エロである以前に、
古泉がキョンの近所の家の子であるというパラレル設定であり、
かつ、
ハルキョン(結婚)
古ハル(不倫)
古キョン(ハルヒの指図)
というでろでろどろどろなカオスな話であることをお知らせしておきます
ちょっとでも引いたら見ない方がいいですよ!!
あと、R18って書いてありますが、
それは諸事情によるもので、
実際にはR20くらいのエロです←
色々ツッコミどころは多いと思いますが、
とりあえず、
これが未成年のお嬢さんへの誕生日プレゼントであるという
おっとろしい事実には突っ込まないでもらえると助かります(おま
小さい頃から僕がずっと好きだった人は、お隣りに住んでいたお兄さんだった。 自分がその人を本当に愛していると気が付いたのは、その人の結婚式の時で、中学生になっていたというのに、僕はぼろぼろと泣いてしまっていた。 それを、寂しさから来るものだとでも思ったんだろう。 お兄さんは優しく僕の頭を撫でて、 「引っ越すって言っても近所のマンションだって分かってるだろ? これまでと変わらず、いつでも遊びに来いよ」 と笑顔で言ってくれた。 でもその隣りには僕じゃない人が既にいる。 目映いほどに明るい女性は僕とは似ても似つかない。 本当に愛し合っているんだと分かる二人に胸が締め付けられるほど痛むと分かっていたのに、どうして僕は何度も二人の部屋に通ってしまったんだろう。 そうしなければ、こんなことにもならなかったはずなのに。 お兄さんが選んだ人なのに、お兄さんの奥さんは、お兄さんに相応しからぬ人だった。 身勝手で、ワガママで、強引で、何より、いやらしい人だ。 優しくて純粋でお人好しなお兄さんには似合わない。 だから僕は、その人を旧姓で呼んでいた。 涼宮さん、と。 でも、彼女は何も気にせず、余裕ぶって笑っているだけだった。 たまたまお兄さんの不在時に訪れた僕をソファの上で押し倒して、いやらしい単語を囁いて、僕を穢して。 初めて知った女性の体に対する感想なんてものはろくになくて、僕はただ、お兄さんのことが好きでも他の女なんかとやれるんだなと自分に呆れただけだった。 思春期ゆえかもしれない。 あるいは、自分で思っている以上に、僕は種の保存本能が強いのかもしれない。 だとしたら余計に虚しさが増すように思え、ゴムに包まれた憐れな白濁がビニール袋に包まれてゴミ箱に放り捨てられるのを見つめながら、僕はため息を吐いた。 男女の交歓というにはあまりに程遠い関係が、どうして続いてしまったんだろう。 もしかすると、そんな関係だからこそ、彼女にはちょうどよかったのかもしれない。 僕は彼女に執着しようともしなかったから。 彼女にしてみれば、彼女なりに夫であるお兄さんのことを愛しているようだったし、僕に手を出したのは単純に退屈だったからとか、その程度の意味しかないのだろう。 手軽なおもちゃとして、僕はぴったりだったようにも思える。 それでどうして僕がのこのことそれに応じるかといえば、どうやら僕がお兄さんに対して抱く劣情を察したらしい彼女が、まるで睦言めかして囁く、お兄さんの夜の姿に惹かれてしまったからだ。 今日も、彼女は僕の上に跨りながら、笑みと共に零す。 「キョンはね、凄く感じやすいの。おまけに羞恥心が強いみたいで、喘ぐのを嫌がるくせに、一度タガが外れると耳を塞ぎたくなるくらい凄い声を上げるのよね。今度、古泉くんにも聞かせてあげたいわ」 その唇はいやらしくゆがみ、上下運動にしたがって、胸のたわわな膨らみも淫奔に揺れる。 合間合間に零れる喘ぎよりも、お兄さんがどんななのかということだけが、僕は気になった。 「お兄さんにも、こんなことを…?」 「してやるわよ、勿論。あいつ、なかなか自分から動こうとしないし。でも、たまにあたしが四つん這いになって、後ろからしてって言うと、恥かしそうにするのがまた可愛いのよね」 くすくすと笑う彼女に、僕は眉を寄せる。 やっぱり彼女は好きになれない。 