エロです
酔っ払いです
泥酔時のセックスは体に大きな負担を掛けるので、
よい子は真似しちゃいけませんよ!!←











































もっともっと!



珍しくも床を雑巾掛けしてみたり、特に意味もなくカトラリーを磨いてみたりしながら、大人しく過ごしていた。
既に和希も有希も眠りについており、家の中は静かなものだ。
僕もそろそろ寝ようかと思わないでもないのだけれど、眠れないこともあってつい起きていた。
眠れないのは、彼がいないからだ。
僕の大切な人。
何より愛しい生涯の伴侶。
彼がいなければ僕はろくに眠れもしないのかと思うと、呆れて笑えて来た。
自分でも甘えすぎているとは思うけれど、彼の温もりと共に眠るのが、この数年の間で当たり前になってしまったらしい。
あるいは、出先でもなんでもないのに、彼がいないということ、もしくは、家の中に彼がいないということが理由で寝付かれないのかも知れなかった。
それくらい、僕にとって彼の存在は大きいのだ。
その彼がどこに行っているのかと言えば、同じゼミの人たちと飲みに行ったまま、日付が変わっても帰ってきてないのだ。
遅くなる、と言われていた手前、電話などして彼に鬱陶しがられるのもよろしくないだろうと、僕は電話も掛けられず、こうして何か集中できる作業を求めて夜の家の中をうろついている。
それにしても遅いな、と嘆きながら時計を見ると、そろそろ二時になる頃だった。
二次会どころか三次会まで出ているんだろうか。
あまり強くないんだから、ほどほどにすればいいのに、よっぽど楽しいんだろう。
僕も飲んで帰ることがある手前、文句も言えない。
でも、早く帰ってきてほしい、とため息を吐きながら、風呂場を磨きに行く。
そんなことをするうちに、二時半が過ぎ、三時が来て、僕はいよいよ焦りそうになるのをじっと堪える破目になった。
彼の携帯を鳴らして、現在位置を確かめたくなるのを堪え、彼を探しに行きたくなるのを堪える。
それから勿論、彼を疑うような気持ちが湧きあがりそうになることも堪えた。
まるで苦行だ。
とうとうやることもなくなって、リビングのソファに座り、ぼんやりとひたすら同じ映像を繰り返すニュースなんかを眺めていると、玄関の方で音がした。
新聞配達には早い時間だけれどもどうだろう、と思いながら腰を浮かし、玄関に出る。
時刻は既に四時が近かった。
ガチャガチャと玄関のドアが鳴る。
鍵は掛けてないのに、鍵を開けようとしているらしい。
僕は笑みが浮かんでくるのを感じながら、スリッパが汚れるのも構わず土間に下り、ドアを開いた。
そこには、顔を真っ赤にして、酒の匂いを漂わせる彼が立っていた。
「お帰りなさい」
「ん…たらいま……」
ろれつが回ってないほど酔ってるのに、
「よく帰ってこられましたね」
「タクシーで…ここまで送ってもらったから…」
ふらふらする彼の体を抱きとめ、支えながら家の中に入れる。
ようやくドアに鍵を掛けることが出来た。
そうしてそっと彼を床に下ろし、
「靴、脱げますか?」
「んん…脱がせろ…」
「畏まりました」
座るどころか仰向けに寝転がってしまった彼を可愛く思いながら、僕は彼の足から靴を外した。
ついでにと靴下も脱がせ、
「…苦しそうですから、緩めますよ?」
と声を掛けて、ベルトも緩めた。
「……静かですけど、大丈夫です? 吐きそうだったりしませんか?」
と問うと、彼は静かに頭を振った。
「へーき…」
「…では、大人しく寝るとしましょうか」
そう言って抱え起こそうとしたのに、彼がまるで力を入れてくれなくて、脱力しきった体はうまく持ち上がらない。
「あの、」
「なあ、」
彼は酔って上機嫌とはとても言えないような顔をして僕を見つめ、
「…なんで、電話とかしてくれなかったんだ?」
「…え、した方がよかったんですか?」
「…そうじゃ、ないけど……」
ごにょごにょと口ごもり、少しの間視線をさまよわせていたけれど、それが不意に厳しくなったかと思うと、
「なんで、怒らないんだ?」
なんて言い出した。
「は…?」
「怒ってないのか…?」
「…ええとそれは、こんなに遅くなったことについて、ですか?」
こくんと頷いた彼に、僕は苦笑する。
「それは勿論、随分心配もしましたし、やきもきさせられもしましたから、怒りたい気持ちはありますよ。怒らないにしても、お説教くらいしたいです。でも、自分は外で飲んだりするくせに、あなただけを責めたりは出来ませんよ」
