エロです
むしろいちゃついてるだけ?
…ってくらい中身がありません
ぶっちゃけ、「ホテルで出来ました」の省略部分のみです
ご理解の上でバッチこーい! って人だけどうぞ















































甘ったるい



キスだけで腰が立たなくなってしまいそうになるんだから、やりたいことがあるなら先に済ませておくべきだよな。
そう判断した俺は、古泉の背中に回していた腕を肩へと滑らせ、体を離した。
「風呂…入るだろ?」
「そうですね。…一緒に、ですか?」
にやけた顔で聞かれても、文句を言う気にもならない。
それくらい、飢えていた。
古泉の体に、熱に。
「ん…。頭くらい、洗ってやるよ」
「では、あなたのことは僕が全身隈なく洗いますね」
なんて、浮かれた声で言った古泉に、
「お前のことも洗ってやろうか」
と言ってやりながら、シャツのボタンに指をかけると、古泉は嬉しさと戸惑いがない交ぜになったような表情で、
「本当に今日は、凄く積極的なんですね…」
「…嫌か?」
そう小さな声で聞けば、
「そんなまさか。…嬉しいです」
と囁かれた。
古泉の手が俺のズボンにかかる。
もう一度、と唇を合わせられ、舌が絡む。
「あ…っぁ、……ふ…」
獣染みた荒い呼吸の間に声が混ざると、古泉は嬉しそうに目を細めて俺の舌を吸い上げた。
「ん…!」
くらくらして、何も分からなくなりそうになりながら、それでも俺は古泉のシャツを脱がせ、ズボンを脱がせにかかる。
古泉はと言うと、俺よりも余裕があるのか、あっさりと俺を脱がせちまった。
残っているのは下着ばかりだ。
その中では、早く解放してくれとばかりに身を震わせているものがある。
そこだけは俺も古泉も変わらないのが、少なからず有り難かった。
すっかり服を脱がせてしまった後もキスは止められなくて、そのままどれくらいキスを続けていたんだろうな。
空調が効いて温かいとはいえ、流石に肌寒くなってきた辺りで、古泉の方から唇を離した。
「…お風呂に、行きましょうか」
「ああ…」
離れ難くて、その腕に縋っていたら、悔しいほどあっさりと抱き上げられちまった。
「んな…っ!?」
「いちゃつきたかったんでしょう? これくらい、いいじゃありませんか」
にこにこと笑ってそう言った古泉に、俺は反論の言葉も失い、真っ赤になった顔を背けるしかない。
そうして運び込まれたバスルームは、普通のホテルなんかよりもずっと広かった。
浴槽だけでも、下手なマンションのバスルームより広いんじゃないだろうか。
複数人数での利用を想定していることはまず間違いない。
そこに湯をはりながら、慎重に床に下ろされた俺は、中に置かれている備品にざっと目を走らせた。
「古泉、これなんかどうだ?」
「はい?」
無造作に覗き込んだ古泉の目の前にそれを突きつけてやると、古泉が軽く目を見張った。
「…ローション風呂の素、ですか」
「嫌いか?」
「好きか嫌いかと言われれば、僕も男ですからね。好きな方ですけど……いいんですか? それを使ったら、後はもうどうなるかお分かりですよね?」
言いながら、古泉の目にかすかに滲んだ熱の色に、俺はニヤリと笑う。
おそらく俺も似たような色をした目をしているに違いないと思いながら。
「そりゃな。…分かってて、使おうと言ってるとしたら?」
返事は抱きしめてのキスだった。
今日だけで何度キスをするんだろうな。
これまで足りなかった分まですることは確実なんだろうが。
湯がたまるのを待ちながら、シャワーから湯を放つ。
「先に頭洗ってやるよ」
と声を掛けてやると、古泉は笑って、
「それじゃあ、お願いします」
と大人しく椅子に座った。
その背後に膝をついて、シャワーで髪を濡らしてやると、いつもよりも深みを増した髪の色や、滴る水滴まで妙に艶かしく見えた。
……だめだな、こりゃ。
「やっぱりやめた」
そう呟くように言えば、驚いたように古泉が振り向く。
