ご注意ください!
この作品はバンダイナムコゲームスより発売された
PSP専用ソフト「涼宮ハルヒの約束」
をもとに妄想された作品です
ネタバレは激しくありませんが、若干、プレイされないと分からない表現などが含まれます
ネタバレが嫌な方や未プレイの方はご注意くださいますようよろしくお願いします
なお、この作品は古キョン、シャミキョンを含み、
性的な描写も含みますのでその点でもご注意くださいませ
更に追記
珍しく分岐型です
ページすら分けてませんし、量も少ないですので素直にお楽しみくださいませ
ちなみにエンドは4つです
[猫の襲来] 俺が眠っていると、胸の上に何かがのっそりと乗ってくる感覚がした。 シャミか、と思っても目を開けないのは、それがいつものことだからだ。 人のことを暖房か何かのように思っているらしいシャミセンは、寒いこの季節、ちょくちょく俺のベッドに侵入してきていた。 寒いのならいっそ布団の中に入ればいいだろうに、どういうわけか俺の体の上に陣取るのは、布団が嫌なんだろうか。 眠気に大半を支配された頭でうつらうつらと考えていると、不意に、唇に何かが触れた。 くすぐったいような、冷たいようなそれに驚いて目を開けると、シャミセンの顔のアップがあった。 「……何やってんだお前」 俺が聞いても返事は当然、 「にゃあ」 の一言きりだった。 元は喋る猫だったとはいえ、今はいたって普通の猫になっているらしいシャミセンが、今更喋るはずはない。 ……いついかなる時もにゃあとしか言わない妙な猫なので、本当はまだ喋れるのではないかと、俺も時折疑っているのだが、とりあえず、シャミセンがぼろを出したことはない。 で、そのシャミセンが何をしているかというと、俺の口やら鼻先やらをぺろぺろと舐めているのだった。 さて、昨日の晩は何かシャミセンの好きそうなものを食べたかね。 と考え込みながら俺は手を伸ばし、シャミセンをどかせようとしたのだが、 「…っん」 びくりと体が竦み、腕から力が抜けた。 体を移動させたシャミセンの足が偶々――偶々だと信じたい――俺の胸に触れたのだ。 男のくせに胸に触られたぐらいでなんという反応を示すんだと俺に呆れたやつは、その前に俺をそんな風にした張本人であるところの時間空間限定超能力者に文句を言ってくれ。 ついでに言うと、俺の反応が過敏なのは、ここ2週間ばかり俺に手出ししてこない馬鹿のせいだ。 忙しいんだかなんだか知らんが、いい加減、愛想を尽かして浮気するぞ。 ……まあ、あいつ以外に抱かれるとか誰かを抱くとか、そんなことは想像も出来んのだが。 そんなことを考えていると、ざらりとした舌が俺の首筋に触れた。 まずい、と思いながらも止められない。 それもこれも全部、あいつのせいだ。 俺は布団を蹴り落とすと、寝巻きにしているスウェットを胸の上までまくり上げた。 ツンと勃ち上がったそれに布が擦れ、指が触れるだけで、体が震える。 「シャミ…」 名前を呼ぶと、心得たとばかりにシャミセンがそちらへ移動し、ざらざらした猫特有の舌で痛いくらいにそこを舐めた。 「ひっ……んぅ…」 声を上げないよう、必死に声を堪えた。 夜中とはいえ、妹がトイレに起き出さないとも限らないからな。 それを考えると、布団を落としてしまったのは間違いだったような気もするが、今更拾い上げる気にもなれなかった。 シャミセンは器用に乳首を舐め上げ、充血したそこを柔らかな肉球で捏ねている。 その間に、尻尾が揺れ、俺の脇腹や太股の付け根をくすぐった。 「ぁ、…ん、やっ……」 あられもない声が口から零れ出る。 堪え性のなさに、我ながら泣けてくるぜ。 更に堪え性がないのは、俺の手だ。 腹の上に陣取ったシャミセンの横を通り過ぎ、ズボンの中へと忍び入る手だ。 クソ、死にたい。 猫にいじられながら自慰するって、俺はどんだけ変態なんだ。 