エロです
こたつプレイをリクされたはずなのに、
こたつの存在感が薄くて色々と申し訳ないです
ごめんなさい…!!!













































ベストウォーマー?



今日は何でも、今年一番の冷え込みだとかで、かなりの積雪が予想されていたそうだ。
降り始める前から何を言っているんだとか、言うほど今日は寒くないんじゃないかとか思いはしたが、それを理由に温かい家の中に入れてもらえるのなら文句はない。
入る前にしっかりと足の裏を拭かれたばかりか、家に上げられるなり風呂で洗われたのには閉口したが、それでも、今こうやってぬくぬくとしていられるのなら構わんさ。
こたつの中にもぐりこんでまだ湿り気の残る毛を舐めて乾かす。
「手伝いますよ」
ともぐりこんできたのは言うまでもなく古泉だ。
「それじゃ、頭の辺りを頼む」
自分では舐めようがないからな。
「ほかの場所も任せてくださって構いませんよ?」
「んー……」
考えながら、体の力を抜く。
風呂で緊張させられたからか、えらく疲れているのは分かっていた。
しかもここは温かくて、眠気が押し寄せてくるようだ。
古泉が小さい舌を使って一生懸命舐めてくれるのもあって、余計に眠くなってくる。
とろとろと眠り込んでしまいそうになりながら、
「…いい、か?」
「はい、お任せください」
嬉しそうに言った古泉に笑みを返して、
「んじゃ、頼む。俺は、」
「少しお休みになっていいですよ」
「……さんきゅ」
のそりと体勢を整えて、俺は目を閉じた。
のんびり眠っていられるのもどうせハルヒが帰るまでの間だろうしな。
思った以上に疲れていたらしく、俺はあっという間に眠っていた。
……までは、よかったのだが。
「……なんでまた、こんなことになってんだ…?」
呟いた言葉は、いつもの声とは違っていた。
人間のそれだ。
ついでに言うと、目の前でにやけている顔も、見慣れてはないが見覚えがあった。
「…古泉、お前やっぱり妙な魔力でも持った猫なんだろ」
「どうしてそんなことを仰るんです?」
心外だとばかりに眉を寄せたが、そうでなければ説明が付かん。
「俺の毛皮を返せ…」
唸るように言いながら尻尾を逆立てると、
「僕のせいじゃありませんってば」
と言われた。
「そう言いながら、お前は何をしてたんだ?」
じろりと睨みつければ、古泉はへらりと笑った。
普段よりずっと器用な人間の指先が、俺の胸をまさぐり始めるが、俺が目を覚ます前からそうしていたことは明白だ。
「この、ばか猫…っ!」
上擦りかける声を何とか支えながらそう罵れば、
「すみません」
なんて言葉が返って来たが、悪いなんて欠片も思ってないんだろうが。
古泉の指が触れるだけで、ひくんと体が震え、熱を持ってくるのが分かる。
この熱は明らかに、こたつの中にいるからというのとは違う。
「や、めろ、このバカ…!」
「酷いですね。つがった相手に対してそれはないんじゃないですか?」
「誰がツガイだ!」
吠え立ててやっても古泉には少しも堪えないらしい。
「好きって言ってくださったじゃないですか」
俺は言ってねえ!
「強情ですね。…あの時も、気持ちよかったでしょう?」
ねちっこく耳元で囁かれて、ぞくりとしたものが背中を駆け上る。
やばい、なんか知らんがこれはやばいと頭のどこかが警鐘を鳴らす。
「今回は初めてというわけでもないんですし、前よりもっと気持ちよくしますよ?」
「だ、れが、んなこと、しろって…っ、言ってんだよ…!」
胸の突起を押し潰してくるのを何とか押し返そうとしながら言えば、古泉はへらりと笑い、
「気持ちいい方がいいじゃないですか。どちらにせよ、することはするつもりでいますし」
ハルヒー! ここにケダモノがいるぞー! どこかに捨ててきてくれー!