そう出来るだけ優しく言ったつもりだったのに、彼の目が潤んだかと思うと、見る間に雫があふれ出す。
「ど、どうしたんですか?」
慌てふためく僕に、彼はひっくと子供のように大きく泣きじゃくりながら、
「だ、って、怒らないってことは、お前、っ、も、ぅ…俺のこと、好きじゃないんだろ……」
ととんでもなく的外れなことを言い出した。
「何を言い出すんですか」
「だってぇ…」
ぼろぼろ泣きながら、彼は僕の胸倉を掴み、
「怒れよ…! 心配して、嫉妬して、電話とか掛けて来いよ……! しなかった、って、ことは、やっぱり、俺なんかもうどうでもいいんだろ…。う、ふえぇ……」
なんて本当にこれまで見たこともないような勢いで泣き喚いておいて、
「嫌いに、ひっぅ、な、らないで……。捨て、ないで…くれ……」
とすがりついてくる。
なんて可愛いんだろう。
なんて一生懸命なんだろう。
この人がそんな風に形振り構わずに求めてくれるのが自分であることが嬉しくて堪らない。
「捨てたりしませんよ。嫌いにもなりません。…あなたが何よりも愛しくて、大事です。……愛してますよ」
「ほ、んとに……?」
「本当です」
「……う、そだぁ…」
どうしてかそんなことを言って、更に泣き声をあげる。
「ひっ、う、うえぇ……わぁぁ……!」
「ちょ…、あの、本当にそろそろ和希が起きちゃいますから、もう少し抑えて……」
「やだぁ…! か、ずきより、俺のこと、考えて…」
わんわん泣きながらそう訴えられて、自分の中で何かが切れた。
それは多分、理性の糸とかそういう類の物に違いない。
「……困った人ですね」
低く囁いて、彼の上に覆いかぶさる。
「う……?」
ひく、と震えながら彼が僕を見上げてくる。
泣き濡れた瞳は壮絶に色っぽく、それがどうしようもなく僕を煽ってくれるということを、この人はどうやらまだ自覚してくれていないらしい。
「酔って帰ったあなたに無体を強いてはいけないだろうと思って、我慢しようと必死だったんですよ? なのに、そんな風にして誘うんですか」
「さそ…って、なんか……」
「誘ってるでしょう。違うつもりだったとしても聞きません。僕の気持ちを疑うあなたが悪いんです」
「それ、は…、だって……」
「言っておきますけどね、」
と僕は彼を見つめて、
「僕はあなたを本当に愛してるんです。あなたが愛してくださっているということもよく分かっていますから、あなたの好きにさせてあげたいとも思うんです。全く妬かないわけではありませんけれど、それをあなたに見せて、あなたに呆れられたり嫌われたりするのは嫌なんです。本当に、あなたが好きなんです。だから、ぐっと堪えて、でも、あなたがいないのに大人しく眠ることも出来なくて、ずっと起きて待っていたんですよ? それなのに、あなたはあんなことを言うんです」
「…ご、ごめ……」
また新しい涙を溢れさせながら謝ろうとした彼の口を塞いで、その言葉を遮る。
柔らかな唇は酒の匂いがしても、やっぱり愛しくて気持ちいい。
「本当に疑ったわけじゃないんでしょう?」
殊更に優しくそう囁くと、彼は驚きに目を見開く。
「あなたが僕の愛を疑うわけありませんよね」
脅迫めいた囁きを、甘ったるく告げると、彼は良心の呵責でも覚えたように顔を青くしたけれど、心配しないでください。
咎めたいわけではありませんから。
「…だから、さっきのは疑うふりをして、僕を煽って、挑発して、誘ってくださっただけなんですよね?」
僕の言葉に彼は大きく目を見張ったかと思うと、小さく微笑した。
お前って本当に俺に甘いよな、とかなんとか呟くのがかすかに聞こえたような気もするけれど、聞かなかったことにする。
少し考えていた彼は、ややあって、その手を僕の首に絡めて、
「……ん、お前の言う通りだ」
と唇を重ねた。
「酔っ払っているのに、そういうことをするのは危ないんですよ?」
諭すような口ぶりで言えば、彼はくすくすと笑って、
「そういうこと言ってしてくれないと思ったから、絡め手で行ったんだろ?」
なんて本当に小悪魔のようなことを囁いてくる。
「困った人ですね」
「自覚してるから言ってくれるな。……なあ、一樹」
シよう、と囁かれるのに任せて、僕は彼を抱き上げて、寝室に運び込んだ。
ベッドに横たえるとそのまま抱き寄せられ、唇が重なり合う。
このままいっそ眠ってしまうならそれでいいと思っていたのだけれど、彼は別に眠くはないらしい。