その唇にキスをして、
「まどろっこしくてやってられん」
「それはそれは」
苦笑混じりに言った古泉の肩に手を置いたまま、ボディーソープに手を伸ばす。
ポンプを押せば、滑る白濁液としか言いようのないものが出てきた。
……場所が場所なだけに仕方ないのだろうか、と思いはしたが黙っておいた。
こんなところまで来て雰囲気をぶち壊す必要もないだろう。
勿体無いくらい手の平いっぱいに広げたそれを、見せつけるようにわざとにちゃにちゃ言わせていると、古泉の喉が鳴った。
それに気をよくしつつ、
「なあ、お前、ソープとか行ったことあんのか?」
「はっ!? あ、あると思うんですか!?」
本気で驚いている古泉に、
「いや、ないとは思ったが、念のために。行ったことあるなら、どんなもんか聞きたかったんだが」
知らないなら仕方がない。
「聞いてどうするんです」
怪訝そうな古泉に、
「真似してみようかと思っただけだ」
「な…っ」
真っ赤になって絶句している古泉の耳を甘噛みして、
「してほしく、ないか?」
「う…」
それは勿論してほしくないわけじゃないんですけどやっぱりそれは流石にどうかと……みたいなことをごちゃごちゃと言おうとした古泉に、俺は口角を上げつつ、自分の体にボディーソープを塗りたくってやる。
三ヶ月ばかり前に覚えさせられたものをまだ忘れずにいるのか、俺の胸の突起はもうツンと硬くなっていて、滑りを帯びた自分の指が触れるだけでくすぐったいような感覚をもたらす。
「…嫌じゃないなら、してやる」
それを予告に、古泉の背中にぬちゃぬちゃになった体を押し付けると、
「うわ…っ」
と古泉が声を上げた。
「ん…っ、ぁ、やばい……」
古泉の両手を拘束するように抱きしめ、体を上下に揺らすと、押し潰された突起が快感をもたらす。
「気持ち、いいん、ですか…?」
分かりきったことを聞いてくる古泉に、
「いい…っ…。お前、は…? こんな、平坦な体じゃ、物足りないか?」
「い、いえ、そんなことは…全然…!」
じゃあどうなんだ、と問う代わりに、古泉の体の前面に回した右手を滑らせ、股間へ持っていくと、硬くなったものに指先が触れた。
「ちょっ…」
「いいから。…洗ってやるって、言っただろ」
絡めた指を、最初の時の古泉の動きを思い出しながら動かすと、古泉の唇から殺しきれなかった声が零れ始める。
こんなことが楽しいのは、相手が古泉だからだ。
くすくす笑いながら、俺は自分も気持ちよくなるべく、体を押し付ける。
震える古泉のそれに、限界が近いんだろうと見当をつけたところで、いきなり、
「…もう、我慢できません…!」
と言った古泉に引き寄せられた。
「うわっ!?」
バランスを崩しかけたが、何とか頭を床にぶつけたりはしなくて済んだらしい。
その代わりに、古泉に捕らえられる。
きつく抱きしめた俺の腿の辺りに古泉のものが当たっているのが分かる。
「古泉…?」
「今度は、僕があなたを洗ってあげますから」
そう言って古泉はたっぷりとボディーソープを広げると、俺の体を弄り回し始めた。
「やっ……待て…って…!」
触れられるだけでもどうにかなってしまいそうな場所を、滑った手で触れられ、しかもあからさまなほど情欲に満ちた目で見つめられて、体が仰け反る。
少し動くだけで古泉の膝から滑り落ちてしまいそうだってのに。
「待てません。…落とさないよう、気をつけますから」
「あ、お、落とすなよ…! ひゃ、ぁあ…!」
抑えきれない声を抑えるために口を塞ぎたくても、古泉の体に縋るのに精一杯な腕に余力などない。
淫猥にすら思えてくる水っぽい音と共に、バスルームに声が響き渡る。
古泉に触れられると、首筋や肩、腕、手の平さえ気持ちいい。
それが更に脇腹や背中、胸に触れてくると、それだけで達してしまいそうになるくらいだ。
「ア…っ、う、ぁ、古泉…っ! とめ、て…」
「どうしてです?」
「ふあ…っ!」
人が話そうとしてるんだから乳首を抓み上げるんじゃない!