こんな人がお兄さんを手にしたかと思うと、腹立たしくすら思えた。 その時だ。 いつもより更に淫乱な笑みを浮かべた彼女が、とんでもないことを囁いたのは。 「ねぇ、古泉くんは3Pって興味ある?」 「……それは、僕とあなたとお兄さんで、ということですか?」 「そうね、その方が古泉くんは嬉しいでしょ」 にんまりと真っ赤な唇を歪めた彼女が、更に酷くて魅力的なことを口にする。 「キョンに、入れさせてあげても、いいわよ。この、熱くて太くておっきいの。…ふふ、ほんとに、顔と年齢に似合わないくらい立派なんだから…」 笑いながら腰を揺する彼女はわざとらしく僕を締め付ける。 僕は眉を寄せながら射精感を耐えるだけだ。 ここであっさり達してしまえば、彼女の不興を買うかもしれない。 そうしたくないと思うほどには、僕は彼女の申し出に惹かれていた。 「本気、ですか?」 「ァん、もちろん、よ…! あたしも、見てみたいの…。あのキョンが、これをくわえこんで、どんな顔するのか…」 その言葉に誘われるように、僕の脳みそは勝手にその姿を描き出す。 目の前の彼女の姿に重ねるように、猥らがましい姿のお兄さんを。 それは、彼女と同じようにお兄さんを穢すことだと分かっていても、止められない。 だって、僕が本当に好きなのはお兄さんただひとりなのだ。 それに、彼女からお兄さんについてあれこれ知らされているのもいけなかった。 今や僕は、涼宮さんに与えられる情報によってと言うことが腹立たしくはあるものの、機会さえあればお兄さんを篭絡出来るんじゃないかというくらい、お兄さんの弱いところを知っていた。 それが本当に正しい情報なのか、確かめられるだけでも嬉しいかもしれない。 でも僕は……。 「キョンに、知られたくない?」 僕の迷いを見透かしたように、涼宮さんが残酷に笑った。 「変なところで健気よね。あたしなんかと、…っは、こんなこと、してるくせに…!」 「…ほっといてください」 「いいわよ。古泉くんのそういうところ、嫌いじゃないから。……そう、ね…。その健気さに免じて、キョンにばれないままで出来るよう、考えてみてもいいわ」 「…本気で言ってるんですか?」 「あたしはつまらない冗談が大っ嫌いなの」 傲岸に言い放った彼女は舌なめずりをするように赤い赤い唇を舐めた。 「ほら、そろそろ本気出してよ。このままじゃイくにイけないでしょ? 終ってから、一緒に考えましょ。キョンに古泉くんだってばれないように、キョンを犯す方法をね」 「…了解しました」 まるで機械のように答えて、僕は彼女の望むように腰を使った。 計画実行の機会は、思っていたよりも早く訪れた。 お兄さんの稼ぎに頼っている形になっている涼宮さんは、一応自重という言葉も知っているようで、激しいプレイは必ずお兄さんの休みの前夜にすると決めている。 逆に言えば、休みの前夜は激しくなるということでもある。 その丁度いい時が、計画を立ててほんの三日で訪れた。 仕事で疲れて帰ってきたお兄さんにも、涼宮さんは容赦なんてしない。 「待ってたわよ、キョン」 と薄ら笑いで迎えるだけだ。 「あ…ああ」 ぎこちなく答えながらも、お兄さんの頬が赤いのは、これから待ち受けることをある程度予想しているからだろう。 で、僕はそんな様子をどこで見ているかというと、部屋の隅にこっそり隠れて見ているわけだ。 そのままじゃ当然見つかってしまうのだが、当然そこは考えてある。 …というか、涼宮さんがやりたがっただけなんですが。 「というわけで、キョン、今日はこれよ」 にこにこと普段は滅多に見せないだろう笑顔と共に涼宮さんが取り出したのは、淡いピンク色のアイマスクだった。 ただ、アイマスクとは言ってもかなりしっかりしたもので、付けられると見事に何も見えなくなることは確認済みだ。 お兄さんもそれを分かっているんだろう。 「…またか」 なんてため息を吐いている。 「またかじゃないの。