そう思う部分もあるのだが、残りの大部分はもっと刺激が欲しいと望んでいる。 触れたい。 触れられたい。 イきたい。 ――責任は全てお前のものだ、喜べ古泉。 俺に本来なら覚えるはずのなかった受動的な快楽を覚えこませ、しかも度々変態的なプレイに付き合わせた上、週単位での放置プレイを決め込んでいる古泉が悪い。 責任を一切合財まとめて古泉へと嫁に出した後、俺は意を決して興奮に昂ぶった聞き分けのない息子さんを握った。 そのままゆっくり扱いてやると、鼻にかかった声が小さく漏れた。 シャミセンは相変わらず俺の胸や口や首筋を舐めている。 一体何が楽しいんだろうな、こいつは。 古泉が乗り移ったんじゃないかと思うような―― <まさかな。> <……まさか、ハルヒが何かやったのか?> [共犯者] …幻聴だ。 部屋の中を見回しても、古泉の姿は見えない。 もちろん、シャミセンが喋ったりしたわけでもない。 それに、シャミセンが喋るのであれば、またあの偉く渋い声で喋るだろうからな。 古泉の声が聞こえたとしたらそれは俺の脳みそが勝手に捏造しただけに過ぎん。 大体、こんな夜中に訪問されてたまるか。 そういうわけで、俺はこの行為を続行することにした。 中途半端な状態で止められるわけないだろ。 俺だって一応若いんだ。 先走りで濡れたそれに指を絡め、くちゅりと淫らがましい音を立てるのは古泉の癖だったはずなのだが、いつの間に俺にまで伝染したんだろうな。 「ん…ふ……っぅ…」 殺しきれない声が口の端から漏れる。 シャミセンが、俺の手の動きに惹かれたかのように方向転換し、そちらへと頭をめぐらせた。 見られている、と思うと余計に感じるのは人間のさがであり、決して俺一人の変態性によるものではないと思いたいのだが、実際のところどうなのかは知らん。 「ぁ…っ、見る、なよ…」 見せ付けながら何を言っているんだろうね、俺は。 何にせよ、シャミセンを追い払うことも、手を止めることもできなかった俺はそのまま手の中で白いものを吐き出させたわけだ。 脱力した俺の手に、シャミセンが鼻を寄せる。 そうして、手についた白濁を、ざらっと舐め取った。 「……腹壊しても知らんぞ」 まあ、しょっちゅう飲み下している奴がいつも平然としている以上大丈夫だろうが。 ティッシュの箱へと手を伸ばし、後始末をした俺は、 「まかり間違っても、誰かに話したりはしてくれるなよ」 と言い聞かせながら、シャミセンに口止め料として、少しばかり品質のいいかつお節を与えるべく、部屋を出たのだった。 ▲最初に戻る [古泉襲来] 「こ、古泉!?」 がばっと体を勢いよく起こすと、シャミセンが俺の上から転げ落ちた。 シャミセンはそのまま古泉の脇をすり抜けて部屋を出て行く。 ドアをぱたんと静かに閉めた古泉が、代わりのように俺ににじり寄ってきた。 「なんで、お前……こんな夜中に一体どこから入ってきたんだ!?」 「ちゃんと玄関から入ってきましたよ。鍵は先日いただきましたからね」 そう言えばしょっちゅう出入りしては夕食をたかっていく「一人暮らしで可哀相な」古泉にお袋が鍵を与えていたような気がする。 それにしたって、こんな夜中に訪問するなんていうのはマナー違反もいいところではなかろうか。 などと、俺が誤魔化そうとするのを古泉が許すはずもなく、 「一体何をしていたんでしょうね、あなたは」 と言いながら俺をベッドに押し倒した。 両手を頭の上で束ねるようにして押さえつけられ、無防備に曝された半勃ちのそれをやんわりと撫でられる。 「忙しさにかまけて構わなかった僕が悪いとでも言うんでしょうか。それにしたって、シャミセン氏と浮気する必要はないと思いますが。…あなたも相当の変態ですね」 「う、るさい…っ、誰のせいだ…! お前が、ほっとくから、いけないんだろ…」 恥も外聞も何もなかった。 