「そう照れなくてもいいじゃありませんか。あなただって…嫌いじゃないでしょう? 気持ちいいこと」
「…っ、そうだ、誰かに、気付かれたらどうすんだよ…!」
前と違って家の中、それもこたつの中なんだぞ。
「大丈夫ですよ。…これも夢ですから」
「……は?」
「夢です。当然でしょう? どこに行ったら大の男が二人してすっぽり入れるような大きなこたつがあると思うんです? もちろん、探せばどこかにはあるかもしれませんが、とりあえず、涼宮家にはありませんよ」
だから、と古泉が俺の耳を甘噛みすると、
「ひあ…!」
とむず痒い感覚と共に、その感覚と似たり寄ったりの声が出た。
「楽しんだもの勝ちだと思いませんか」
甘ったるい声で口説きながらも古泉の手は止まらない。
押し潰したり、抓んだり、引っ掻いたりと好き勝手に振舞うそれに翻弄され、興奮させられるってのはオスとしてどうなんだ。
しかしながら、古泉に押し倒された状態では俺に勝ち目がないことなど言うまでもなく、しばらく歯を食いしばって耐えたのもむなしく、俺は知らない間に零れ始めていた涙を振り落としながら、
「いた、く、しない…だろう、な…?」
と問い返す。
にやりと嫌な感じに唇を歪めた古泉は、そのくせ酷く優しげな声で、
「ええ、約束します。気持ちよくして差し上げますよ。あなたがこれまでに感じたことがないくらい、ね」
気持ちよくなんてそんなのはどうでもいい。
俺が聞きたいのはそういうことじゃない。
俺は古泉の頭を引き寄せて、至近距離で問うた。
そうでもしなけりゃ聞こえないような掠れ声しか出せなかったし、古泉の目を見るにはそうしないとならないくらい、視界が不明瞭だったのだ。
「…っ、気持ちいいから、したい、のか…?」
「違います」
はっきりと古泉は即答した。
「あなたと繋がりたいんです。あなたが、好きだから。そんな可能性が全くないと分かっていても、あなたに……僕の子供を産んでもらいたいから…交尾したいんです」
それならいい、と俺は小さく笑った。
それを口にする代わりに、古泉に出来るだけはっきりした声で言ってやる。
「全くない、とは、言い切れんだろ…?」
「え…?」
「これは夢だと断言したのは、お前だぞ。夢なら…何が起こったって不思議はないだろうが」
「…そう、でしょうか…」
「それに、」
俺は言うつもりのなかった言葉を口にした。
どうせ夢だ、言っちまったって構わんだろう。
「…この前、夢を見たんだ。犬だか猫だか分からんようなちっこい生き物に、ママだの母さんだの好きに呼ばれる夢をな」
古泉の表情が感激に染まったかと思うと、そのまま唇を重ねられた。
「愛してます」
熱っぽく囁く言葉と、体に与えられる刺激、それからこたつの熱のどれに、俺はここまで体温を押し上げられているんだろうか。
そう思いながら、俺は手を伸ばし、古泉を抱きしめてやりながら、
「…俺、も」
と小さく囁き返す。
聞こえなくていいと思ったってのに、そういう言葉に限って届くもんなんだよな。
嬉しそうにぱあっと顔を輝かせた古泉が更に熱烈なキスを寄越す。
唇を舐めて、舌を絡めると、いつもよりずっとざらついていない、滑らかな舌がくすぐったくてならない。
唇の端から零れる唾液も。
何より重なり合う呼吸がむず痒い。
「……ふ…ぅ…、っ、んん…」
「気持ちいい、ですか? それとも、苦しい…?」
心配そうに聞いてくる古泉に、言葉で答える代わりに、腰を押し付けて答えを示すと、古泉が小さく笑った。
「すっかり硬くなってますね」
からかうのではなく喜びに満ちた声で古泉は言った。
「お、まえ…だって……」
そう言って、俺よりずっと凄いことになっちまっているグロテスクなものへぐりりと腰を押し付けると、
「っは…」
と古泉がかすかに声を上げた。