それとも何? もっと奇抜なものでも試したいわけ? だったら――」 「誰もそんなこと言ってないだろ!?」 慌てるお兄さんに、涼宮さんはニヤッと意地の悪い笑みを見せ、 「じゃあ、なんて言うの?」 「うぐっ……」 とお兄さんが詰まることさえ涼宮さんは許さない。 「嫌なら…」 「…その、目隠し、を、…俺に、つけて、ください…っ」 屈辱に震えるお兄さんも可愛い、と思ったのは僕だけではないようだ。 満足気に微笑んだ涼宮さんは、 「そうよ。いつもそうやって従順にしてなさい」 と言いながら、それをお兄さんの目にしっかりとつけた。 「…相変わらず、よく出来たアイマスクだな」 ぼやき口調で言うお兄さんに、 「当然でしょ」 と涼宮さんは笑う。 「あたしがあんたのためにわざわざ厳選に厳選を重ねて、選んだんだから」 「ありがたくって涙が出るよ」 ため息混じりに言ったお兄さんの手を、涼宮さんが取る。 「これだけ遅くなったんだから、夕食は当然食べてきたんでしょ? さっさと寝室に行くわよ」 「風呂もなしかよ」 「分かってたくせに」 くすりと笑った涼宮さんが僕に目配せを寄越す。 それに頷いて、僕はこっそりと、足音を殺しながら、二人の後に続いて寝室に入った。 薄暗くした部屋の中で、涼宮さんは立たせたままのお兄さんの服に手を掛け、するすると実に手際よく脱がせ始めた。 お兄さんが抵抗ひとつしないのが、…当然なのに、不満だった。 「俺ばっかり脱がせてないで、お前も脱げよ」 「あたしは後でいいのよ」 そんな甘いと言えなくもない会話が、気に障る。 考えてみるまでもなく、涼宮さんの申し出を受けた時点で、二人がいちゃつく様を見せ付けられることなんて分かっていたはずであり、それも覚悟の上で誘惑に乗ったのだから、ここまで苛立たなくったっていいはずだ。 それなのに、抑え難いほど、僕は涼宮さんに嫉妬し、あんな人にいいようにされることを許容しているお兄さんがいっそ憎らしく思えた。 部屋は暗いが、涼宮さんには僕の表情くらいよく見えているんだろう。 意地悪く唇を歪めながら、見せつけるようにお兄さんにキスをした。 「あん…っ……ん」 聞こえてくるのは涼宮さんの声だ。 そんな声を上げるくらいには、お兄さんも積極的なようで、そう思うと余計に苛立たしさと切なさが募った。 涼宮さんがどんな女性であれ、お兄さんが好きなのは涼宮さんで、涼宮さんも涼宮さんなりにお兄さんを愛していると思うと、お兄さんが好きなくせして涼宮さんと肉体関係にある自分が酷く汚らわしく、しかも間の抜けた存在に思えた。 後で何を言われるか分かったものじゃないけれど、このまま帰ってしまおうか。 僕がそう思ったのを見透かしたと言うわけでもないのだろうが、涼宮さんはお兄さんをすっかり裸にしてしまった後、見事にベッドに押し倒して、僕を見た。 その目はこちらに来るように命じている。 僕はまるで夢遊病患者か操り人形のように覚束ない足取りでベッドに近づいた。 「キョン」 愛しげに涼宮さんが囁く。 「今日はたっぷり可愛がってあげるから、楽しみにしてなさいよ?」 「…そうかい」 「勿論、声を抑えたりなんかしたら許さないんだからね」 「はいはい…」 死刑宣告を受けたような暗い声でお兄さんは答えたけれど、何一つ身につけていないその体の中心がかすかに反応しかかっているのは明らかだ。 「ちょっと待ってなさい。色々と用意してあるんだから」 嬉々とした声で言った涼宮さんがベッドから下りて、クローゼットの中に仕舞いこんである怪しげな道具を取り出しておいて、僕に近づき、 「ほら、出番よ。好きに可愛がってやりなさい。あたしは適当に手出しさせてもらうから」 と淫靡な声で囁いた。 僕は、小さく頷くと、彼女に渡されたローションのボトルを手にベッドに脚をかけた。 ぎしりと音を立ててベッドが揺れる。 目の前にあるのは、夢にまで見たお兄さんの裸体だ。 先ほど感じた絶望にも似た気持ちなど忘れたように、あるいはそれを覚えているがゆえに自棄になったかのごとく、僕はその体に触れた。 