!
脳内で散々に罵って気を紛らわそうとしても、どうにもうまくいかん。
何がどうしたんだか知らんが、作戦参謀は意外と器用な舌をお持ちであるらしい。
「ん……っ…はぁ……」
と微かに声をあげながら、手の平を舐め、ちゅっと音を立てて指を吸い上げる。
ぴちゃりと猫がミルクを舐めるような音を立てて、手首近くまで垂れかけていた白濁を舐める様は非常に心臓に悪い。
というか、俺と同じ顔のはずだってのに、なんだそのエロい顔は!
なんだか居心地の悪いような気分になってきた俺に、作戦参謀は小さく笑って、
「…ジョン、なんか、可愛い……」
「う、るさ…っ! 何言って…!」
「可愛いって」
くすりとどこか古泉に似た、不穏な笑みを浮かべた作戦参謀は、突然俺の手を握り締めたかと思うと、そのまま真っ直ぐに体重をかけ、俺をベッドに押し倒した。
「なっ…!?」
「慰めて…?」
そう言った唇が俺のそれを塞ぎ、舌が侵入してくる。
「ふっ…!?」
「んん……」
よっぽど幕僚総長の仕込みがいいってことなのかどうかは知らないが、作戦参謀はキスもうまいらしかった。
抵抗しようにも相手が曲がりなりにも軍人であるがゆえに、ただでさえ、逃げを打つことも出来ないってのに、深く口付けられ、酸欠染みた状態になった体がからは力が抜けていく。
「や…っ、嫌だ! やめろって…!」
泣きそうになる俺に、
「…ごめんな」
とだけ呟いた作戦参謀が、俺の着ていたTシャツを顎の近くにまで目一杯まくり上げる。
「ひ…っ」
「…俺と全然違うな。白くて、柔らかくて…綺麗だ」
「やめろ…!」
「……」
黙り込んだ作戦参謀が、俺の胸に唇を近づけた時だった。
シュッと微かな音を立ててドアが開いたのは。
ぎょっとした俺と、ワンテンポ遅れて振り向いた作戦参謀の目には、そこにいるはずのない人物の姿が映っていた。
よれよれになり、ぼろぼろに薄汚れてはいるが、見間違えようもないその顔、その髪、その体。
幕僚総長がそこに立っていた。
「……古泉…?」
作戦参謀が信じられないとばかりに呟いたが、目の前の光景が信じられないのはそれこそ幕僚総長の方だろう。
「……すみません、お邪魔しました」
とあからさまに動揺しきった声で言って、そのままドアを閉めちまった。
作戦参謀はと言うと、きょときょとと俺を見つめて、
「…今のは幻覚か?」
などと悠長なことを聞くから、
「じゃないだろ! ほらっ、とっとと追いかけて来い!」
と怒鳴らなければならなかった。
全く、世話が焼ける。
慌てて着衣の乱れを直して飛び出して行く作戦参謀は、さっきとは比べ物にならないほど明るい表情だった。
あの調子なら大丈夫だろう。
何より、変態で察しが悪くて性格がまずかろうと、古泉が側にいてくれれば大丈夫なのが「俺」なんだろ。
もう心配はない。
俺は帰る用意をしながら、そっとため息を吐いた。
早く帰ろう。
あいつらの騒動にこれ以上巻き込まれるのもあほらしいし、何より俺が古泉に謝りたい。
……理由は死んでも口に出来んが、とにかく土下座くらいしてやりたいもんだ。