「はや、く…」
「そう、したいのは山々ですけどね…。あなたの準備がまだでしょう?」
夢だってのに面倒なもんだな。
「面倒なんかじゃありませんよ。むしろ、あなたが僕を受け入れられるようにするというのも楽しいんです」
にやにやしながらそう言った古泉は、俺が文句を言うより早く、
「脚、開いてくださいね」
と恥ずかしげもなく言いやがった。
もっとも、羞恥心を持ち合わせていないのは俺も同じことで、色んな意味で熱くなった頭は何の役にも立たず、体は勝手に弛緩して、言われるままに大きく脚を広げる。
俺みたいなのにそんな風にされたら、かえって萎えるんじゃないかと思わないでもないのだが、古泉はごくりと喉を鳴らし、
「堪りませんね…。とても扇情的で、素敵ですよ」
「ばか、言ってない、で…早く…っ…」
古泉を睨み上げながらそう文句を言えば、柔らかく笑った古泉が前回と同じようにそこへ唇を寄せ、舌を這わせ始めた。
くすぐったいという以上に腰が震えてくるような感覚に、ガクガクと全身を震わせながら、
「っ、ん、ぅ、ぁあ…っ、ぁ、あ…!」
と聞き苦しい声を垂れ流す。
「凄い……。ここ、もう、すぐにでも飲み込んでいきそうになってますよ。そんなに欲しかったんですか?」
「知らん…っ!」
「ほら、こんなにぐちゅぐちゅ言ってますよ? 聞こえませんか?」
そう言って、胸の突起を唇で挟んで弄びながら、古泉は殊更に音を立てて指を動かした。
だが、俺の方に音を聞く余裕が残っていない以上、無駄なことだ。
体の内側に感じる感覚に腰を揺らすばかりだ。
「も、いい、から…っぁ、」
「繋がりたい、ですか?」
興奮に染まりきった声と顔で聞いてくる古泉に、何度もはっきり頷けば、古泉が嬉しそうに笑って、
「僕もです。痛くないようゆっくりしますね…」
と言って、俺の唇に口付けた。
はぁはぁと荒い呼吸を重ね合わせながら、古泉が熱く昂ぶったものを押し付けてくると、それだけでびくんと体が震えた。
喜悦によるそれを恐怖によるものだとでも思ったのか、古泉は少しばかり慌てたような顔をして、
「すみません、出来るだけゆっくりします、から……怖がらないで…」
「だい、じょうぶ、だ、から…」
早く、とねだれば、古泉は困ったように笑いながら、少し腰を進めた。
「ぃ…っ…!」
一番狭い場所を一番太い部分が通ろうとする感覚に、少しの痛みとどうしようもないくらいの気持ちよさが湧き上がってくる。
一番苦しいところを一息に過ぎた後は、俺の反応をうかがうようにじわじわと入り込んでくる感覚が精神的に辛い。
痛みがもう少しあった方がいい、というのは別に俺が痛みに悦るようなやつだからではなく、単純に、慣れない上に強すぎる快感におかしくなってしまいそうだからだ。
「大丈夫ですよ」
優しく俺の頬や首筋に口付け、鼻筋を舐めながら古泉が言った。
「そんなことでおかしくなったりなんてしませんよ。…少なくとも、あなたは大丈夫です」
「なん、で…っん、そう、言い切れるんだよ…!」
今だって、あまりに長く続くぞくぞくした感覚に頭が焼き切れてしまいそうだってのに。
「たとえどんなにショックなことがあったとしても、大抵はそう簡単におかしくなれるもんでもないですし、大体、これくらいのことでおかしくなったりはしないものでしょう?」
それが分からんから戸惑ってるんだから聞くんじゃない。
「とりあえず、声は抑えない方が楽だと思いますよ。僕も…あなたの啼く声が聞きたいですし」
「っ…、こん、ど、耳元で遠吠えしてやる…っ!」
「どうぞ。あなたの声ならいくらだって聞きたいくらいですからね」
くす、と笑った古泉が少しだけ眉を寄せて、ぐいとまた少し腰を進めた。
「ひあ…っ!?」
「もう少しで全部入りますから…」