爪先からゆっくりと、その形や質感を確かめるように体の上を辿っていく。 「ん……くすぐったいって…」 お兄さんは、まだ僕たちが入れ代わったことに気がついていないのだろう。 甘えるような声でそそるばかりの文句を呟いた。 脇腹を辿り、腹筋を撫でて、お兄さんの特に弱い場所である、胸の赤い突起に至ると、ひくりとお兄さんの体が震えた。 「あっ……ん…」 聞いてはいたけれど、実際に自分の目で見ると、こんなところで感じるのかと驚かされた。 涼宮さんはどこまでお兄さんを変えてしまったんだろう。 あんなに綺麗で、純粋だったお兄さんに、どれほどのことを教え込んだんだろう。 憎らしくて、強く抓りあげると、 「ひぅ…っ」 とお兄さんの喉が震え、慌てて力を緩めた。 それなのに、僕の横から涼宮さんが嘲笑する。 「痛くされて気持ちいいなんて、ほんと、あんたも相当の変態よね」 「ちが…っ」 かぁっとお兄さんの顔が赤く染まる。 「何が違うのよ。ほんとはもっと強くして欲しいんでしょ?」 「んなわけ、あるか…っ」 「そう? じゃあ、今日は優しくしてあげるわ」 ふふ、と笑った涼宮さんが僕に目配せする。 それはつまり、その通りにしろと言うことなんだろう。 もとより、僕がお兄さんに酷くなんて出来るはずなどない。 赤味を増した突起に、優しく口付けると、お兄さんの体が小さく震えた。 「ゃ、あ……」 嫌、と言いながら気持ちよさそうな声に、自分の耳を引き千切ってしまいたくなった。 その声を聞きたくなくて、僕は目の前の肌に意識を集中させる。 白くて綺麗な肌は滑らかで、触れているだけでも気持ちがいいくらいだ。 乱暴にしてしまったら壊れてしまいそうなのに。 「っ、とに、お前、意地悪だな…!」 悔しげにお兄さんが言い、涼宮さんが嗤った。 「何がよ」 「…っく……」 「言いたいことがあるならちゃんと言いなさいよ」 涼宮さんの声も聞きたくなくて、聞かせたくなくて、僕はお兄さんの頭に触れた。 髪を撫で、そっと耳を押さえる。 それなのに。 「…も、っと、ちゃんと、触れ…! こんな、中途半端なんじゃ、」 「物足りない?」 「っ、そうだよ…っ」 悔しげに唸ったお兄さんに、涼宮さんはクスリと意地悪く笑い、僕は何かを粉々に打ち壊されたようにすら感じた。 お兄さんは、そんな人じゃなかったはずなのに。 小さい頃、泣いていた僕の頭を優しく撫でてくれたその手の動きを思い出すように、僕はお兄さんの頭を撫でた。 その時だ。 「…ハルヒ……?」 お兄さんの声に、気色ばむような色が混ざったのは。 「…ハルヒ、だよな?」 「そうよ。他の誰だって言うのよ」 しれっとして言う涼宮さんは僕の手を掴んでお兄さんの頭から引き剥がすとお兄さんの腿へとそれを乗せた。 「こっちに触って欲しいんでしょ?」 「っ…」 言葉を詰まらせるお兄さんに、涼宮さんはあくまで冷淡な声で告げる。 「返事は?」 「…そう、だ…!」 「ほんとに、可愛くないんだから」 そう言いながらも愛しげな目つきは、可愛いと言っているようにしか思えなかった。 その目が僕に向けられたかと思うと、得意がるようなものに変わった。 …ああ、そうか。 彼女がしたかったのは、これだったのか。 納得した。 勿論、彼女のことだ。 3Pだって、やりたかったことであるのだろう。 だが、それに加えて、僕に見せ付けたかったのだ。 お兄さんが誰のものなのかということを、思い知らせたかったのだ。 僕は自分が薄く笑っていることを自覚しながらも、何を笑っているのかは分からなかった。 お兄さんのこんな有様を? それとも彼女の分かり辛いヤキモチを? あるいは自分の愚かさをだろうか。 分からない。 ただ、彼女がそういうつもりなら一層、僕はお兄さんに僕を感じてもらいたかった。 触れさせただけだった手を這わせ、硬くなっているものに触れると、 「ぁっ…ん、う…?」 とお兄さんが小さく声を上げる。 