珍しいほどの熱心さでもって舌を伸ばし、唾液をすする。
こちらの方が食べられてしまいそうだと思いながら、彼のシャツをめくりあげた。
「んっ……」
それだけで刺激になるのか、彼がびくりと体をそらせ、小さな声を立てた。
「どうしてほしいですか? あなたの望むようにしますよ?」
「どう、って……ぁ…」
恥かしそうに顔を赤らめる彼の体をすっと撫で下ろし、まだ柔らかで硬くなっていないものに触れる。
「じっくりします? それとも、焦らされたくありません?」
にやりと意地悪く笑いかけると、彼は興奮したような吐息を漏らして、
「…早く、しろ…っ……」
と言い出す。
「早く、ですか」
ズボンの上からやわやわと揉み込めば、そこはすぐに硬くなる。
「普通、お酒が入っていると勃たなくなったりするんですけどね」
「う、るさい…! お前のせいだろ…」
「ええ、嬉しいことに」
笑いながら彼のズボンも下着も脱がせてしまう。
ただし、足首まで。
「んっ……? なんで…」
「もどかしいものですから。…僕の方こそ、我慢させられてたんですからね」
くすくす笑いながら、彼の膝を立てさせ、露わになった半勃ちのものに唇を寄せる。
そっと舐め上げ、口の中に含むとそれだけで硬く育つ。
「ふっ…ぁ…んん……」
切なげな声を漏らしながら、彼は僕の髪に指を絡めてくる。
彼の指が髪をくすぐる感覚が、何かを煽るように思えた。
甘噛みすれば悲鳴のように鋭い嬌声が上がり、先端をつつけばもどかしげに震える。
「も…、やっ……! 一樹、もう、そこ、は…いいから……」
「では、どうします?」
「…い、じわる……」
罵りながらも彼は脚を開こうとして、
「これっ…邪魔……」
と足首に引っかかる服が邪魔だと訴える。
そのくせ、上手く脱げないようで、もどかしげに足をすり合わせる動きがどうにも艶かしい。
「早くしてほしくて堪らないみたいに見えますね」
「だ、って、本当に、してほしいって…」
いつもなら聞けないような台詞に、ついつい顔が緩む。
「じゃあ、うつ伏せになって…」
「う…?」
よく分からない、という顔をしながら、彼は素直に体を反転させた。
「ちゃんと体を支えてくださいね」
と言いながら腰を上げさせると、
「こ、んな……っ…」
と恥かしそうな声が上がるけれど、
「してほしいんですよね?」
と言えば、大人しくなる。
従順な彼も可愛くて愛しい。
僕は彼の背中にキスを落としながら、ベッドサイドの引き出しからローションを取り出し、彼の可愛らしく円やかな双丘にたらす。
「ひゃっ……ん、ぅ…」
「これだけで感じるんですか?」
「しょ、うがないだろ……」
唸りながらも、ちゃんと腰を上げた姿勢を維持しようとする。
「…可愛い」
独り言のように呟いて、ローションを指ですくい、そのまま慎ましやかに見える窄まりに滑らせると、そこは見た目とは裏腹な貪欲さでもって僕の指を飲み込んでしまう。
「ふぁ…、あっ……んん……」
切なげな声を上げる彼は、何かを堪えるようにシーツをかきむしり、きつく握り締める。
そのくせ腰を揺らして誘うのだから、本当にタチが悪い。
「足りませんか?」
「あっ、う、た、りないから……もっと…!」
そんな風にねだってくれるのは、酔いが回っているからなのか、それとも僕を疑うようなことを言ってしまった罪悪感のせいなのか、よく分からない。
分からないけれど、それはとても淫らで、愛しくて、ちょっとした怒りや苛立ちなんてものは忘れてしまえるようなものに思える。
「いくらだって…」
うわ言のように返しながら、指を増やし、彼の中をかき混ぜる。
柔らかくて熱いそこは、ローションのせいでにちゃにちゃと音を立てている。
そこを指が出入りする眺めだけで、そのまま食らい付きたくなる。
それこそ、お互いに慣れたもので、どのくらいほぐせばいいかなんてことも分かるから、僕がもういいかと思ったのと、彼がねだる言葉を口にしたのはほとんど同時だった。
「もういい…っ、いいから、お前の、入れて……!」
顔をなんとかこちらに向けて、潤んだ瞳でそう訴える彼に、僕はごくりと唾を飲んだ。
ええ、と頷いて、限界が近いほどに昂ぶったものを、熱っぽく震える場所に押し当てると、それだけで彼の腰が揺れた。
「あ……ん、っう、早く……」
そう誘われるまま、一息に貫くと、
「ひぃぁ……!」
と息の詰まったような悲鳴を上げた。
中もきつく締まり、僕のものを噛み千切りそうに締め付ける。
「くっ……ぅ…」