ずっと放っておかれた体が、今また後ろ暗い愉しみを奪われた体が、熱を持て余して暴走していた。 「ええ、これでよく分かりましたよ。あなたをひとりで放っておくことがどんなに危険なことなのか」 そう言った唇が噛み付くようなキスを寄越す。 唇を軽く噛まれる。 歯列をなぞられ、舌を絡め取られ、唾液の一滴すら逃さないようにすすり上げられる。 同時に注がれる唾液の甘さに酩酊感すら感じた。 「分かったんなら、ふっ…ぅ…、ほっとくな、よ…」 「そんなに寂しかったんですか?」 揶揄するような言葉にも構わず頷いてやると、古泉が呆けたような表情をした。 なんだそれは。 頷いてほしいんじゃなかったのか。 「いえ、……それはそうなんですが…あなたがあまりにも素直なリアクションを返されたので、少し驚きました」 「…俺だって、…っ寂しいとか、もっと会いたいとか、触れられたいとか色々、思ったり、するんだよ…」 「嬉しいです。…ねえ、夢じゃありませんよね?」 「こんな夢、見て、たまるか…」 「おや、どうしてです?」 どうせ夢で見るんだったら、最初っから最後まで全編通してお前が出てくる方がいいと言ったら、今度こそ古泉は言葉を失い、黙って俺に口付けた。 ▲最初に戻る [猫古泉?] ……まさか、ハルヒが何かやったのか? 嫌な予感がして、俺は恐る恐るシャミセンを見た。 いつもと変わりない気がするのだが、それにしてはやっぱりこの行動はおかし過ぎるだろう。 俺はじっとシャミを見つめ、 「……まさかとは思うんだが、お前、古泉だったりしないよな?」 一瞬の沈黙の後、シャミは口を開き――、 「ばれましたか」 耳慣れた甘ったるい声とは違う、しかしながら聞き覚えのある渋い声を発した。 だが、特徴的な響きを帯びた声の出し方も話し方も、明らかに古泉のそれだ。 「何でそんなことになってるんだお前は!」 「何で、と仰られましても、涼宮さんの考えることですから、僕にはなんとも…」 ああそれはそうかも知れん。 だがな、 「俺のベッドに忍び込んだ挙句、人の体に悪戯する必要がどこにある!」 「いやぁ、やっぱりせっかくのチャンスを逃すのは勿体無いですから」 「なにがせっかくのチャンスだ! 出てけこの変態っ!」 「おや」 にたりと古泉がシャミの顔で笑った。 器用な奴め。 「出て行って、いいんですか?」 「いいに決まってるだろ」 「ここをこのままにして?」 と言った古泉が、シャミの肉球で乳首を踏みつけた。 「んっ……」 「ここだけじゃないでしょう? 本当に、このままにしていいんですか?」 「う…っ」 「まあ、僕は構いませんよ。この体ではこれ以上何かしようにも出来ませんからね」 そう言ってすとんとベッドから下りた古泉は、ドアの方へと歩いていく。 「猫の身では開けられませんから、開けていただけると大変ありがたいのですが」 「……っくそ」 小声ではき捨てるくらいのことは許してもらいたい。 俺はズボンを整えてからベッドから立ち上がり、シャミセンin古泉を拾い上げると、そのまま床に胡坐をかいた。 「何で俺はお前みたいな変態が好きなんだ」 苛立ちながら呟き、呟きながら膝の上にいる猫の喉を撫でると、猫がぐるぐると喉を鳴らした。 「そんなことを仰るということは、続きがしたいと解釈してもよろしいでしょうか」 「その前に」 と俺は古泉を睨みつけ、 「……ここしばらく放置してくれた理由について、説明してもらおうか?」 「え、っと…それは…」 たじろぐ古泉を腕でがっちりと押さえ込み、逃げられないようにする。 「くだらない理由だったら窓から放り出すぞ」 心配するな。 猫なら死なん。 「…その、僕だって、あなたから求めてもらいたいと思ったりもするんですよ」 というのが、古泉の返答だった。 「しばらく触れずにいたら、あなたの方から求めてくださるかと思ったんですが、あなたは少しもそんな様子を見せませんし、本当に淡白な人なんだと思っていたんですが……我慢していただけ、なんですよね?」 