怪訝そうなのは、彼女がそんなことをして来ないからだろう。 でも僕は、彼女とは違う。 彼女の真似なんて出来ないし、したくもない。 だから、彼女が普段してくるように痛みの狭間にあるような快感ではなくて、気持ちのよさだけを味わわせてあげたくて、優しく愛撫を加える。 「やっ……ちょ、待って…」 困惑に揺れるお兄さんの声が心地好い。 もう、僕だとばれたらどうしようなんてことは思わなかった。 ばれるなら、ばれてしまえばいい。 そうなったら、僕はむしろ嬉しく感じるだろう。 「ぁっ、ア、あぁん…ん、っ、やあぁ…」 お兄さんの声が乱れるのを聞きながら、僕はそれを口に含み、優しく舐め上げた。 歯なんて立てない。 強く吸い上げたりもしない。 ただ、愛しいという思いを込めて、優しくするだけ。 その方がかえって残酷かもしれないと思いながら。 「はっ、ぁ、あぁ…っ!」 痛いくらい激しいのが彼女の愛し方なら、これが僕の愛し方だと言うようにすると、やがてお兄さんが白濁を僕の口の中に放った。 それを味わいながら嚥下して、僕は満足と共に微笑んだ。 …でも、これで終りになんてさせてあげられないんです。 ごめんなさい。 口に出せない分を胸の内で呟きながら、僕はぐったりしているお兄さんの脚の間に、ローションでどろどろになった自分の指を触れさせた。 それだけで、何をされるか分かるのだろう。 お兄さんがびくりと体を震わせ、 「ちょっと、待てって…っや、ァ…」 かすかに脚をばたつかせたけれど、そんなものが抵抗になるはずもなく、滑りを借りた指は難なくお兄さんの中に入り込んだ。 暖かくて柔らかなくせに、入り口は硬いくらい締まっている。 それでも、慣らされているのだろう、そこは少し指を動かしているだけで柔らかくほぐれ、一本きりでは足りないとばかりに収縮を始める。 「物欲しそうにして」 と涼宮さんが楽しげに嘲った。 「早く二本目が欲しいなら、ちゃんと言いなさいよ? 今日は乱暴になんてしてやらないんだから」 もういっそ黙ってもらえないかな、と思いながら僕はお兄さんの中をぐるりとかき回した。 「っあ…っ」 戸惑いにも似た声を上げるお兄さんの中を優しくほぐし、これ以上涼宮さんが無体なことを言い出す前にと二本目を差し込むと、お兄さんはそれをたやすく飲み込んだ。 「…っ、やっぱ、おか、しい…」 独り言のようにお兄さんが呟いたかと思うと、無理に上体を起こし、 「ハルヒ!! お前じゃないんだろ!?」 「なんのことよ」 くすくすと笑いながら涼宮さんは言う。 隠すつもりなんてないんだろう。 「あたしじゃなかったら誰だって言うの?」 「知るか…っ! とにかく離せ…!」 「だめよ」 そう言いながら、涼宮さんはお兄さんの腕を掴み、ベッドに縫いとめるようにして、押さえつけた。 「ハルヒ!」 「暴れるなら縛ってあげるわ。…全く、キョンのくせに手間を掛けさせるんだから……」 取り出したのは、赤い綿の細いロープだ。 それを使って手際よくお兄さんの両手首を結ぶと、そのままベッドに縛り付ける。 「ハルヒっ、やめろって…!」 「嬉しいくせに」 突き放すように言いながらも、彼女は楽しげに笑う。 「それとも、わざとしてるわけ? もっと激しくして欲しくて? ……だめよ。…ねぇ?」 と笑いかける相手は僕だった。 僕はぎゅっと眉をしかめながら、お兄さんの中をかき回す。 「ぅ、っ、……っん…」 さっきまでとは違って、お兄さんは必死に声を抑えている。 涼宮さんじゃないと分かったからだと思うと、悔しくて、僕は執拗なほどにお兄さんが感じる場所を押し上げた。 「っ! …ッ、ぅう…」 それでも、お兄さんは小さく呻くだけだ。 唇をきつく噛み締めて堪えている。 「もう、キョンったら。…唇に痕がついたら台無しでしょ」 そう言いながら、涼宮さんはお兄さんの唇をこじ開け、 「声を抑えたりしたらどうなるか、もう一度教えて欲しいの?」 と囁く。 