「…っ、まだ、いきたく、ない…!」
「……本当に、可愛い人ですね」
笑いながら古泉は手を緩め、
「お湯もたまったようですし、ローション風呂でも試しますか」
と楽しげに言いやがった。
ぬるぬるねちょねちょはもう十分じゃないかと思いつつ、俺には抵抗する気力すら残っていない。
古泉が入浴剤を溶かし込むのを放心状態で見ているだけだ。
「大丈夫ですか?」
親切ごかして聞いてきた古泉には、
「何がだ…」
と返すしかない。
俺の頭か、体か。
頭なら完全にどうにかなっちまっていてどうしようもない以上、大丈夫ではない。
体も、別に傷めたりはしていないから大丈夫と言えなくもないのだが、切羽詰った状況で放り出され、大丈夫じゃないといえば全く以って大丈夫なんかじゃない。
「気分はどうです?」
そう来たか。
「……最高で最悪だ」
ふわふわ浮ついた感情と、苛立ちや悔しさのようなどす黒い感情とがせめぎあっている気がする。
いい加減、カオスだ。
「人間の感情と言うものは元々そういうものかもしれませんよ。本人にとっても計り知れないほど、混沌としていて、」
「古泉、悪いが今の俺にお前の訳の分からん説明を聞いていられるだけの余裕はないんだが?」
そう睨みあげてやると、古泉は優しく微笑み、俺の体を抱いて浴槽に入った。
ローション風呂は、なんとなく滑ったものが体に絡むような、不思議な感覚がした。
温泉に入ると指がぬるぬるになったりするが、それを強めた感じ、とでも言えばいいんだろうか。
そんな中で俺の体を膝に抱えるような形で抱きしめた古泉は、俺の耳元に殊更に唇を寄せながら、
「どう、して欲しいですか?」
「…っ、分かってん、だろうが…!」
普通なら萎えるだろうと思うような低い声で唸っても、古泉にはどうってこともないらしい。
むしろにやにや笑いながら、
「僕の好きにしていいってことですよね?」
などと確認を求めてくるのへ乱暴に頷けば、脚の間に古泉の手が滑り込んできた。
「…っひ、ぅ…!」
すべりのいい液体の中で、内腿をなぞりあげた指が、その付け根から奥へと入り込んでくると、腰が揺れた。
期待感のせいではないと祈りたい。
これだけ滑っていれば、当然なのかもしれないが、当人としては驚き呆れるしかないほどあっさりと、古泉の指は入り込んできた。
三ヶ月ぶりだってのに、難なく。
「んっ…う、く…」
「苦しいですか?」
判断しかねているんだろう。
そう心配そうに聞いてくる古泉に、
「……はっ…ぁ、もっと…!」
と見っとも無くねだれば、その目が細められる。
「愛してます」
そう告げながら、性急に指を動かされ、かき回されるような動きに俺は体を竦ませる。
「あぅ…っ、ん、く…ふ……」
「可愛いです」
囁きながら、古泉は反対の手で胸への刺激を再開する。
「やぁ…!」
「嫌、ですか?」
「だ、から……まだ…っ、い、きたく、ねえって…」
「気にしなくていいんですよ?」
「いい、から…早く…っ……なか、に…ぃ…!」
「まだ早いでしょう」
「や、だ…っ、も、我慢、出来ない、から…」
精一杯の媚態を作って、出来るだけ首を後ろへ回すと、唇を重ねられた。
絡んだ舌だけで達してしまいそうになるのを堪えていると、指とは違うものが貪欲に収縮する場所に触れた。
「ぁ…っ、こい、ずみ……」
「痛んだら、言ってくださいね」
「ん…」
軽く腰を持ち上げられ、宛がわれたものに喉が鳴る。
「はや、く…っ、ん、ぁ、ああ、…ん…ぅっ!」
じわじわと入り込んでくるその熱に、大きさにくらくらする。
ずっと我慢していた分まで感じているようにさえ思えてくるくらいだ。
「痛みません、か…?」
「痛く、ない…っ、ぞくぞく、する…!」
なんて叫んじまった俺は完全にイカレてたとしか言いようがない。
「早く…、奥まで…ほし…」
全身を震わせながらそう訴えて振り向けば、古泉が唖然としているのが見え、それこそ氷水を浴びせられたところでこうはいかんだろうというくらい一瞬で頭が冷えた。
そのくせ、羞恥で耳まで真っ赤になるし、それでも気持ちいいものはどうしようもなくて、
「っ、お、俺…!」
と慌てて古泉の上から逃げようとしたところを抱きしめられて止められた。
「もう……、一体、何なんですかあなた…」
「何って…」
今のあの有様からすると正直淫売と罵られても仕方がない気がするが、そういうことなのか?