「はっ……あ、だめだ……」
と呟いたから何かと思ったら、彼は泣きそうな顔をこちらに見せて、
「…見れば、分かるだろ……?」
なんて言う。
なんだろう、と思いながらよく見ると、彼のものは既に白濁を吐き出していた。
「…これは、また……」
「…っ、恥かしいから、ところてんとか言うなよ!?」
自分で言ってますよ、と笑いたくなりながら、それは堪えて彼を抱き締める。
「嬉しいですから、気にしないでください。…動いても、いいですか?」
「…動かなきゃ…、俺が乗っかってやる」
「それはそれでいいですね」
と言っておきながら、ゆっくりと腰を使う。
彼のものが元気を取り戻すように、そちらも握り込むと、
「んっ……あ、ふぅ…」
少しばかり控え目ながらも甘い声がした。
「あんっ…ん、ひあっ……」
それが少しずつ大きく、余裕を失って行くのを感じるほどに、我慢が効かなくなる。
彼を感じさせられることが嬉しい。
でも何よりも、こんな風に彼が僕を受け入れてくれることが嬉しいと、彼と付き合うようになってから何年も経ち、それこそ数えきれないほど体を重ねていてさえ、思うのだ。
「愛してます」
囁きながら彼の背中に赤く印を散らす。
「俺も…っ、だ、から……」
「だから?」
「…もっと、好きにしていい、ワガママだって、っ、言って、いいから…」
今だって相当に甘やかしてくれているのに、それでは足りないらしい。
それをくすぐったくも嬉しく思いながら、
「ありがとう」
と短く告げる。
「…愛してる」
繰り返し囁いて、僕は腰の動きを早めた。
「…っ、そろそろ、いい、ですか…」
「ん…、中に、出せっ……」
言いながら、きつく締め付けてくるのはもしかしてわざとなんだろうか。
「くぅっ……」
彼の中に思う様出して、更に彼のものを扱いて、もう一度吐き出させた。
ずるりと引き抜けば、栓を失ったようにとろりと白いものが溢れてくる。
あまりじっくり見ているとまた催しそうだからと、手早くティッシュで拭った。
うつ伏せのままぐったりと力の抜けた彼に、
「大丈夫ですか?」
と声を掛けると、薄く目を開き、
「ん……平気だ…」
「……濡れタオルとか、用意してきますね。眠ってしまっても構いませんから」
「水も頼む…」
「ええ」
そう頷いて出て行こうとした僕のシャツを彼の指が小さくつまみ、引きとめた。
「どうしました?」
「んー……」
半分眠っているような顔で彼は僕を見つめている。
それから、また泣き出しそうな顔をして、
「…愛してる」
と呟いた。
「……ええ、よく分かってます」
そっと口付け、これ以上はまずいと顔を離した時には、その目は閉じられ、静かな寝息が聞こえ始めていた。
愛しさに顔を緩めながら、僕はそっと寝室を出た。
勿論、彼に言った通りのことをするために。

その日、結局昼過ぎまで眠っていた彼は、目を覚ますなり僕を恨めしげに睨んで、
「…お前は酔っ払いに何をした」
と言い出した。
そうだろうなと思ってはいたけれど、
「また綺麗さっぱり忘れられたものですね」
と苦笑が漏れる。
「はあ?」
「…誘ったのはあなたですよ」
「……え」
「僕としては、無理をさせたくなかったんですけどね。愛してないんだろ、なんて迫られたらそれはもう負けるしかありませんよ」
「……マジか」
「ええ」
少しばかり顔を青くする彼に、僕はいささか調子に乗って、
「あなたと来たら、僕に取りすがって泣き喚いたりするから、和希が起きないかと心配だったんですよ?」
「そう、なのか? というか、俺は一体いつ頃帰ったんだ…」
「朝の四時頃でした」
「そんな時間に!?」
「ええ。随分ご機嫌で帰ってこられたのかと思ったら、いきなり泣き出すし、ほかにも色々わがままを仰られて」
「…なんてこった……」
「中で出せとか痕をつけろとか後ろからがいいとか、ええ、本当に凄かったですよ」
と虚実取り混ぜて言えば、彼は顔を今度は真っ赤にして絶句した。
それから、と僕は笑って、
「僕にもっと好きにしていい、わがままを言っていい、なんてことも言ってくださいました」
と告げると、彼は大真面目な顔で、
「ああ、うん、それはいつも思ってるから…」
なんて言葉を口にした。
ぽかんとした僕に、彼が我に返った様子ではっとして、
「な、んだよ、おかしいか!?」
と逆ギレみたいな勢いで言ってくるのがどうしようもなく可愛くて、思わず抱き締めたのだけれど、
「腰が痛いからやめろばか!」
と今度こそ殴り飛ばされた。