「ぅ、…っく、ぁ、……ぁ、ああ…!」
「……ほら、…これで、全部です…っ…」
「っ……は……ぁ……」
じっと動かないまま、古泉は俺を抱きしめた。
「…愛してます。…あなたが、好きです」
「ん…」
「前は、乱暴になってしまったでしょう? そうしてしまうつもりはなかったのですが、つい、夢中になってしまって……」
「ああ…そうだろうな…」
「あなたがいいと言ってくれるなんて信じられなくて、それで……。でも今日は、違いますから」
そう言って古泉は微笑む。
「あなたが、頷いてくれたから、焦らなくてもいいんだと思えるんです」
「……ばか」
頷いたりしなかったとしても分かってたんだろ、お前には。
俺がお前を、とっくの昔に好きになっちまってたなんてことは。
俺は古泉を抱きしめ返しながら、その耳を呼び寄せる。
三角形の、俺の大好きな形をした、耳。
俺のも似たようなもんだが、やっぱり違うそれに唇を近づけると、中に埋め込まれたものが少しばかり動き、俺は眉を寄せる破目になったが、とにかくこれだけは言ってやろうと口を開き、掠れた声で囁いた。
「…愛してる……」
次の瞬間、大きく目を見開いた古泉は俺を見つめ、そうしてくしゃくしゃに顔を歪めて喜びを表すと、
「僕もです」
と嬉しそうに言った。
こんなに体温が上がってて、こたつの中にいて、暑くてならなかったはずだってのに、温かい、と思った。
その笑みが、言葉が、好きだと告げられたその気持ちが、温かい。
「愛してる」
微笑みながら繰り返す俺にキスしながら、古泉が少しだけ腰を揺らすと、
「ふあ…っ!」
「いい、ですよね…?」
「ん……。俺ん中、いっぱいにして…孕ませて……」
「ええ、いくらだって」
古泉が腰を引けば、それを惜しむように体が絡みつき、古泉が腰を進めれば俺の体は悦んで迎え入れる。
「ぁ、んっ…、ぁ……ああっ…! こい、ずみ…! 好き…!」
嬌声にうわ言のような呟きが混ざれば、古泉はそれを笑いもせずにむしろこちらが笑いたくなるほど馬鹿丁寧に、俺が零した馬鹿げた呟きを一つ一つ拾い上げるように、
「僕も、好きです。あなたを愛しています」
と返す。
嬉しさに胸の中がどんどん熱くなっていく。
このまま融けてしまいそうだとさえ思うくらい。
「あ、も、もう…っ、いく、から…!」
「僕も、です…っ…」
余裕を失った古泉の声と共に、抽挿が激しくなる。
そうして、もう一押しと思った瞬間、
「キョーン? どこ行ったのよ、もう!」
というハルヒの声が聞こえてきて、俺はびくりと竦みあがった。
一体どういうことだ。
これは夢じゃなかったのか?
ハルヒが俺を呼びに来るなんて。
こんなの見られたら一体どうなるんだ?
そう慌てたからだろうか。
はたと気がつけば俺ののた打ち回ってやりたくなるような夢は覚め、俺はこたつの中で寝転がっていた。
一瞬、まだ夢が覚めてないのかと思ったがそれは大間違いで、俺の前足は元通りの毛むくじゃらになっていたし、古泉はといえば、俺の毛づくろいをしているうちに疲れちまったのだろう、俺の背中に乗っかってすやすや眠りこけていやがった。
というか、流石に暑い。
こたつの中にどれだけいたんだ?
古泉を起こさないよう気をつけながらずりずりと体を前進させ、こたつ布団からなんとか顔を出すと、
「キョン、あんたったらまだそんなとこにいたわけ?」
ハルヒが呆れた声で言って俺の頭を撫でた。
「熱っ。のぼせてない? 大丈夫?」
「大丈夫だ」
と答えたものの、のぼせる寸前であることに間違いはない。
こたつの外を涼しく感じ、しかもそれを快く思うんだからな。
しかし、俺は背中で寝こけている温かな生き物を振り落とすつもりにはならなかった。
夢の中での話とは言え、ツガイの相手なんだ。
少しくらい、大事にしてやらなきゃ、な。