その言葉が意味することは、僕には分かりやしない。 でも、お兄さんには十分な脅し文句として響いたのか、こじ開けられた唇からは、喘ぎ声が艶かしくも零れ始める。 「ぁっ、…っ、う、…んんぁ…!」 何より僕の胸を締め付けるのは、お兄さんがこんなにも感じているという事実だ。 その表情を見ても、声を聞いても、体の中心も何もかもが、こんな猥らがましい行為を快楽として受け取っていると分かってしまう。 口では嫌がりながらも、楽しんでいるのではないかと思えるほどに。 それが何より切なかった。 十分にほぐれた場所に、浅ましくも勃ち上がった自分のものを押し当てると、お兄さんの腰が誘うように揺れた。 「ぁ、や、やだ…っ、ハルヒ、嫌だって…」 泣き出しそうな声で訴えるお兄さんに、涼宮さんは冷酷に笑い、 「何が嫌だって言うのよ」 とせせら笑う。 「い、やぁ…!」 「キョンのクセに生意気よ」 「嫌、なんだって、俺は、お前じゃ、ないと……!」 「……嘘ばっかり」 ぽつりと呟かれた声は、どうしてだろう。 さっきまでとは調子が違うように思えた。 彼女の本音が漏れたとでも言うような、低い、余裕のない呟き。 でも僕には、その理由を問う余裕もなければ、彼女に対する興味も好奇心も持ち合わせていなかったから、なんとか閉じようとする脚を強引に開かせて、そのままお兄さんの中へと押し入った。 「や、ぁ、ああああぁぁ……!」 悲鳴染みた声を上げているけれど、痛みなんてろくに感じていないんだろう。 その証拠に、少しも萎えていない。 僕を受け入れて、まだ足りないとでも言うように締め付け、飲み込みきろうとする。 その望みを叶えてあげましょう、と僕は最奥を突く。 「ひあぁっ、やっ、やめ…っ!」 大きく腰を使ってぎりぎりまで引き抜けば、離すまいとするかのように絡み付いてくる。 …いやらしい体。 「やらっ…あ、あ、無理ぃぃ…!」 何が無理なんですか。 こんなにおいしそうに飲み込んでるくせに。 気持ちよくて、声も抑えられなくなってるくせに。 「ハルヒっ、や、これ、違う…っ」 「違わないわよ」 くすくすと笑いながら、涼宮さんは見え透いた嘘を告げる。 「入ってるのはあたしの指よ? そうじゃなかったら誰のなんだって言うのよ」 「な、にって、ぁ、アァ…!」 「言えないんでしょ? つまりそれはあたしの指なのよ。何本も入ってるから、そうと思えないだけで」 その言葉が癇に障る。 まるで、たとえこうしてお兄さんを抱いていても、ただ彼女の代わりを務めているだけのようで。 「あたしのこと、信じられない?」 「っ、ちが、けど……っ、とにかく…! ぁっ、アンっ…や、あぁ…!」 「…好きよ、キョン」 囁いた彼女がお兄さんに口付ける。 憎らしいほど、愛しげに。 僕はそれを見ていたくなくて、行為に集中する。 涼宮さんの声を、お兄さんの声でかき消したかった。 何度目かに突き上げた時、お兄さんの中が強く締まり、僕はまるで搾り取られるようにして精を吐き出した。 強く締まったのは、お兄さんが達したからだと分かると、余計に眉間の皺が深まった。 後ろだけでイケるほど、開発されてるんですね。 …よっぽどそう言ってやろうかと思ったくらいだった。 ――でも、どうしようもないのは僕も同じだ。 お兄さんのこんな姿を見ても、二人の関係を見せ付けられても、僕はまだ、お兄さんが愛しくてならないままなんだから。 いっそ、諦められたら、幻滅出来たらと思うほどに、お兄さんが愛しい。 絶対、手に入れられやしないのに。 悔しさに奥歯を噛み締めながら引き抜くと、お兄さんはそのままぐったりとベッドに沈み込む。 それでも、意識を失ったりはしていないらしい。 そのお兄さんの耳元に唇を寄せて、涼宮さんは囁いた。 「キョン、気持ちよかったでしょ? …これからも、時々こうして可愛がってあげるから、楽しみにしてなさいよ」 うっとりと、酷く楽しげに。 それにお兄さんが頷いたなんてことは、あり得ない。 ただの目の錯覚だ。 |