俺は、嬉しそうな声を出すそいつを窓から放り出すべきか、ドアから投げ出すべきかと悩んだ挙句、布団蒸しの刑に処してやったのだった。 ▲最初に戻る [夢オチ] 「だから、シャミだと言ってるだろ…」 そう答えながら、俺は目を開けた。 ……うん? 目を開ける? さて、どういうことだろうね。 俺はさっきまでも目を開けていたはずなんだが、よもやまぶたが二重になったりしたわけでもあるまいに。 などと、現実逃避したくなるような現実が、目の前にあったわけだ。 怒りだか嫉妬だかに顔を赤く染めた古泉という、どうしようもない現実がな。 夢だったのかと思うと共に、実際に服をまくり上げられ、ズボンの中に手を突っ込まれていることで首を傾げる。 ここは古泉の部屋で、俺たちは数週間ぶりの逢瀬を愉しみ、そして俺はあんな夢を見たのだろう。 おそらく、寝ている俺に淫らがましい悪戯を仕掛けてきた古泉が原因で。 で、その古泉にしてみれば、自分が悪戯してるってのに寝ぼけた俺がシャミを呼んだことで、どうやらぶち切れる寸前らしい。 冷静に分析したところでどうしようもない。 俺はざあっと青褪め、 「ちょ、ちょっと待て古泉! 誤解だ!」 「誤解? 何が誤解ですか?」 そう古泉は唇を笑みの形に歪めたが、目が笑ってないのでその表情は薄ら寒い状態を通り越し、もはや凄絶としか言いようがない。 「寝ぼけてたんだって、お前が思っているようなことは実際には起こってない!」 「僕が何を思っているかお分かりになるのですか? あなたが超能力者だったなんて知りませんでしたよ」 「とにかく、話を聞け…っ、ひ、あぁっ…!」 乱暴に握り込まれた部位が痛い。 「僕とシャミセン氏を間違えるなんて、どういうことですか。まさかあなた、シャミセン氏をバター犬ならぬバター猫に仕込んでたりするんじゃないでしょうね」 「だ、れがっ…そんな、っん、こと、するんだ、ぁ、…っああ!」 目を覚ましてしまえば胸への刺激も酷く強烈に感じられて、上げる声を抑えられない。 古泉の部屋という、声を抑えなくても構わない場所だからかもしれないが。 「夢、の、ことにまで…っ、嫉妬、すんなよ…!」 「しますよ。あなたのことを、夢の中どころか、どんなところでも、独り占めしたくて仕方ないんですから」 実際には独占出来ないと分かっているからこそ、こいつはそんなことを言うんだろうか。 今にも泣き出しそうな、情けない面で。 だが、そんな顔も嫌いじゃない。 「…夢見たのも、感じたのも、実際に触ってきたのがお前だからだろ。……だから、馬鹿みたいに嫉妬すんなよ」 抱きしめてそう言ってやると、古泉が嬉しそうに笑ったのが見えた。 ▲最初に戻る [作業続行] まさかな。 流石にそんなことはありえないだろうと一刀両断して、俺はこの後ろめたい行為を続けることにした。 呼吸が段々と荒くなる。 ざらついた舌で繰り返し舐められた乳首は、人に見せられないくらい充血して、真っ赤になっているんだろう。 それこそ、古泉が意地悪く指摘するように。 『ほら、真っ赤になってますよ。ルビーみたいですね』 官能小説の読みすぎだと言いたくなるような比喩を口にした古泉の声が脳裏に蘇る。 「あ…っ」 『胸だけで、下までぐちゃぐちゃになるほど感じるなんて、恥ずかしい人ですね』 「う、るさい…っ、誰の、せいだと……思ってんだ…」 『僕のせいですよね? そうじゃないとしたら、僕は嫉妬でどうにかなるかもしれません』 勝手にどうにかなってろ。 というか、お前は想像に過ぎないんだからとっとと消えろ。 俺が今、イケナイことをしている相手はシャミなんだから。 「誰が何の相手ですって?」 嫌に鮮明に、声が聞こえた気がした。 <…幻聴だ。> <「こ、古泉!?」> <「だから、シャミだと言ってるだろ…」> |