「違いますよ。…本当にもう……」
古泉が強く俺を抱き寄せたせいで最奥を突き上げられ、視界が明滅し、思考能力がどこかへ弾ける。
同時に、限界を迎えた堪え性のないものが白濁を吐き出す。
「かっ……は…!」
苦しいまま、さっきみたいな見っとも無い声を上げたくなくて必死に堪えた俺の耳元で、
「可愛すぎて心配になります」
と古泉は囁いた。
「うそ、つけ…。ドンビキした、くせ、に…」
「してませんよ。…予想外すぎて、驚いてしまっただけです」
そう言ってくすりと笑った古泉は、
「痛くないなら、これくらい、いいですよね?」
などと言いながら俺の腰を掴み直したかと思うとぐるりと俺の体を反転させた。
「んぅー…っ!」
「あれ? 今度は聞かせてくれないんですか? …あなたの声が聞きたかったんですけど」
そう言いながら薄く笑った古泉が俺の唇に口付ける。
「だ、って……は、ずかし…しっ、」
恥かしいと訴えているというのに、古泉は俺の口からどうしようもなく恥かしい声を引き出したいかのように、口を開くのを狙って軽く揺さぶってくる。
その度に必死に息を詰める俺に、古泉は優しく笑って、
「聞かせてください。…あなたの、可愛い声」
「かわ、いく、…っ、なん、か…っ! ひぅ…!」
くそ、変な声が少しだが出ちまったじゃねえか。
「可愛いですよ。他の誰にも聞かせたくない声です。…僕にだけ、聞かせてください、ね?」
「あ、たり、ま…んん…!」
「…じゃあ、聞かせてくださいよ」
そう言った古泉の舌が俺の口の中へ入り込んでくる。
柔らかくくすぐられ、歯列を割られると俺にはもう歯を食いしばって堪えることも出来なくなり、聞き苦しい声が零れていく。
それに合わせて、突き上げる動作も激しさを増し、俺の吐き出したもので濁ったお湯が大きく波打つ。
「ふぁ、あ、んぁあ…っ」
「…可愛い」
ぽそりと呟くように言って、古泉が胸をまさぐり始める。
「やぁ…っ…!」
「嫌じゃないんでしょう? こうして欲しくて、僕を誘ってくれたんじゃなかったんですか?」
「…っ…ずるい、だろ…」
無理矢理に睨みつけてやっても、古泉は嬉しそうに笑うだけで、
「事実は事実ですから」
と言ってキスを寄越し、
「時間はいっぱいあるから、たっぷり楽しむんですよね?」
などと確認を求めてきやがったので、俺はその唇に八つ当たりするように噛み付いてやった。
そんな風に意地の悪いことをされても嫌いになれない自分に、なによりも腹が立った。
それでも結局、俺はこいつを好きで、嫌いになんてなれないままなんだろうな。
ため息を吐けばいいのかどうすればいいのか分からなくなりながら、俺は古泉の肩に爪を立てたのだった。